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ドローン空撮[技術解説] - フライト総重量の明示

フライト総重量の明示

2014年11月3日発生の、「第9回湘南国際マラソン」にてのマルチコプター人身事故。
この事故を受けての啓発活動コンテンツの第一弾。
まずは、フライト総重量に関して。

はじめに

まずは、以下の事実から。
※マルチコプター業界に、この事実が広まるまで何度でも書いていきます。

2012年11月18日
岐阜県大垣市にて、伐採の見学に参加していた小学生が、長さ3m・重さ5kgの枝の落下で亡くなっています。
これをマルチコプターの落下に当てはめれば、答えは直ぐに出ます。
プロペラガードなどを用いても重量機なら死亡事故に至ることは、この事故からもわかります。
軽さは絶対的な正義です。

自社Webサイトに、「フライト総重量」を明記してください

一般の方が、即時に理解出来る危険度の目安として、「フライト総重量」を目立つ場所に表記して下さい。
今回の事故後に、国内のマルチコプター空撮会社のWebサイト等を巡回しました。
その多くは、もっとも重要な安全基準と言うべき、「フライト総重量」を記載していません。
多くは、機体重量などという言葉で濁しています。
一般ユーザーは、機体重量などという情報は不要です。
カメラ・バッテリーなどを搭載した状態での、フライト総重量がもっとも重要なスペックです。

マルチコプター空撮会社へのお願い
・自社サイト・パンフレット等に「フライト重量」を明記して下さい

マルチコプターパイロットへのお願い
・重量機は死亡事故の可能性があるという事実を認識して下さい

◆発注者へのお願い
・発注時に、「フライト総重量」を確認して下さい
・保険証書を確認して下さい(証書には、保険該当機体を固定する文言があります)

◆保険会社へのお願い
・用いる機体の重量毎の保険料設定をご検討下さい

フライト総重量 ◆0 [Zero]では・・・

←2014年11月10日現在の、0 [Zero]公式サイトより

事故の規模を決めるのは、フライト総重量である。
この様な考えを元に、常にグラム単位でフライト総重量を開示しています。
重大事故を避ける観点から、2,095g以上の機体にて実務を行った事はありません。
テストとしてラジコン飛行場等にてテスト実施などはありますが、半径500m圏内に民家・第三者が存在しない場所に限定しています。

コラム:空撮会社が重量級機体を使いたい理由

「大きいカメラを積んだ方が儲かるから」
大きな機体を使うマルチコプター空撮会社の傾向です。
安全とか、モラルとかいう単語が踊っていても、この事から本当の姿がわかります。

この体質を具体的に表す為に、以下を紹介します。
見つけたのは、某大型機運用会社。
用いてるカメラはスーパー35mm。これににEFレンズ装着。
ここまでは、ハイエンドマルチ空撮カメラとして良くあるパターン。
「やっちゃったな~」と感じたのが、そのフード。
そのEFレンズのスチール用(フルサイズ)の純正フードが、そのまま付いています。
画質重視と言うなら、基本と言うべきフードで何故手抜きをするのか?
この会社の機材の傾向は、「ハッタリ」
様々な小道具が演出されています。
しかし・・・肝心な部分は抜けてる。
プロならば、見られているという自覚が必要です。

なお、多くのマルチコプター空撮会社は、上記のツッコミの理由すらわからないかと思います。
上記の指摘の理由が説明出来るなら合格。
感じられないなら、重量機が飛ばす資格が無いと言い切ります。
重量機は、様々な意味で上級者のみが手がけるべき領域。
カメラ知識とラジコン知識のどちらかが足りないなら、踏み込むべき領域では無いのです。

重量機の正義は、画質です。
リスクを犯しての重量機なら、考えられる限りの画質向上に資材を投入するのは当然なところ。
フード・フィルター・ズーム・ピントなどの画質直結部分に手を入れずに重量機を飛ばすなら、0 [Zero]の攻撃対象となります。
0 [Zero]では、数年単位のテストとピント送りを実現する特許出願も行い、重量機に参入します。
軽量機でマルチコプターの信頼性を高め、本命の重量機に参入。
これが正しい姿ではないでしょうか?

公開日:2014/11/10
最終更新日:2014/11/12
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