マルチコプターによるスチール撮影ではデジタル一眼レフは不要です。
250g程度のコンデジ(サイバーショット DSC-RX100)で、2~4枚の画像をステッチすれば、一線級のデジイチを上回る画質を得ることが出来ます。
この様な軽量化のアプローチもあるのです。
「パノラマ写真 ステッチ」などという単語で検索し、ステッチの基本を理解してから読み進めることをおすすめします。
スチール撮影を業務としているなら、専門書の購入をし研究も良いでしょう。
←0 [Zero]も掲載されている、国内初となるパノラマ関係の専門書です。
ここから先を読みこなすにはステッチをする事により、スチール画質は向上するという、最低限の知識が必要です。
これが理解出来ていないと、以下を読んでも意味はありません。
マルチコプターの軽量化の手法はあらゆる手段が残されています。
同じ画質なら、「より軽いカメラを搭載して軽量化」がもっとも簡単な軽量化手法です。
ステッチの基本を理解した方なら、以下がご理解頂けると思います。
RX100 × 4枚ステッチ >> D800E 14-24mm/f2.8G
D800E+14-24mm/f2.8Gという組み合わせはマルチコプターのスチール空撮という用途なら最上級という組み合わせです。
この画質を、RX100の4枚ステッチ画像は画質の面で大きく上回ります。
また、14mmの画角もカバー出来ます。
そもそも論となってしまうのですが・・・
D800などに代表される、デジタル一眼レフがマルチコプター空撮の用途でどこまで必要とされているのかが疑問です。
撮って出しのRX100でも企業パンフレットや、常識的なサイズのチラシ用途なら解像度が足りるはずです。
他社の機材を拝見して、いつも思うのが「それ(重量級機材)で、何を撮っているのだろう」です。
APS-Cにキットズームなどもよく見掛けますが・・・
「機材が安い割りに、ハッタリが効く」以外のメリットを見出すことが出来ません。
・もの凄い高度な用途 : D800Eのステッチ
・高度な用途 : RX100のステッチ
・一般的な用途 : RX100の撮って出し
2013年6月現在では上記の3パターンを押さえれば、スチール業務は全てクリア出来るハズです。
これ以外の答えは無いというほど、明確に答えられます。(それほどに、他の機材との差がついている)
「ステッチなどの手間を掛けているヒマが無い」
この様な事を言うかもしれません。
しかしながら・・・
その様な事を言う方は例外なくステッチが出来ない方です。
ステッチが出来る技術がある方なら、通常のマルチコプター空撮にデジイチが必要無い事が理解出来ます。
0 [Zero]では、「もの凄い高度な用途」が主業務ですので、D800E+50mmの搭載の可能性は残します。
D800Eに、24mm以下のレンズは搭載することはありません。
この用途はRX100のステッチでクリアすべき撮影案件です。
←昨日、画像加工をしていたパノラマ画像の例。(バルーンにて撮影)
3,630万画素×33レイヤー=11億9,790万画素
参考ファイル容量(psbファイル)=4.04GB (DVDに入りきらない)
0 [Zero]の具体的な商品としては、「50mm超高解像度パノラマ2列仕様」になります。画像加工のみで4営業日が必要というステッチ作業の極みとも言える業務です。
想定する印刷サイズは幅10m以上。
鑑賞距離は2m。
具体的にはマンションショールームでの眺望撮影用途です。
この用途にRX100を導入してしまうと同等の画質を得る為には57レイヤーを必要とする事を意味します。
撮影手間と、後加工手間を考えると、この業務ならばD800系の投入は当然と言えます。
なお、「デジカメの高画素化は意味が無い」という趣旨の発言をされる方がいますが・・・
この様な用途では画素数も高感度化も、幾らでも欲しいという世界です。
←昨年の秋に実務で撮影した例。(マルチコプターにて撮影)
2,020万画素×6レイヤー=1億2,120万画素
用途はチラシ用のパノラマ画像。
180°相当のパノラマが必要であったことから、RX100ベースをワイド端一列でステッチ。
ほとんどのマルチコプター空撮はこの用途までカバー出来れば十分なハズです。
解像度が足りなければ、標準域にて撮影。
複数枚を合成すれば、デジタルパックを超える画質を手にすることが出来ます。
