このページは、2012/03/05に公開が開始されています。
基本的には、その当時のままで公開されています。
それ以降に判明した事柄などは、加筆にて付け加えさせて頂いています。
4個のモーターでプロペラを回転させる、基本的なマルチコプター。
部品点数が少なく構造が単純であることから、ホビー機体の多くはクアッドコプターです。
もっとも有名なのは、AR.ドローン(トイザらスなどでも販売)です。
オモチャとして販売しいる物は、「安全か?」と問われれば・・・
「オモチャは安全です」と答えます。
AR.ドローン(初代)は実測427g(手持ちの機体)です。
バッテリー容量の関係からフライト範囲もある程度限定出来ます。
発泡スチロールの機体ですから、衝突時の衝撃も十分軽減されます。
重量は安全と直結しているという良い例です。
【加筆:2016年のクアッド】
クアッドとして2016年現在で一般的なのは、DJI社 PHANTOMとInbspireとなっています。
PHANTOMは、モデルチェンジの度に重量を増し、最新のPHANTOM4ではカメラ込みの重量は1.5kg以上。
Inbspireはデビュー当時から3.0kgとなっています。
クアッドの軽量という方向性とは別の進化? が進んでいます。
加筆日:2016/07/26
スチール撮影なら、この程度の機体で業務を開始するプロもいることから、この重量が下限の目安になると思います。
オモチャと比較すると信頼性は、高くなりますが重くなる事から墜落時の衝撃が大きくなります。
重量級と比較すれば、遙かに安全と言えますが業務で第三者の上空を飛ばすにはアウトのレベルです。
ただし、絶対的な軽さは用途を間違えなければ、正しい選択にも成り得ます。
0 [Zero]が問題とするのは、重量級のクアッドコプター。
オクトコプターに置き換え可能な、3.0kgクラス以上のクアッドコプターは危険です。
【加筆:2016年のプロ機】
プロ機と言うと幅が広くなるので注意は必要ですが・・・
通常のテレビ番組ということならば、ファントムで良いでしょう。
やはり、万が一の場合でも死亡事故の可能性が低いというのが、安心出来る点です。
ここで、悩むのはInspire1 の存在。
やはり、3kgという重量は、死亡事故の可能性を想定する必要が出てきます。
恐らく、この重量はドローン法施行後も危険な機体のカテゴリに入る重量です。
もしも、最悪の事故が発生した場合に、迷惑をかける範囲が膨大な範囲になるなら・・・
ここは、ファントムで止めておくべきかと思います。
加筆日:2015/05/12
【加筆:クアッドコプターのトラブル時の挙動に関して】
以下の取り消し線部分は、公開当時の、「理想モデル」を想定した記述です。
DJI製品では、理想モデルと挙動は大きく異なります。
2014年時点のDJI製品として挙動を解説します。
1):M1が能力低下
2):M1を下にして、そのまま墜落
理想モデルではM3を絞っていますが、その様な動きはしません。
DJIの制御は、「高度優先」と思われます。
トラブル発生時にも、減算ではなく加算にて姿勢制御を行うと言う癖があります。
一系統トラブルが発生した場合は、ハンチングなどではなく即日墜落という挙動を示します。
ハンチング後の墜落は、電波障害・機材トラブルのどちらでもありません。
上昇気流起因のパーシャル域制御の瑕疵による墜落です。
加筆日:2014/7/10
墜落の原因のひとつがモーターとモーターコントローラーのトラブルに起因する一系統ダウン。
このトラブルが発生した際にはクアッドコプターは墜落の危険性が高くなります。
1):M1が能力低下
2):M3の回転を落とすと反動トルクを打ち消せない
3):M2とM4の回転を落とすと傾きが打ち消せない
4):M1の最大能力で水平が維持できないなら即時墜落
M3がM1の出力を超えた段階で、M3を上とする傾きが発生。
M1の出力が確保されていないと、この傾きを修正できずに即時に墜落。
M1の出力が極端に少なくなったなら、即時の墜落が確定です。
傾きを優先して、M2とM4の出力を絞ると反動トルク起因の回転が発生。
M1が完全に停止しなくても、「弱く」なると墜落の危険性は非常に高くなることがイメージ出来るかと思います。
墜落の形態はフライトコントローラーの性能により多少かわります。
◆高度なフライトコントローラーの場合 [Wookong_Mにてテスト実施]
B:上空フライト中
「一系統ダウンにて、暴走する可能性の検証」が目的でした。
安価なフライトコントローラーでのテストは実施していませんが上空で姿勢が乱れて、ある一定の範囲に墜落すると推測します。
クアッドコプターは、構造的に危険であることがわかるかと思います。
ここで、もっとも問題と考えるのはハイパワー・高重量のクアッドコプター。
このページを最初に記してから10ヶ月経過しました。
前回の加筆(2013年1月)から、業務上の必要から1.0kgクラスを開発し、実務に投入しています。
モーターコンディションが即時に悪い方向に反映されるのがクアッドコプター最大の欠点です。
