昨年の秋から空撮部の増車を考えていました。
「商用車を導入したい」とは思っていたのですが機材のスペック(空撮バルーンの大きさ)が決まらなかったので、具体的な車種の最終選定が出来ずにいました。
今年の3月に入ってから、この撮影用バルーンの大きさが決まってきたことから、空撮部車両の最終選定に入りました。
この試乗の結果が良ければ(予定の範囲)なら、数日以内にご契約予定です。
←'08/03/29 中央高速道路上り線・談合坂にて
試乗車
トヨタレンタカーにて12時間レンタル(約2万円)
走行:10万km
スタッドレス装着
少し・・・
程度の悪すぎるレンタカーです。
擦り傷無数。バンパーには修繕が必要と思われる当たり跡あり。たぶん・・・マウント・ダンパー・ブッシュは総入れ替えの必要あり。
外装色はオプションのツートン。
しかし・・・バックソナーやモニターは非装着。
見た目重視で、安全は後回しな所はメーカーと一緒か・・・
試乗前に、「細かいキズがあってすいません」と店員さんは言っていましたが・・・
「新車も、10万km走行のボロボロも料金は一緒ですか?」とは・・・聞けませんでした。
現行のハイエースは200系と呼ばれ、1ナンバーと3ナンバーがラインナップされています。
コミューターと呼ばれる2ナンバー15人乗りなどというグレードもあります。
全幅・全長・全高共に、複数の組み合わせがあり、最も大きいのがグランドキャビンが属する「スーパーロング・ハイルーフ」です。
全長:5,380 全幅:1,880 全高:2,285
この、「スーパーロング・ハイルーフ」という組み合わせは荷車仕様もあります。
こちらは6人乗りの1ナンバー登録となります。
ディーゼルもあるのですがキャブオーバー車と言うことから振動と音を気にして候補から外しています。
ハイエースは一般的には・・・耐久性・積載容量では国産最強と呼んで良いようです。
ネタとして・・・
ハイエースの一部クレードでは、「後席シートベルトがオプション」です。
グランドキャビンでも、後席の中央は当然のごとく・・・2点ベルトです。
レンタカー店から車を引き取ると・・・
まずはチェックから開始です。
トヨタレンタカーで借りていますが・・・
過去(10年ほど前)に、ここのレンタカーで大変な目にあっています。
車載車を借りたのですが高速道路で・・・止まってしまいました。
そんな、思い出があるので、しっかりとチェックします。
この車は・・・
しっかりと、整備されているようです。
空気圧は冷間で4輪とも2.8指定です。
少し暖まった状態で、3.0でしたのでOKとします。
なお、整備性は良好です。
この点は合格点です。
今回の試乗車は走行10万kmのスタッドレスを履くレンタカーです。
あくまで、この車両の試乗結果となるので、ハイエース全体の評価では無いことに注意してください。
試乗コース
高速道路(7):一般道路(3)
空撮部の車両は出来れば・・・1日に1,500kmを走りきって欲しいのです。
高速道路での試乗を中心にコースを設定しました。(実際には東名横浜インター付近にて撮影の仕事が在ったため、その業務を兼ねました)
試乗コース詳細
中央道一宮インターから中央道八王子インター(最大R260を含む、高速道路:渋滞無し)
国道16号にて東名横浜インターへ(大渋滞)
東名横浜インターから御殿場インター(混雑気味:一部ノロノロ)
一般道にて東富士五湖道路
河口湖インターから国道137号
普段、BMWやVWなどに乗っている方はこの車が許せないハズです。
私が運転しても・・・フラフラと車線内を漂うような運転になってしまいました。
それを止めようとすると・・・神経がすり減るので放置することになります。
急な割り込みがあったため100km前後のスピードから、かなり急にブレーキを踏むことがありました。
車は左に出てきました(ハンドルは中立)
もろちん、横スベリ系のデバイスはありません。
同乗したカメラマンと一緒に・・・「私たちなら対応できるけど、普通の人はどうするのだろう・・・」
路面状況を全く伝えない
車はドライバーの意図しない方向に動く。
フラット路面で直進していても、常時フラフラとする
ドライバー以外の評判は良好。
1日、1,000kmは行けるか?(助手席は快適)
80km前後がストライクゾーン
意外と高速コーナーが得意
今のところは・・・合格点です。(国産にはこれしか選択肢が無い状態なので・・・)
意外だったのが渋滞の弱さです。
2列目以降のの後席では停止しているとフロアから醜い振動が入ってきます。(この車は2.7Lガソリン)
この振動は2列目が最も強くなります。
運転席も振動しているのですがシートによりカットされているようです。目の前のダッシュボードは目視出来るほど動いています。
ドライバーもアクセルに悩まされます。軽く踏んだだけで、「ビュッ」と進んでしまう味付けは疲れます。
渋滞時の後席には乗りたい物ではありません。
渋滞中の快適度は以下のようになります。
助手席 >> 運転席 >> 3列目 > 4列目 > 2列目
実務では渋滞は全く無しなので、この項目は無視します。
60km程度で流れている一般道は快適です。
運転席から後席の乗客まで、このレンジでは合格点です。
(全ての速度域で、この乗り味ならおすすめ出来る車なのですが・・・)
ワインディングでも、意外なほど頑張ります。
買いません
空撮のバルーンが入るかと思ったのですが・・・
荷室が小さすぎました。
←天井のエアコン吹き出し口です。
グランドキャビンは天井にこの吹き出し口を持つため実質的な天井高がたりません。
また、後席エアコンが無いグレードでも、開口部が小さすぎでバルーンが入らないことが確定されました。
カタログではここまでの寸法が書かれていないので、細かい寸法チェックも今回の試乗の目的の一つです。
※ヨーロッパの商用車は開口部のサイズがスペックに記されています。
もしも、バルーンが入ったとすると・・・
ハイエースを買っていたと思います。
高速安定性に対しては足回りを締め上げてタイヤをミシュランなどに交換すれば、対応出来るかな・・・と感じました。
なによりも、国産でこのサイズを出してくれるだけでも価値があります。
いずれは本命の車に買い換えますがその際に下取りが良いこともポイントです。
次のターゲットは・・・正規輸入が途絶えている、メルセデスベンツのトランスポーター(日本名T1N)となりました。
これにはバルーンはキッチリ入ります。
T1Nはメンテがどうなるかがポイントになってきます。
しかし・・・これしか入らないことはわかっているので、T1Nにするしか無いのでしょうね・・・