ポスター用途の空撮などは0 [Zero]ではRX100をベースとして複数枚を合成して納品しています。
仮に、ステッチをする僅かな手間も掛けられないと言うなら・・・
RX100にワイコンを装着すれば、対応出来るでしょう。
※RX100は純正ではワイコンの設定がありません。
RX100は現行の普及価格帯のデジイチよりも画質が優れると言い続けています。
この言葉は少し注意が必要です。
「絞り込む用途では・・・」という前提が付きます。
この様な深いページを見る方は現役の空撮のプロも多いと思われるので、「絞る」を省略している次第です。
この絞った状態のRX100の画質はひと世代前のフルサイズデジイチと、設計の古い現行型プロ用レンズの組み合わせに勝るとも言い続けています。
本題に戻ります。
RX100の広角端で足りる用途ならば・・・
5Dmk2との比較なら、RX100が勝ります。(画質で)
仮に、撮影時間短縮を主眼として、RX100の4台積という機体をつくったとしても・・・
その4台のRX100は1台の5D系よりも軽量に仕上がります。
これでも、5Dmk3でスチール空撮をする理由がありますか?
0 [Zero]がスチールメインのマルチコプター空撮機材をセットアップすると・・・
RX100の2台搭載機を制作します。
搭載パターンは4パターン。
・横位置横搭載 : 準パノラマ
・横位置縦搭載 : 横方向重視の高解像度仕様
・縦位置横搭載 : 縦方向重視の高解像度仕様
・縦位置縦搭載 : 高層ビル・樹木撮影用?
この2枚をステッチする前提の機体で、D800系を凌ぐ画質と画角と撮影レパートリーを得ることが出来ます。
もちろん、カメラ重量は2台でも500gを切ります。
これでも・・・APS-Cを搭載しますか?
←毎年恒例の初夏のパソコンメンテから。
年に一回はパソコン内部のホコリを清掃します。
冷却フィンなどに付いたホコリに起因する熱暴走対策です。
タイミングは室温が上がってくる梅雨明け前。(同時に、業務も薄くなる)
パソコンの組み立てなども、梅雨の時期が多くなります。
社内でステッチ作業を行う社員のパソコンはこれと同等かこれ以上のスペックです。
0 [Zero]は創業当時は建築CG制作が主業務。
その後、Webサイト制作会社して法人化。
空撮はバーチャルツアー制作の為の必要からスタートという流れです。
こういう経緯から、パソコンによる画像加工を得意としています。
なお、ここまでの性能を必要とするのは億単位の画素数をステッチ・レタッチする必要があるから。
RX100ベースで、10枚程度なら常識の範囲のパソコンで十分です。
なお、このパソコンは私(0 [Zero]:代表)のパソコンです。
組んだのは2012年の7月。
ほぼ、1年が経過してます。
◆スペック
・i7-3820(LGA2011)
・メモリ=64GB
・SSD=サムスン830シリーズ(非RAID)
・ビデオボード=ELSA NVIDIA Quadro600
重要なポイントのみ抜き出しました。
代表だからと言って、ハイスペックな訳ではありません。
ステッチを主業務としている社員はこれ以上の物を使っています。
LGA2011としてるのは信頼性の観点から。
メモリ容量とSSD採用はステッチ作業の効率化の観点から。
ビデオボードは高い解像度(WQHD 2560×1440)を扱うのに必須である事から。
Quadro600をメインとして、旧型のボード(NVS)をサブとしています。
画面は今ならばEIZOのCX270クラスをメイン画面として用いています。
この日はハードディスクの入替も同時に行いました。
←ファイルサーバーからバックアップデータを引いた、旧ハードディスク。
この一台に1年間の撮影データが詰まっています。
なお、社内にはRAIDにてファイルサーバーが組まれています。
そこから、私のPCに差分データを定期的にバックアップを取っています。
このデータ満載のハードディスクはPC内部から取り出されて、事務所外の場所で保管されることになります。
万が一、事務所が火災などに見舞われてもデータの欠損を最低限にする配慮です。
ファイルサーバーも、事務所内では私のデスクの真下に設置しています。
これも含めると、周囲で20台程度のハードディスクが稼働しています。
現場で用いるCFはこの頃はコレを使っています。
転送速度が速いことから重宝しています。
