設計は正しい。
振動も少ない。
そして、歩留まりもマズマズ。
しかし・・・製造品質は疑問アリ
暫定で次期主力モーターの候補として上げられていた、SUNNYSKY Xシリーズは歩留まりが悪い事が発覚して候補から落選しました。
そこで、候補から落選させていた、T-MOTOR Antigravity MN2214を復活。
敗者復活戦として、16個を評価用として取り寄せ。
その中の12個を評価します。
結論からお伝えします。
2014年10月購入のロットの品質はマズマズとなりました。
基本的な傾向は、初回のテストと同一傾向。
・振動が少ない
・歩留まりも良い
・製造品質は問題あり=プロが使うなら要内部検査
ある意味期待通り。
小型軽量のマルチコプターに採用する評価項目の最上位に位置する、「振動が少ない事」と一点からは非常に安定したモーターです。
この主原因は、ズバリ設計にあります。
ベアリングやハーネスの選定。
面白いところでは、アルミの掘削形状の意味。
全ての形から、形状の意味を読み取ることが出来ます。
さて、今回の評価に戻ります。
このロットでは、初回購入ロットよりもウエイトの量が増えていました。
そして、静バランスの精度も低い。
それでも、振動が少ないのは設計と、機械加工の精度の高さからと推測出来ます。
バランスをどんなに取っても、駄目なアウターは使い物にならない。
逆の言い方をすると、機械精度が出ていればアウター静バランスは程々でも振動は無い。
製造している工員のレベルは、T-MOTORもSUNNYSKY もFSDも同一レベルと推測出来ます。
「どのメーカーもいい加減」という事です。
少なくとも、業務として用いるなら、このページと同等の内部検査と改修は必須であると記しておきます。
初回購入時の瑕疵が再発しています。
今回は12個中の2個で発生。
足りないところは、赤の収縮チューブにて補強。
内部検査の証として、透明収縮チューブで仕上げています。
T-MOTORの製造品質が、「普通の中国製品と同一」である事は今回も証明されました。
売価の高いモーターですが、全数検品以外の選択肢はありません。
赤い収縮チューブを用いたことにも意味があります。
この不良を出したコイルは、経験値の低い工員が組んでいる可能性があります。
今後も監視対象とする観点から、目印をつけました。
もちろん、最重要の業務には、この様なモーターを用いないことは言うまでもありません。
MN2214の設計は攻めています(褒めています)
私の知る限り、小型軽量のマルチコプター向けモーターしては、「もっとも正しい設計」がされています。
故に・・・取付ネジなどの管理を怠るとこの様な事態に陥ります。
←設計よりも2mm長いネジを用いてとして再現
収縮チューブ不足のままで、この様な事態になると不慮の短絡の危険性は高まります。
どちらにしても、「不良品とわかっていても、そのまま流す」という工員の姿勢が感心出来ません。
←ベアリングが、ポロッと外れました。
ボア加工ミスにより、ベアリングを正しく保持出来ていません。
※設計寸法よりも大きな穴に仕上がっている
墜落原因とはなりませんが、負荷を掛けると確実に振動が発生します。
つまり・・・業務では使えません。
そして、現実的な方法では改修困難です。
今回購入の12個から、3個が選別落ちとなりました。
※収縮チューブ不良などは、改修して使用
どのようにやっても使い物にならないという評価は一個。
それが、これでした。
購入直後のモーターは、なにも改修を為ずに無負荷でベンチに掛けます。
その際の振動の程度で、そのモーターの素性を判断します。
最終的にSクラスとなるモーターなどは、この時点で凄味があります。
T-MOTORやSUNNYSKYなど、「はめあいの重要性」の対策をしているメーカーのモーター振動は、アウター側に起因することがほとんどです。
この様なタイプの振動原因は珍しい物です。
最終的にSクラス評価となったのは9個。
製造品質で気に入らない点もありますが、「振動しない」という評価軸からは合格点を出せます。
業務外の空撮なら、おすすめ出来るモーターです。
ただし・・・
プロが用いる場合は、入念な内部検査をお願いします。
※これに限ることではありませんが・・・
なお、T-MOTOR Antigravity MN2214は、ファントム専用モーターです。
汎用プロペラは、非改造では装着出来ないので気を付けてください。
0 [Zero]がメインに用いているGWSの3枚ペラは、「自作の専用カラー」と、「一部改修」で使用可能です。
「専用カラー」は、少し特殊です。
ホームセンターでパイプを購入などというレベルでは対応不可能ですのでお気を付け下さい。
0 [Zero]では、特殊なカーボンパイプをさらに改修という方向でカラーを制作しています。
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1) マルチコプターの導入