最近のコンパクトデジカメは一昔前のフルサイズデジタル一眼を上回るまで画質が向上しています。
撮り手に適切な知識があれば、コンデジでもフルサイズデシタル一眼レフ以上の結果が出せます。
ここでは2013年4月現在のコンデジの活用方法を考えます。
なお、マルチコプター空撮に用いるという前提で書かれていることから一般用途と評価軸が大きく異なります。
ご注意下さい。
0 [Zero]では重量300g以下の撮影機材を数多く実務に投入しています。
2013年4月現在は以下が現役です。
SONY cyber-shot DSC-HX30V : 2.0kgクラス 動画撮影用
SONY cyber-shot DSC-RX100 : 2.0kgクラス スチール撮影・夜景動画撮影用
SONY cyber-shot DSC-WX200 : 1.0kgクラス 動画撮影用・マンション眺望撮影用(開発中)
すべてSONYとなったのは2012年時点で手ぶれ補正で他社よりも明確な性能差があったから(HX30V)
そして、250g以下限定で画質(スチール)がもっとも優れていたから(RX100)
特にSONY党でもありません。
純粋に、実写テストの結果からより良い結果を出した機種を採用したところ、SONYだったという流れです。
0 [Zero]の業務撮影「動画」の多くはHX30Vで撮られています。
主業務とも呼べるドラマ撮影の現場で求められるのは60i程度でそこそこの映像。
意外と思われるかもしれませんが実務では、「ピタッ」と止まる映像は必須とはされていません。(もちろん、止まった方が良い)
4Kも必要ありません。(当然、数年後は必須)
止まりの良さよりはそこそこの風の中でも撮影出来る。
小雨でも中断無し。
スタンバイ時間が短い。
問題となり得る事故が起こりにくい。
これらの実務性能の方が絶対的な画質よりも優先順位が高いのが実際の現場です。
0 [Zero]では常に「コンデジ以外はレンズを開けなければ意味がない」と述べています。
これはシネカメラを必要とされる理由を考えれば当然のこと。
確かに、地上で用いるカメラと同じ物を空に上げれば、絞り込んだとしても別のメリットがあることは認めます。
また、キレがあるのも然り。
しかし、そのメリットと、「より高い安全性」を天秤に掛ければ、自ずと選択肢は決まると考えています。
何よりも、軽いカメラ(機体)を選択することによりワークの選択肢が増える方が作品全体としてはメリットです。
HX30Vはこのページを書いている段階では製造終了となっています。
昨日購入した量販店最後のHX30Vは販売価格¥17,200-でした。
僅か240gのカメラが出す画としては驚異的というレベルのスチール画質です。
今でも5Dmk2に広角Lズームでスチール撮影をしているプロの方は多いと思いますが・・・
28mmと限定するとRX100の画質はそれを上回ります。
画角に関しても、社外品のワイコンを装着すれば22mm程度まで現実的な画質で対応出来ます。
なお、最新の単焦点と組み合わせると5D系の方が画質は優れます。
参考2009年版:空撮プロが使うレンズ
比較対象は、「一昔前」のフルサイズ一眼と新設計の単焦点Lレンズ。
この点でも、DSC-RX100の写りが驚愕のレベルにある事はわかっていただけるかと思います。
このRX100ですがワイド端もポスター用途まで想定した解像度も問題とはなりません。
どちらも足りなければ、複数枚を撮影しステッチを行えば良いだけ。
標準域で撮影し必要な枚数をステッチすれば、億単位の画素数の緻密な画が制作出来ます。
もちろん、「撮ったまま」のフルサイズよりも画質は上。
「ステッチの手間がかけられない・・・」
この様な意見は却下します。
画質が求められているなら、ポスター・パンフレット・新聞一面・B3チラシなどという用途。
それなりの撮影予算も取られている案件でしょう。
数万円の追加コストで画質が向上するなら、クライアントはそちらを選択するハズ。
ついでに、安全性もあがるというおまけ付きです。
それなりの画質で良い案件なら・・・
RX100をRAW撮影すれば、目的は達成出来るでしょう。
0 [Zero]ではパンフレット表紙ならRX100で十分と認識しています。
0 [Zero]が現在制作を進めているのはマンション眺望撮影専用機。
