2014年9月10日の深夜。
中国道・小月IC(山口県)付近にて、単独事故に遭遇しました。
発生日時:2014年9月10日 23時45分
場所:中国道上り線・小月IC付近
ページを起こさなくても、機材車(ハイエース)は、国内をグルグルと走り回っています。
この日は、熊本の撮影を完了し次の現場である京都に移動中。
ネタにもならないので、事故になるまでは写真などは撮っていません。
ブログもどきでは、安全ネタが定番。
過去にも、「ケンカを売っているのか?」レベルの苦言を書いています。
「私が、直ぐに通りかかったなら事故は防げた」とも述べています。
そんな私が、実際にどこまでできたのか・・・
×:事故発生現場
①:ハザード点灯開始
②:機材車を止めた位置
③:三角表示板を置いた位置
④:パトカーが止まった位置
左から右に走行しています。(中国道上り)
時刻はまもなく0時。
大型車両を中心として、それなりの通行量があります。
ヘッドライトは下向き(私は、常に下向き)
インター合流付近にて、「何か」を視認。
※事故車両は横を向いている為に、ハザードがよく見えない
後ろを確認しつつ、速やかに減速しながらハザード点灯。
①の位置で事故が発生している事を確認。
ポイント1
高速道路の事故では車外に人が飛び出しているというパターンがあります。
事故に限らず、異常を感じたならいつでも止まれる速度まで減速するのが基本です。
ハザードは速やかに点灯。
後ろからの追突の可能性もあることから、後方も注意を怠らないように。
×の事故発生ポイントに近づきました。
偶然ですが、後方からやってくる車両はありません。
緩やかなコーナーですが、見通せないという条件ではありません。
私がハザードを点灯した段階で、ある程度の安全は確保出来ました。
現場に近づくと人影がひとり。
取りあえず・・・
「ドライバーさん! 中央分離帯に入って!」と怒鳴る。
ポイント2
後になってわかりますが、この時はトランクから三角表示板を出しているタイミング。
無意味に車両に留まっていたわけでは無いんですね。
三角表示板は、確かに重要。
そして、これを置く位置も大切(詳しくは、後記)
ポイントとしては、私が声がけをしている事。
十分に減速して、周囲を観察しているという事です。
ここでの、私の選択肢は以下の3つ。
A案:このまま通り過ぎる
B案:事故車両を通り過ぎて、②の位置に停車
C案:戻って、④の位置に停車
多くの方はA案を選択すると思います。
少なくとも、この選択ならあなたに損失は発生しません。
私も、昼間の事故や事故車のハザードがしっかりと視認出来る条件ならA案としたかも知れません。
しかし・・・今回は違います。
私だから、遠方から視認して十分な減速して安全確保に入れています。
私がいなくなってしまえば、事故現場は後方からの大型車両の追突という死亡事故の定番のパターンに入っていきます。
なら、C案がベストかと言うと・・・ここも少し違うのです。
C案なら、事故を起こしたドライバーさんの命を守れる可能性は上がる。
しかし・・・私の車両が事故に遭うリスクが出てきます。
この時は、次の現場に向かっている途中。
仕事が出来なくなると、別の方にご迷惑を掛けることになります。
また、後退途中に事故になったとすると・・・私の過失も問われることになります。
車両に残っている人はいないようで、ドライバーさんも歩ける。
ここでベストな選択肢は、B案です。
ポイント3
C案を選択するのは、どのような時か?
例えば・・・今回の事故でもハザードが、まったく出ていないパターン。
事故車両に後続車両を突っ込ませない為に、盾になる必要性が出てきます。
ハザードがしっかりと視認出来たとしても、車両に怪我人が残されているパターン。
ここでも、車両内の人を確実に守る観点から盾になります。
←事故車両を追い越して、②に停車。
ここなら、後続からやってくる大型車両も、私のハザードがよく見えます。
もしも、大型車両が突入してきても、事故車両と距離を置いているので挟まるリスクも少なくなる。
パトカー到着後に撮った写真で位置関係を確認しても、完璧と言える距離間です。
私が停車後に取った最初の作業は・・・
ドライバーさんを安全な場所に待避させること。
この後に通報という順番です。
ドライバーさんは・・・三角表示板を置いて戻ってきた所でした。
取りあえず、「車両から離れて」と声を掛けて、私の車の方へ歩かせます。
私は、自分の車両の運転席へ。
ここで通報。
ポイント4
優先すべき事は、通報よりも人命です。
この手の単独事故が死亡事故に発展するのは、パトカー到着までの時間です。
事故車両に留まったままで、携帯で通報などが典型的なパターン。
事故車両から安全な場所に離れてから通報が基本です。
ドライバーさんは、矢印の位置付近に三角表示板を置いていました。
確かに置かないよりは良いのですが・・・ここではダメ。
私が、三角表示板をもって追い越し車線を走ります。
この時に、私自身が死んではいけません。
機材車から、フラッシュ点灯が可能な懐中電灯と、ランタン型の照明を持ち出しました。
歩行中は、フラッシュ点灯を振ることによりアピール。
三角表示板の隣には、ランタンも設置。
ポイント5
三角表示板の置く位置は、高速道路の走行速度を考えて置くことになります。
事故車両から数十メーターの距離なら、三角表示板が見えて止まるまで猶予がありません。
三角表示板の移動の前にドライバーさんを中央分離帯に押し込めました。
戻ってくると・・・
ドライバーさんは、事故車両付近の追い越し車線に戻っています。
そこで・・・
「ドライバーさん! 中央分離帯に戻って!」と怒鳴りつける。
この時のドライバーさんは、私が中央分離帯に押し込めて、また車両付近に戻るという動きを何回か繰り返しています。
何回か繰り返したところで、心を込めて怒りました!