※64GBよりも128GBの方が高速
なお、動画撮影のSDは16GB(Extreme Pro)を用いています。
総数は把握していませんが20枚程度は所有していると思います。
撮影完了後に、カード現物で納品というスタイルなので、この枚数を必要としています。
なお、容量は32GB以下限定。
これはデータのハンドリングの観点から。
なお、64GBなども持っていますが・・・通常業務=テレビ関係では使う事がありません。
それではSDの64GBをなぜ持っているかとなると・・・
それはRX100のRAW撮影の為です。
そして、ダブルスロットのデジイチで打ち切った場合の保険用途などに用います。
これに限ったことでは無いのですがハードウェアの特性を理解してあるべき姿で運用しています。
142) 【特願D】宅配ドローンヘリポート
141) 宅配ドローン着陸姿勢と特願A
140) 宅配ドローン理想重心機と特願A
139) ドローンのデザインとは?
138) バッテリー初期不良の原因特定
137) DJI純正バッテリーの自己放電確認テスト
136) 5機目のDJI PHANTOM2
135) DJIは信用出来るのか?
134) 2016年のDJIクオリティの確認
133) 宅配ドローン実証機制作 その3 特許と許可申請
132) 宅配ドローン実証機制作 その2
131) 宅配ドローン実証機制作 その1
130) 航空法改正
129) 【特願A】実フライトテストNo1
128) 「ドローンから落下させる」機構制作とテスト
127) ドローンの飛行時間について
126) ゲインとは?
125) 首相官邸屋上のドローン落下事故に関して
124) リポバッテリーの検査方法
123) GoProのNDフィルタに関して
122) ホワイトハウス無人機墜落に関する推測
121) 特許出願機の実体化
120) 墜落原因の報告義務について
119) 危険な業者の判断方法
118) 注文者責任のとらえ方の変化に関して
117) マルチコプターが旅客機を墜落させる
116) マルチコプター全面禁止というシナリオ
115) マルチコプター墜落原因の解析について
114) GPSハッキング
113) 管理責任者の表示
112) フライト総重量の明示
111) 湘南国際マラソン墜落事故を考える
110) 雨とリチウムポリマーバッテリー
109) DJI lightbridge テスト開始
108) DJI Phantomd純正プロペラの評価
107) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価 その2
106) SUNNYSKY Xシリーズの評価 その2
105) 大型機とFPVの解禁
104) 「螺旋下ろし」で安全な機体回収
103) 固定ピッチのメリットとデメリット おすすめ
102) 3Dプリンタ打ち出し部品を信じるな!
101) 3Dプリンタとマルチコプター
100) 技術解説100ページの区切
99) マルチコプターとPL法
98) スチール撮影用マルチコプター入門
97) リポバッテリー内部検査の理由
96) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価
95) SUNNYSKY Xシリーズの評価
94) フルスクラッチマルチコプターのススメ
93) SONY SEL1018は、マルチコプター空撮に使えるか?
92) Amazon Prime Air
91) α7とα7R
90) 動画撮影前提のマルチコプターフライトテクニック
89) 航空法第二条
88) リポバッテリー充電ステーション設計中
87) マルチコプタージャマーについて
86) 空撮屋必修の書籍 :「一般気象学」 おすすめ
85) 電波障害の再検証
84) 空撮会社のノートパソコン
83) マルチコプター空撮機材車
82) 選別落ちリチウムポリマーバッテリーの例
81) プロペラバランスを極める
80) 機材車増車
79) 受注制限に関して
78) ブラシレスジンバル【1.0kgクラス】 業務投入開始
77) ブラシレスジンバル・最初の2週間
76) 1.0kgクラスのジンバル交換
75) 「GoPro HERO3 + ブラシレスジンバル」初フライト
74) ブラシレスジンバル組み付け中
73) パソコンの高性能化により、機体を軽量化?