0 [Zero]では開発当初に一系統の完全ダウン(クアッド)と、全系統完全ダウン(ヘキサ)の上空からのテストを実施済み。
高度2m程度の高さから、開発当初の機体を墜落させています。
A:無風でホバリング
ほぼ、真下に墜落
慣性により、進行方向に向けて墜落。[テスト未実施の為、推測]
その結果は、「特定の方向に暴走するという事は無し」でした。
これはコントローラーがある程度の傾きを検知するとモーターへの給電を強制的にストップするという機能が入っているからです。
まさに自然落下でした。
落下方向に加速するなどと言う事も無し。
想定外の方向に暴走するという想定は、クアッドコプターの一系統ダウンでは考える必要は無いと思います。(自己責任にて)
コラム:クアッドコプターの上限重量について
その一方で、モーターが少ない事によるメリットも見逃せません。
つまり、DJIファントム・AR.ドローンなどに代表される、軽量な機体ならクアッドコプターのメリットは十分あるかと思います。
また、一系統ダウンによるトラブルよりも事故ダメージを最低限にするという観点ではクアッドコプターの活用範囲はあります。
これは明らかに危険です。
機体が安価につくれる。振動対策が容易。
この様な、方向のメリットしか考えつくことが出来ません。
1.5kgクラス以上のクアッドは業務等での使用を自粛していただくことを希望します。
加筆:2013年1月3日
その後の経験から、重量級クアッドが極めて危険である事が確認出来ているので加筆します。
Wookong_M+FASST
国内の空撮業者での採用率が最も高いと思われる組み合わせで、具体的な障害時の挙動確認が取れました。
弊社の環境ではこのページで述べている一系統ダウンが実際に発生しています。
現象確認時に用いた機体はヘキサ(6モーター)であったことから、緩やかなピルエットをしつつ暴走という挙動をしています。
仮に、この時にクアッド(4モーター)を用いていたと仮定すると・・・
障害発生と同時に即日墜落というパターンに陥っています。
総重量4.0kgのクアッドなどという機体では・・・
最悪の場合は人命が失われるという想定も必要となります。
クアッドとすることによりイニシャルコストやメンテナンスが容易になるという誘惑はありますがヘキサ以上とすることを強く推奨します。
なお、軽量クアッドにより「暴走を絶対にさける」という方向性は有りかと思います。
加筆:2013年6月4日
AR.Droneのハルをプロペラガードとして用いてフライト重量を1kgとすることにより、墜落しても大きなケガを負わせない機体として成功していると思います。
このページでは何度となくクアッドコプターの危険性を述べています。
同時に、「特性を理解した軽量機体は正しい選択」とも記しています。
特性を理解した正しいクアッドコプターの一例として0 [Zero]の1.0kgクラス 4モーター紹介します。
142) 【特願D】宅配ドローンヘリポート
141) 宅配ドローン着陸姿勢と特願A
140) 宅配ドローン理想重心機と特願A
139) ドローンのデザインとは?
138) バッテリー初期不良の原因特定
137) DJI純正バッテリーの自己放電確認テスト
136) 5機目のDJI PHANTOM2
135) DJIは信用出来るのか?
134) 2016年のDJIクオリティの確認
133) 宅配ドローン実証機制作 その3 特許と許可申請
132) 宅配ドローン実証機制作 その2
131) 宅配ドローン実証機制作 その1
130) 航空法改正
129) 【特願A】実フライトテストNo1
128) 「ドローンから落下させる」機構制作とテスト
127) ドローンの飛行時間について
126) ゲインとは?
125) 首相官邸屋上のドローン落下事故に関して
124) リポバッテリーの検査方法
123) GoProのNDフィルタに関して
122) ホワイトハウス無人機墜落に関する推測
121) 特許出願機の実体化
120) 墜落原因の報告義務について
119) 危険な業者の判断方法
118) 注文者責任のとらえ方の変化に関して
117) マルチコプターが旅客機を墜落させる
116) マルチコプター全面禁止というシナリオ
115) マルチコプター墜落原因の解析について
114) GPSハッキング
113) 管理責任者の表示
112) フライト総重量の明示
111) 湘南国際マラソン墜落事故を考える
110) 雨とリチウムポリマーバッテリー
109) DJI lightbridge テスト開始
108) DJI Phantomd純正プロペラの評価
107) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価 その2
106) SUNNYSKY Xシリーズの評価 その2
105) 大型機とFPVの解禁
104) 「螺旋下ろし」で安全な機体回収
103) 固定ピッチのメリットとデメリット おすすめ
102) 3Dプリンタ打ち出し部品を信じるな!
