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ドローン空撮[技術解説] - 「ドローンから落下させる」機構制作とテスト

「ドローンから落下させる」機構制作とテスト

[物件投下]の許可申請取得済です。
都市部・夜間・人物直上の条件でも新規の許可申請無しでドラマ撮影可能です。
ただし、搭載機体・搭載重量・運用方法に制約があります。
詳しくは、お問い合わせください。

「上空から何かを降らせる」
この様な業務に正式に対応します。

※搭載重量500gまで。形状によっては困難な場合があります。

重心は、揚力点に合わせることがベスト
必要な機構

・バランス良く積載物を吊れる事
・上空から積載物を切り離し出来る事
・上空で荷物が絡まないこと

←これが、最初に打ち出した試作品です。
「吊り下げる」という業務には、様々なパターンが想定されます。
積載上限である500gよりも、遙かに軽い物を吊るという事も想定する必要があります。
そこで、積載位置を低めに設定した設計を実体化。
「箱も含めて100g程度の宝石を運ぶ」
この様な用途に用います。
今回は、この形状も含めて2種類を制作しました。
これ以外にも、「紙飛行機を上空からリリース」するなど、特殊な用途に関しては都度制作する必要があります。
詳しくは、お問い合わせください。

重心は、揚力点に合わせることがベスト
重心は、揚力点に合わせることがベスト

積載上限に近い搭載想定では、慎重な設計が必要です。
切り離し後の大きな重心変化を避ける観点から、搭載物は図の矢印の位置がベスト。
ここならば、荷物切り離しが発生してもゲイン変化は最小に抑えられます。
そして、積載物が増えても各プロペラの最大負荷を押さえる事も出来るので一石二鳥。
ただし・・・
この機構は、0 [Zero]にて特許出願済 (PCT国際出願)
マネをされる方は、気を付けてください。

現実的な範囲で、最上部へ
現実的な範囲で、最上部へ

今回は、2.0kgクラス 6モーターの機能拡張として設計しています。
一般的な放射状フレームであることから、ほどほどの高さに機構を付けています。
初期テストの結果、重心が低い2点支持の場合は積載物の上空での回転が問題となる事を確認。
積載物の重心を上げて、3点支持とする事により想定外の荷物の動きを押さえ込んでいます。

切り離し装置
追加重量48g

3Dプリントのフレームに、引き込み脚サーボの組み合わせ。
軽量化はほどほどに、十分な信頼性を持たせています。
取付ネジを含めると、約48gの重量増。
この機体では、500gのペイロードが現実的な範囲。
用いるサーボや、フレームも軽量化の余地が十分残っています。
20g程度が軽量化の限界でしょうか?
今回は、具体的な業務が組まれています。
その内容から、何よりも信頼性を選択してます。

フライトテスト

以下は、500gの積載を想定したフライトテストです。
このテスト以前に、基礎的なバッテリー余力とゲイン修正は完了しています。
「落とす」前提のために、河川敷のブッシュにてテストを実施しています。

結果としては落とすまで攻め込みませんでした。
荷物の移動と特定の舵を合わせると、一発で落ちます。
ただし・・・これは、無積載の状態でも同じ事なのでテスト(墜落)させる意味はありません。
必要なのは、実務での安全保障の根拠です。
実務の際の緊急回避の動きでも機体側の信頼性が確保されているならテストとしては十分です。
これなら直下にエキストラさんが入るという条件もクリア出来ると判断しました。

繰り返しますが、テストとしては不十分。
本来なら、10m/sの横風のテストは必要です。
また、冬期の業務なら、想定出来る最低温度下のテストも必要。
これに限った事では無いのですが、最低でも夏と冬を経験しないと機材の信頼性は出てきません。

コラム:ドローンに荷物を積むのは危険な行為

「ドローンに、○○を積むことは出来ませんか?」
この様なお問い合わせを数ヶ月に1回程度の頻度で頂いています。
・金塊をドローンで運びたい
・水風船を降らせたい
・紙吹雪を降らせたい

今までは、この様なお問い合わせに関しては、安全性の観点から全てお断りしていました。
理由としては、「安全性が保証出来ないから」となります。
たったの100gの取付でも、案件をお断りしていました。
この事でもわかって頂けるかと思いますが、臨時の荷物搭載は危険度の高い業務です。

過去には、テレビ番組などで安易に荷物を搭載している例を拝見しています。
0 [Zero]は、他社様が断る案件を中心に空撮業務を行っている会社です。
手前味噌となりますが、「他で断られたなら、0 [Zero]を頼って下さい」がキャッチフレーズです。
その様な0 [Zero]が、100g程度の重さをファントム程度の機体に搭載するという業務を断っているのです。
なぜ、そこまでドローンへの荷物搭載(上空での切り離し)を恐れるのかを以下で述べます。

・過積載による上空でのバッテリー起因墜落(離陸から数秒~短時間で発生)
・積載物に前後移動によるバランス崩壊によりハンチング
・積載物の機体(プロペラなど)への接触
・積載物増加起因によるパラメーター変化
・荷物切り離し後のパラメーター変化
・積載物により空力バランスの変化

「何を言いたいのかわからない・・・」
当然の感想かと思います。
つまり、これらに気がつける者からすると、ドローンへの臨時の荷物搭載は非常に怖い行為なのです。
実は、荷物搭載が前提の宅配ドローンでも、同様な事が発生します。
故に、世界中で荷物搭載機の研究が進められ、幾つかの特許出願も行われています。
弊社でも、【特願A】と呼ばれる機構を2015年5月に出願しています。
出願だけでも費用は60万円程度必要です。
世界中に特許出願すと・・・300万円の予算でも足りません。
この一点からも、本気の空撮屋であることがご理解頂けるかと思います。

そこまで、研究した者としてコメントします。

「一般(多くの空撮会社含む)の方は、ドローンに荷物を積まないで下さい」

覚悟があって(機構的には理解出来ない)、積むというならば・・・
このページと同等のテストを実施し、公開する事をお願いします。

公開日:2015/07/13
最終更新日:2016/06/23
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