WX200のスイングパノラマ機能を活用し、実務で必要とされている簡易パノラマを1.5kg以下の機体で撮影します。
スイングパノラマを用いる事によりステッチ手間を削減。
眺望撮影では数多くの画像を低コストで提供することを求められる世界。
フルサイズデシタル一眼のワイド端よりも広い画角を、ステッチ作業無しで安価に提供出来る。
しかも、フライト重量は1.5kg以下。
これは武器になります。
眺望撮影として必要な画質は最初期から保証出来ます。
風に強く、墜落範囲も限定出来、万が一の場合にも周囲への被害が少ない。
当然ですがあらゆるラジコン空撮器機よりも静音。
絶対の安全が保証出来るバルーンよりは安全性の観点で落ちる事は間違い無いのですが・・・
低層物件と仮定すると、とてもバランスの良い撮影機材になると思われます。
0 [Zero]ではマルチコプター空撮の主力はコンデジですがデジイチもバルーン空撮で用いています。
この10年間で空撮に用いられると思われた主要なデジタル一眼は一通り購入しています。
NEXも最初期からテスト購入しています。
それらが吐き出す画は承知でコンデジをマルチコプター空撮では採用しています。
以下の技術解説をご覧下さい。
2008年版:空撮プロが使うデジカメ
上記のページは5年前にバルーン空撮で夜景撮影に取り組んでいた頃の技術解説ページです。
現在の様にFマウントが圧倒的に優れるという状況では無かったことから、様々なマウントで悩んでいる様が見て取れます。
この年は最終的に5Dmk2がD700よりも優れている事を実写にて確認。
その後2012年までは5D系がバルーン空撮のメインマウントとなります。
その後レンズの強化などは都度行いましたがボディは不変で数年が経過。
数年間は安定してEFマウントがベストという年が続いていましたが大きな変化の年が訪れます。
2012年は5D系とD3桁系で新ボディの発売。
そして、各社共に最新設計の単焦点レンズを発売。
旧設計の単焦点レンズが最新設計のズームレンズに劣るという歪んだ時代は過去の物となりました。
最新設計のボディと、最新設計の単焦点が空撮の機材としては正解。
長く続いた歪みが解消された年です。
その結果、過去5年間で最大の撮影機材の入替タイミングとなりました。
具体的にはEFマウントからFマウントへの乗り換えです。
5年前のと5D系とD3桁系の差よりも、2012年の差は開いています。
2008年:5Dmk2 > D700
2012年:D800 >>> 5Dmk3 > 5Dmk2
5D系に後ろ髪を引かれるのは最新設計のIS搭載単焦点レンズの存在。
「ステッチの必要が無い夜景撮影」(バルーン空撮前提)
※それ以外の要素もありますが敢えて触れずに。
この用途に限っては5D系に軍配が上がります。
つまり・・・
この用途以外に用いる空撮カメラはFマウントを選ぶのが当然と考えて良いでしょう。
一般的なカメラマンと比較するとマルチコプター(ラジコン)空撮はマウント替えが容易いと言えます。
・必要とするレンズの本数が少なく安価
・フラッシュなど別の機材を考慮する必要が無い
・ピント・ズームリングの回転方向を考慮しなくても良い
DSLR動画撮影がメインで、スチールがオマケ・・・
この様な会社なら、地上との連動を考えて5Dmk3の採用は、「アリ」でしょう。
オマケのスチール撮影の為にD800EやRX100を用意する方が非合理と思います。
もちろん、D800での動画撮影がメインなら、そのままスチールを撮影すれば完璧です。
スチールがメインで、動画はNEXで・・・
結構ありがちなパターンです。
専用ジンバルが優秀であることから、NEXでの動画撮影は、「アリ」でしょう。
その延長と考えれば、NEXでのスチール撮影も「アリ」
十分優秀なNEXを押さえてのスチール撮影専用機と言うなら・・・
自ずと選択肢はFマウントとなります。
EFマウントではレンズ選択(設定)を間違うと手練れが扱うNEXに画質で劣るなどと言う事も発生します。
中には、「デジタルバックなので、一緒にしないでくれ」と言う方もいるかも知れません。
ここでも絞って使う空撮用途なら、ステッチの方が有利です。
142) 【特願D】宅配ドローンヘリポート
141) 宅配ドローン着陸姿勢と特願A
140) 宅配ドローン理想重心機と特願A
139) ドローンのデザインとは?
