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ドローン空撮[技術解説] - 2016年のDJIクオリティの確認

2016年のDJIクオリティの確認

バルーン空撮に用いる、「パーツ」として DJI Phantom2 + H4-3Dをテスト購入。
ついでに、2016年現在のDJIの製造品質を確認します。
結果は、予想よりも良い方向へ・・・

最終型、DJI Phantom2 + 3軸ジンバルH4-3D
最終型、DJI Phantom2 + 3軸ジンバルH4‐3D

このページを書いているのは、2016年4月13日です。
このタイミングでは、DJI Phantom4(参考価格:\189,000)が発売済み。
それにも関わらず、ディスコンとなったPhantom2を2セット購入。
過去の経緯から部品供給すら保証されていないDJI製品を購入した経緯からご説明します。

今回の購入機材は、バルーン空撮の動画撮影に転用する前提で購入しています。
技術解説でも本来は、バルーン空撮[技術解説]に記するべき内容です。
なぜ、ドローン空撮の技術解説に書くことになったのかは、読み進めると見えてきます。

2016年4月現在の、0 [Zero]の空撮業の状況に関してお知らせします。
ドローン空撮に関しては屋内のみ実施=基本的に自粛中。
新規のお問い合わせ関しては、全てお断りしています。
屋外で実施している案件は、過去にお付き合いがあり、0 [Zero]の特性を理解しているお客様のみ。
且つ、空中線から30m離れるなど、確実に航空法準拠が可能な案件のみでした。
このタイミングでは、ドローン空撮の再開のための国土交通省への許可申請中。
つまり・・・
2016年も4月となりましたが、ドローン関係の売り上げはほとんどありません。
なお、ドローン関係の特許に関しては、1月から活発に活動しています。

都内でのバルーン空撮

それでは、どのように売り上げを確保しているかとなるのですが・・・
それがバルーン空撮です。
この機材は、基本的にはマンション建築現場にて撮影するパノラマ素材撮影に特化した機材です。
2016年4月現在では、最大で15億画素に達するという文字通り桁違いの品質を誇ります。

このバルーン空撮に大きな変化が訪れました。
2015年4月に発生した、「首相官邸無人機落下事件」
そして、2015年12月の航空法改正。
官邸ドローン事件以前ならドローンを用いた用途のバルーンへの置き換えが発生してきました。
具体的は、都市部での動画撮影です。
バルーン空撮は、元々は高画質のスチール撮影に特化した機材です。
搭載カメラは4K撮影も可能なフルサイズを用意。
ブラシレスジンバルも搭載しているのですが2軸のみ・・・
ならば、3軸にすれば完了とも思えるのですが、バルーン空撮特有の理由により500g超えのカメラには2軸以外は搭載不可。
3軸にする場合は、カメラを小型にする必要性があることから、GoPro HERO4+3軸ジンバルという選択になりました。

H4-3D
Phantom2改 + H4-3D にて完了!?

実は、Phantom2 + H4-3Dのセットをバルーンで吊ってしまえば目的の半分は達成されます。
もちろん、モーターやスキッドなどはバルーンで用いる事が無いので撤去。
ジンバル・バッテリー・フライトコントローラーなどは無改修で対応可能。
バルーン上で任意方向にリモートでパンする機構のみ追加します。
改修後に、即時に業務に投入する事から本体は2セット購入。
さらに予備としてシンバルも1基購入。(セットを含めると3基)

こちらの話は、今後はバルーン空撮の技術解説で進みます。

2年前と内部は別物?

DJI 送信機

・左:2014年購入 初期型
・右:2016年購入 最終型

到着と同時に機体・送信機は内部の確認に入ります。
上の画像の左側が2年前に問題提起した部分です。
ハーネスの取り回しに注目してください。
2014年の初期型Phantom2は、半田付け後の接点に負荷がかかる危険な取り回しでした。
その時点のDJIでも世界的に注目される企業ですが、実態はお粗末な物でした。
しかし、今回の購入品では瑕疵は全て改善されています。
撮影画質に影響がある、モーターのバランス取りなども適切にされていました。
ベアリングサイズも大きく、受け持ち加重350g前後のモーターとしては完璧と言って良い設計です。
初期型と大きく違うのは、ベンチにかけて不良品を取り除いていると推測されるところ。
設計も良くなっていましたが製造品質も改善されています。
恐らく、開発陣にラジコン開発の経験値が高い方が入ったと言う事でしょう。
素直に感心しました。
これならば無改修で業務に用いるのも認めることが出来ます。
※それでも、プロを自覚しているなら内部検査はお願いします。