これ以降は、中央分離帯に留まってくれました。
なお、路側帯は、車両が走り回っていることから選択肢に無し。
安全確保が一通り終わったところで、ドライバーさんと話しました。
事故原因は、居眠りとの事。
私の、テキパキ具合に、「警察とかの方ですか?」と問われる。
この質問には、「通りがかりの民間人」と答えます。
この会話から、数分程度話をしました。
「事故は初めてですか?」
「いえ・・・この道では初めてですが・・・」
やはりです。
事故というのは、同じ人が同じパターンを繰り返すという傾向があります。
この方は、居眠り運転を繰り返していることが、この事からわかります。
ものの数分でパトカー到着。
ここで私の役目は終了。
車両に戻ってカメラを持って、三角停止板付近に置いたランタンを回収しながら、このページの写真を撮りました。
ドライバーさんもかすりきず程度。
大事故にならなくて良かったですね。
この事故が、初めての、「高速道路での事故直後」の経験となりました。
良く事故を目撃するという方がいますが、その反対で・・・
まったくといって事故に遭遇しません。
この話をすると、いつもうらやましがられます。
ま~ 事故が発生しにくい日時や時刻に積極的に移動するというのもあるのですが・・・
どちらにしても、運が良いだけと思っています。
免許を取って25年になりますが、高速道路上で車両を止めて事故処理をしたのは初めての経験でした。
今回も、山梨~熊本まで単独移動。
この日は、朝から日没まで熊本にて撮影。
事故になったときは、最後の休憩(その時に仮眠を二時間)から250kmを走った時に起こっています。
こんな日常ですが、居眠り運転は一度もありません。
今回の事故では、後続の車の動きなどもよく観察が出来ました。
まず、私が三角停止板を設置するまで、応援が来ないのはどういうことでしょうか?
少なくとも、止まろうという意志が感じられた車は一台もありませんでした。
かなりの速度で路側帯を走り抜ける大型車両も相当な数。
私が通り掛からなかったら、横向きの車両の直前に置かれた三角停止板のみ。
後続の大型車両が突っ込むことは容易に予想出来ます。
新東名の最初の死亡事故は、このパターンでした。
横向きになった車両にドライバーは留まる。
そこのに後続車両というパターンです。
今回のドライバーは、私がいなければ事故車両の後方の追い越し車線に留まっていました。
後続車両が突っ込めばどうなるかは・・・
今回の事に限らないのですが高速道路で異常を感じたなら、速やかに減速しましょう。
今の車は衝突安全性能が向上したことから、昔と比較すると衝突時の死者はハッキリと減っています。
それだけに目立つのが、事故後に後続車絡みの死亡事故。
上記したとおり、新東名の最初の死亡事故。
そして・・・
約1年前には、このICからひとつ隣の美祢IC付近にて、桜塚やっくんとマネージャーさんも亡くなっています。
ご自身で、この事故の当事者・最初の通り掛かりとなった場合に、どのような動きをすれば良いかシミュレーションしてみてください。
桜塚やっくんは、亡くならずに済んだのか?
今回の事故現場は、昨年の桜塚やっくんの事故現場からインターひとつ違いの場所です。
追い越し車線に事故車両が止まったことも同じ。
彼らは、東京から熊本への移動中。
私は熊本からの戻り中。
彼らが乗っていたのも、私が乗っているのも200系ハイエースのワイドボディー。
彼らの事故は、昼間でも見通しの悪い区間。
私の事故は、夜間で事故車両が確認しにくい条件。
後続車追突のリスクは同等といったところでしょう。
昨年の事故の時も感じましたが、私が直後に通り掛かったなら確実に人命は助けられました。
信心深い方ではありませんが、何か感じる物はあります。
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