138) バッテリー初期不良の原因特定
137) DJI純正バッテリーの自己放電確認テスト
136) 5機目のDJI PHANTOM2
135) DJIは信用出来るのか?
134) 2016年のDJIクオリティの確認
133) 宅配ドローン実証機制作 その3 特許と許可申請
132) 宅配ドローン実証機制作 その2
131) 宅配ドローン実証機制作 その1
130) 航空法改正
129) 【特願A】実フライトテストNo1
128) 「ドローンから落下させる」機構制作とテスト
127) ドローンの飛行時間について
126) ゲインとは?
125) 首相官邸屋上のドローン落下事故に関して
124) リポバッテリーの検査方法
123) GoProのNDフィルタに関して
122) ホワイトハウス無人機墜落に関する推測
121) 特許出願機の実体化
120) 墜落原因の報告義務について
119) 危険な業者の判断方法
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99) マルチコプターとPL法
98) スチール撮影用マルチコプター入門
97) リポバッテリー内部検査の理由
96) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価
95) SUNNYSKY Xシリーズの評価
94) フルスクラッチマルチコプターのススメ
93) SONY SEL1018は、マルチコプター空撮に使えるか?
92) Amazon Prime Air
91) α7とα7R
90) 動画撮影前提のマルチコプターフライトテクニック
89) 航空法第二条
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85) 電波障害の再検証
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72) モーターを使い切るノウハウの公開 おすすめ
71) 黎明期から成長期に入ったマルチコプター空撮
70) 夏場の駐車車内の温度上昇対策
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63) AR.Drone 【屋内ハル】の流用
62) 1.0kgクラス4モーター フレーム再設計
61) 1.0kgクラス4モーター開発経過
60) 屋内限定業務用クアッドコプター開発開始
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42) 2.0kgクラス高機動タイプ [Ver2] 開発中
41) 2012年夏のマルチコプター墜落の解説 【このページにて原因の特定説明】
40) 「受注見合わせ」と、「フライト制限」に関して
39) 重量級テスト機体の処分
38) マルチコプターに関する特許出願の内容
37) オクトコプター初フライト
36) 「人物接写空撮」とは?
35) 「2.0kgクラス 6モーター」第一期大規模改修完了
34) 「引きのカット」のカメラ角度について
33) 軽量マルチコプターだから出来ること
32) 0 [Zero]の機体が軽く精度が高い理由
31) マグネシウム合金が理想的なマルチコプターフレーム材
30) 6モーターは危険?安全?
29) 8モーターが安全な理由
28) 4モーターが危険な理由
27) DSLR搭載機開発の一時凍結
26) 初のマルチコプター空撮業務の解説
25) マルチコプターの事故と注文者責任 おすすめ
24) 降雪時のマルチコプター空撮サンプルとは?
23) エクストリーム空撮
22) プロペラバランス
21) リチウムポリマーバッテリー
20) マルチコプターの防振対策
19) JR XG8 本採用
18) モーターテスト用ベンチ制作
17) GoPro HE HERO2 専用ジンバルの試作例
16) 機体設計の方向性
15) ラピド工房
14) DJI Wookong-Mは最新ファームによりトラブル解決
13) αゲルとジンバル
12) 空撮ムービー撮影にフルサイズ一眼は必要なのか?
11) バルーン空撮屋の都合
10) DJI WooKong MとJR・DMSS2.4GHzとの相性?
9) DJI WooKong Mの初期不良確定
8) 犯人はコントローラー?受信機?
7) DJI WooKong Mのトリムズレ
6) 上空フライトテスト
5) 離陸から撮影までの所要時間
4) 実務を想定した弱風条件の動画撮影
3) 1号機にカメラ搭載
2) 最初の一週間
1) マルチコプターの導入