ドローン空撮［技術解説］ － 6モーターは危険？安全？
はじめに
このページは、2012/03/05に公開が開始されています。
基本的には、その当時のままで公開されています。
それ以降に判明した事柄などは、加筆にて付け加えさせて頂いています。
ヘキサコプターとは？
クアッド(4個)とオクト(8個)の中間の6個のモーターを持つマルチコプターです。
良くも悪くも、クアッドとオクトの中間の特性。
構造を理解し、ヘキサコプターのメリットを活かしているプロは極少数。
オクトコプター(8モーター)よりも、トラブル時の挙動変化が激しく、クアッドコプター(4モーター)よりも故障率は高い。
ヘキサコプターのメリットを活かすには余力のあるモーターを搭載する軽量機体のみ。
プロが空撮をする道具として選ぶなら、オクトコプターが正解です。
1系統ダウン＝ピルエットしつつ、風下に流される
墜落の原因のひとつがモーターとモーターコントローラーのトラブルに起因する一系統ダウン。
このトラブルが発生した際にはヘキサコプター側の動きは単純です。
その後の展開はパイロットの腕に託されます。
1):M1が能力低下
2):M2・M6がM1の浮力を補う
3):結果として反動トルクから機体はピルエットに入る
一系統ダウンを想定したアルゴニズムを有するフライトコントローラーならば、飛行の継続は可能です。(M4を絞ることにより、反動トルクの成分を減らす)
しかし、国内では一般的なDJI製のコントローラーは、その様な設計思考がありません。(2012年現在)
実際に一系統ダウンに入ると、ピルエットをしつつ高度は維持。(スロットル位置50%で保持の場合)
機体は風下方向に流されていきます。
クアッドコプターの様な即日墜落の可能性は低くなりますが暴走リスクが付きまといます。
【加筆：一系統ダウン時のヘキサコプターの挙動に関して】
研究が進んだことからヘキサコプターの構造的な理解が進んでいます。
2016年現在の、「一系統ダウン時のヘキサコプターの挙動」
0 [Zero]では、以下の様に考えています。
・余力がある場合:ビルエットに入り風下に流される
・余力が無い場合:クアッドと同様に垂直落下
市販品全てを確認した訳では無いのですが、多くの市販品には、「余力あり」に該当します。
この余力とは、つり上げ能力から算出することが可能です。
つり上げ能力は、モーターとプロペラをベンチに組み込み計測出来ます。
ただし、バッテリーの消耗や外気温により最大値から徐々に低下することも考慮してください。
このつり上げ能力が、必要な受け持ち加重を下回る条件が、「余力が無い場合」に相当します。
一般的な空撮機では該当する事が無いと考えています。
ここが問題となるのは物流機。
冬場で往路の下降気流発生時。(他にも条件付けはありますが、ここでは単純に)
ここで一系統ダウンが発生しても即時の墜落時に入らないこと。
この研究時に気がつけた特性です。
加筆日：2016/07/26
コラム：0 [Zero]の考えるヘキサコプターの安全
従来型ヘリコプターで十分な経験がある会社はオクトコプターにてテスト開始。
余裕が安全性に直結していることを良く理解している選択です。
その空撮会社が「しっかりとしているか」の見極めに、オクトコプターは使えます。
(すいません。0 [Zero]は別な方向で安全性の研究を進めています)
ページ内にも記していますがヘキサコプターの構造的なデメリットを理解しつつ、軽量であるメリットを活かそうと考えています。
X型のオクトコプターという選択肢もあるぞ・・・との意見もあるかと思います。
その通りかと思います。
X型が軽量且つ墜落率の低い機体としてはベストでしょう。
0 [Zero]も業務採用の可能性は残している形態です。
しかし・・・何となく気分が乗らないんです。
理由は自分でもわかりません。
他にやるべき事があるので、放置しているというのが正しいところ。
別の会社さんで、しっかりとした実績を出してきたなら・・・
0 [Zero]も真似をさせて頂きます。
※2012年4月7日加筆：X型オクトの具体的なデメリットが発見出来ました。0 [Zero]はX型非採用となりました。
2.0kgクラス 6モーターも、数ヶ月で現役引退という可能性が十分あります。
次の2.5kgクラス(目標) 8モーターの結果が良好なら直ぐに乗り換えます。
結局のところは攻め込めばヘキサコプターでもプロの撮影機材と成り得る。
ここまでしか言えません。
ヘキサコプターに思い入れなどがあるわけではないのです。
今の段階ではヘキサでもプロとして恥ずかしくない機体はつくれる。
しかし、これがベストなのかはわからないが本音です。
物理の壁は誰もが超えられないことは確かなので・・・
安全の観点からはオクトコプターがベストと言う事は覆らないと思います。
3年後の、0 [Zero]ならではマルチコプターの用途毎の最適解を知っているハズ。
答えは、「攻め込んだ6」と、「無難な8」のどちらにあるのでしょう？
明確な答えが見つかれば、その機体のみを配備すれば良いので楽になります。
モータ数の根拠はあくまで安全性を柱とし、業務ごとのバリエーションを加える。
8×2など、12以上は・・・
「見た目が派手」以外に、自分を説得できるメリットが見いだせませんでした。
ヘキサコプターはクアッドコプター以上に危険率が高い。
※一部の軽量機体以外
クアッドなら墜落範囲は容易に想定可能。
ヘキサの墜落範囲は一切計算が出来ない・・・
オクトも、墜落範囲が計算出来ないが根本的な発生率が低いので、そこまでの問題とは考えていません。
軽量なヘキサの評価は微妙。
問題は余剰浮力不明のまま飛んでいる、いい加減なプロのヘキサコプター・・・
機体重量・使用プロペラ・使用モーターは明確にスペックとして示す事。
これが出来ないのはヘキサコプターの構造的な危険を理解していないという証拠。
プロが用いる機体は特に理由が無ければオクトコプターしかありません。
最終更新日：2013/06/04
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