72) モーターを使い切るノウハウの公開 おすすめ
71) 黎明期から成長期に入ったマルチコプター空撮
70) 夏場の駐車車内の温度上昇対策
69) 「社員パイロット」の責任範囲
68) 「幽かな彼女」ワーク解説
67) マンション眺望撮影専用機体の開発開始
66) コンパクトデジカメの可能性
65) 「フライト重量」は重要な技術スペック
64) 1.0kgクラス・最初の1ヶ月
63) AR.Drone 【屋内ハル】の流用
62) 1.0kgクラス4モーター フレーム再設計
61) 1.0kgクラス4モーター開発経過
60) 屋内限定業務用クアッドコプター開発開始
59) ハンディーカムCX430V導入
58) DJI Wookong-MのGPSアンテナ
57) DJIの品質は大丈夫なのか?
56) フタバ14SGは空撮送信機の定番と成り得るか?
55) サイバーショットDSC-WX200発表
54) リチウムポリマーバッテリーの短絡テスト おすすめ
53) 「科捜研の女」2時間スペシャル撮影例
52) 軽量マルチコプターにベストなカメラは?
51) GTOスペシャルのワーク解説
50) リチウムポリマーバッテリー考察
49) 変電所付近での電波障害
48) ノーファインダー撮影が基本
47) DJI Wookong-Mの暴走原因の特定完了
46) 墜落テスト[2.0kgクラス 6モーター 2012年12月編]
45) DJI Wookong-Mの最新ファームに関して
44) AR.Drone 2.0はブロの撮影に使えるか?
43) プロペラ接触危険率 おすすめ
42) 2.0kgクラス高機動タイプ [Ver2] 開発中
41) 2012年夏のマルチコプター墜落の解説 【このページにて原因の特定説明】
40) 「受注見合わせ」と、「フライト制限」に関して
39) 重量級テスト機体の処分
38) マルチコプターに関する特許出願の内容
37) オクトコプター初フライト
36) 「人物接写空撮」とは?
35) 「2.0kgクラス 6モーター」第一期大規模改修完了
34) 「引きのカット」のカメラ角度について
33) 軽量マルチコプターだから出来ること
32) 0 [Zero]の機体が軽く精度が高い理由
31) マグネシウム合金が理想的なマルチコプターフレーム材
30) 6モーターは危険?安全?
29) 8モーターが安全な理由
28) 4モーターが危険な理由
27) DSLR搭載機開発の一時凍結
26) 初のマルチコプター空撮業務の解説
25) マルチコプターの事故と注文者責任 おすすめ
24) 降雪時のマルチコプター空撮サンプルとは?
23) エクストリーム空撮
22) プロペラバランス
21) リチウムポリマーバッテリー
20) マルチコプターの防振対策
19) JR XG8 本採用
18) モーターテスト用ベンチ制作
17) GoPro HE HERO2 専用ジンバルの試作例
16) 機体設計の方向性
15) ラピド工房
14) DJI Wookong-Mは最新ファームによりトラブル解決
13) αゲルとジンバル
12) 空撮ムービー撮影にフルサイズ一眼は必要なのか?
11) バルーン空撮屋の都合
10) DJI WooKong MとJR・DMSS2.4GHzとの相性?
9) DJI WooKong Mの初期不良確定
8) 犯人はコントローラー?受信機?
7) DJI WooKong Mのトリムズレ
6) 上空フライトテスト
5) 離陸から撮影までの所要時間
4) 実務を想定した弱風条件の動画撮影
3) 1号機にカメラ搭載
2) 最初の一週間
1) マルチコプターの導入