なお、この機体で屋外の業務を1件消化しました。
事務所敷地内の飛行場は、公道上の空中線から30m以内に該当するために飛ばすことが出来ません。
詳細は業務の特性から非公開とさせていただきますが、内容に関しては満足出来る物でした。
いつも通り、ノーファインダーで樹木ギリギリという案件です。

ドラマ撮影などては、それに応じた改修は必須です。(主としてチルトの速度調整機構)
送信機の交換と送信機の改造という二つの道が選べます。
ドキュメンタリーでは派手なワークは控えるべき。
CMでは尺が短いことから出来るワークに限りがある。
多くの案件では上空でチルト操作を必要としない。
つまり、この用途では無改修でも仕事は可能という判断が出来ました。
※GoPro側の改修は除く

この初回の業務により時代遅れのPhantom2が、0 [Zero]のフライトスタイルに合っていることが確認出来ました。
自動操縦系のデバイス強化は必要としません。
総フライト重量も、画質の許される範囲で軽いことを望みます。
この機体なら視認性重視の2.0kgクラスでは狙えない隙間に機体を入れることが出来ます。
人物直近・障害物ギリギリという0 [Zero]の飛ばし方では、小型機は活きてきます。
もちろん、1.0kgクラスがあるのですが、あれは室内特化機体。
風速5m/s超えの環境下では飛ばすことが出来ません。
Phantom2 + H4-3Dなら、平均10m/sでも業務として成立する空撮が可能です。

業務再開時に用いる機体について

5月を目処に、屋外でのドローン空撮再開の準備を平行して進めています。
1.0kgクラス 4モーターに関しては、この時点で国土交通省から許可の内定が出ています。
全国撮影可能・物件落下可能など、今まで通りの業務対応が可能なライセンスとなります。
この後に、2.0kgクラス 6モーターや、特願A搭載機なども同様に申請する予定になっていました。
2.0kgクラスは、パイロットから150m地点での目視飛行に必須。
この用途に、Phantom2を投入することは出来ません。
しかし・・・都心でのパイロットから50m半径の業務などには、Phantom2は最適。
Phantom4に搭載されている障害物を避ける機能も不要。
最高速は、特願A搭載機にて対向。
カメラは使い慣れているGoProの方が都合が良い。
既にディスコンのタイミングですが、最終型Phantom2をベースとした改修機に興味が出てきました。

DJI バッテリー初期不良
DJIクオリティ健在!

今回購入したPhantom2は、フルセットと称される商品です。
ジンバル・送信機・充電器。
もちろん、バッテリーも含まれてます。
このバッテリーですが、新品の2本共が初期不良。
残量表示も出来なければ充電も受けつけません。
勝手な想像ですが、長期在庫により過放電となってしまったか?
過去にリポの解説を多く書いていますが、バッテリーは鮮度が命です。
工場からユーザーに渡るまでの時間。
その間の温度管理。
Hero4の発売から、この時点で1年5ヶ月が経過。
つまり、最大の長期在庫でもこの時間です。
事務所内で適正温度で保管して自然放電を観察しているリポがありますが・・・
最初が50%充電なら、3年でも問題となる事はありません。
2015年の夏を環境の悪い倉庫で過ごしたなら・・・該当ロットは全滅のハズ。
この点も、少し興味があります。

なお、ここから先がいつものDJIクオリティ。
日本法人に問い合わせると・・・ 「販売店に相談しろと」との事。
販売店は、とりあえず送ってくれ。
どちらにしても、購入してすぐ飛べるなどという代物ではありません。
こういう点に関しては、普通の日本人クオリティと程問い追いところにDJIは存在しています。

公開日:2016/04/13
最終更新日:2016/04/13
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