101) 3Dプリンタとマルチコプター
100) 技術解説100ページの区切
99) マルチコプターとPL法
98) スチール撮影用マルチコプター入門
97) リポバッテリー内部検査の理由
96) T-MOTOR Antigravity MN2214の評価
95) SUNNYSKY Xシリーズの評価
94) フルスクラッチマルチコプターのススメ
93) SONY SEL1018は、マルチコプター空撮に使えるか?
92) Amazon Prime Air
91) α7とα7R
90) 動画撮影前提のマルチコプターフライトテクニック
89) 航空法第二条
88) リポバッテリー充電ステーション設計中
87) マルチコプタージャマーについて
86) 空撮屋必修の書籍 :「一般気象学」 おすすめ
85) 電波障害の再検証
84) 空撮会社のノートパソコン
83) マルチコプター空撮機材車
82) 選別落ちリチウムポリマーバッテリーの例
81) プロペラバランスを極める
80) 機材車増車
79) 受注制限に関して
78) ブラシレスジンバル【1.0kgクラス】 業務投入開始
77) ブラシレスジンバル・最初の2週間
76) 1.0kgクラスのジンバル交換
75) 「GoPro HERO3 + ブラシレスジンバル」初フライト
74) ブラシレスジンバル組み付け中
73) パソコンの高性能化により、機体を軽量化?
72) モーターを使い切るノウハウの公開 おすすめ
71) 黎明期から成長期に入ったマルチコプター空撮
70) 夏場の駐車車内の温度上昇対策
69) 「社員パイロット」の責任範囲
68) 「幽かな彼女」ワーク解説
67) マンション眺望撮影専用機体の開発開始
66) コンパクトデジカメの可能性
65) 「フライト重量」は重要な技術スペック
64) 1.0kgクラス・最初の1ヶ月
63) AR.Drone 【屋内ハル】の流用
62) 1.0kgクラス4モーター フレーム再設計
61) 1.0kgクラス4モーター開発経過
60) 屋内限定業務用クアッドコプター開発開始
59) ハンディーカムCX430V導入
58) DJI Wookong-MのGPSアンテナ
57) DJIの品質は大丈夫なのか?
56) フタバ14SGは空撮送信機の定番と成り得るか?
55) サイバーショットDSC-WX200発表
54) リチウムポリマーバッテリーの短絡テスト おすすめ
53) 「科捜研の女」2時間スペシャル撮影例
52) 軽量マルチコプターにベストなカメラは?
51) GTOスペシャルのワーク解説
50) リチウムポリマーバッテリー考察
49) 変電所付近での電波障害
48) ノーファインダー撮影が基本
47) DJI Wookong-Mの暴走原因の特定完了
46) 墜落テスト[2.0kgクラス 6モーター 2012年12月編]
45) DJI Wookong-Mの最新ファームに関して
44) AR.Drone 2.0はブロの撮影に使えるか?
43) プロペラ接触危険率 おすすめ
42) 2.0kgクラス高機動タイプ [Ver2] 開発中
41) 2012年夏のマルチコプター墜落の解説 【このページにて原因の特定説明】
40) 「受注見合わせ」と、「フライト制限」に関して
39) 重量級テスト機体の処分
38) マルチコプターに関する特許出願の内容
37) オクトコプター初フライト
36) 「人物接写空撮」とは?
35) 「2.0kgクラス 6モーター」第一期大規模改修完了
34) 「引きのカット」のカメラ角度について
33) 軽量マルチコプターだから出来ること
32) 0 [Zero]の機体が軽く精度が高い理由
31) マグネシウム合金が理想的なマルチコプターフレーム材
30) 6モーターは危険?安全?
29) 8モーターが安全な理由
28) 4モーターが危険な理由
27) DSLR搭載機開発の一時凍結
26) 初のマルチコプター空撮業務の解説
25) マルチコプターの事故と注文者責任 おすすめ
24) 降雪時のマルチコプター空撮サンプルとは?
23) エクストリーム空撮
22) プロペラバランス
21) リチウムポリマーバッテリー
20) マルチコプターの防振対策
19) JR XG8 本採用
18) モーターテスト用ベンチ制作
17) GoPro HE HERO2 専用ジンバルの試作例
16) 機体設計の方向性
15) ラピド工房
14) DJI Wookong-Mは最新ファームによりトラブル解決
13) αゲルとジンバル
12) 空撮ムービー撮影にフルサイズ一眼は必要なのか?
11) バルーン空撮屋の都合
10) DJI WooKong MとJR・DMSS2.4GHzとの相性?
9) DJI WooKong Mの初期不良確定
8) 犯人はコントローラー?受信機?
7) DJI WooKong Mのトリムズレ
6) 上空フライトテスト
5) 離陸から撮影までの所要時間
4) 実務を想定した弱風条件の動画撮影
3) 1号機にカメラ搭載
2) 最初の一週間
1) マルチコプターの導入