[2008年掲載]
このページが書かれた2008年頃はヘリウムガスが値上げの方向に動いた年でした。
その後数年間は高値安定という状況が続いています。
これ以下の原文は基本的に2008年当時に書かれていることをご理解下さい。
2012年2月23日:加筆
バルーン空撮とヘリウムガスでも記していますがヘリウムガスは値上が進んでいます。
供給量が激減していることから、
医療と産業関係に優先するようにとの通達が出ているようです。
現在は問題になっていませんが今後は大量のヘリウムガスの確保が難しくなる可能性が上がってきました。
バルーン空撮は大きな風船にカメラを吊し撮影されています。
ヘリコプターよりも低コスト
ラジコンヘリコプターよりも安全
クレーン空撮よりも自由度が高い
マンションの景観撮影などのカット数が多い空撮などもコストの安さから魅力的な空撮です。
今までは(今でも)、低コストであることが大きなメリットの一つであったのですが昨今のヘリウムガス値上げにより事情が変わりつつあります。
使用するバルーンサイズにより、この問題の大きさは変わってきます。
ここではバルーンサイズ毎にヘリウムガスの供給不足と値上の影響を考えます。
中型 : 21立米(ボンベ3本)~
大型 : 70立米(ボンベ10本)と仮定
超大型 : 350立米(ボンベ50本)と仮定
バルーン空撮の、「安定性」「画質」「コスト」は一般的にバルーンの大きさ=ヘリウムガスの使用量に比例します。
ヘリウムガスを沢山使うから・・・
「安定=風に強い」
「画質が良い=高画質デジタルカメラ搭載」
「撮影費用が高い=ガスとスタッフが多い」
この様な傾向にあります。
中型から大型のバルーン空撮は予算のあるクライアントを中心に採用されています。
マンションの景観撮影から、有名ホテルなどでの撮影です。
「事故の可能性を下げる」観点からは当然の選択です。
この様な中~大型のバルーンを用いるような仕事は予算は十分あるのでヘリウムガスの上昇分は消化できると思われます。
問題点としては具体的に以下の二つが考えられます。
1):撮影のキャンセルの可能性
ヘリウムガスの値上げは供給不足が原因の大きな所です。
今は大きな問題となっていませんが将来的にはまとまった数のヘリウムガスを入手できないという事態も十分考えられます。
発注から撮影までの期間が短い場合は「ヘリウムガスの量が用意できないのでキャンセル」という事態も十分考えられます。
大きな仕事ほど、この点は問題になってくるはずです。
2):ヘリウムガスを廃棄するのは環境的に問題
ヘリウムガスが環境に直接影響を与えることは少ないと思われます。
(自然の大気にも微量に含まれている)
問題はその精製と運搬の仮定で発生する温暖化ガスです。
大きなバルーンに充当される大量のヘリウムガスを精製するのに、相当量のCO2が消費されています。
つまり・・・
「大きなバルーンからヘリウムガスを抜く姿はマイナスイメージになる」
弊社も、バルーン空撮の開始当初はバルーンから撮影毎にヘリウムガスを廃棄していました。
量にすると7立米。ヘリウムガスボンベ1本です。
超大型では同じボンベを数十本抜くことになるので、それよりも環境負荷は低いのですが・・・
それでも、「地球環境の為には悪いことをしているな・・・」と申し訳なく感じていました。
←2007年12月撮影
マンションの建築現場にて空撮業務完了後に、バルーンからヘリウムガスを抜いています。
クライアントへのマイナスイメージを避けるために、可能な限り建物の陰などに隠れて周囲からは目立たないようにヘリウムガスを抜いていました。
低コスト空撮会社が用いる7立米以下の小型バルーンの場合はヘリウムガスの値上げはそれほど影響がないと言えます。
元々のヘリウムガスの使用量が少ないため、コスト増のダメージが少ないのです。
例えば・・・
ヘリウムガスの価格が今の倍程度に収まっていれば、数万円のコスト増で済むはずです。
環境負荷が高いことは事実ですが無意味に大型バルーンなどを用いるよりは遙かに良い選択です。
0[Zero]の空撮バルーンは世界で唯一となる車載型且つ高画質デジタル一眼レフカメラが搭載可能な超高性能バルーンです。
・もっとも環境負荷の少ない空撮
・クレーン空撮と同等の信頼性
・バルーン空撮としては最上級の画質
・圧倒的な機動性
全ての空撮の常識を塗り替えるバルーンです。
他社では空気中に廃棄しているヘリウムガスを、ムダにしません。
基本的にバルーンの中に入れられたヘリウムガスは捨てることが無い事から、他社と比べると圧倒的にヘリウムガスの使用量が少ないことが特徴です。
41) 専用車両の集中メンテナンス
40) α7RⅡ狂想曲:その9 Vix
39) α7RⅡ狂想曲:その8 ThinkPad P50考察
38) α7RⅡ狂想曲:その7 ThinkPad P50到着
37) α7RⅡ狂想曲:その6 バルーンを独自開発する空撮会社
36) α7RⅡ狂想曲:その5 レタッチャー用ワークステーションのテスト開始
35) α7RⅡ狂想曲:その4 今までは空冷でした・・・
34) α7RⅡ狂想曲:その3 超高解像度パノラマ加工に必要なパソコンとは?
33) α7RⅡ狂想曲:その2 現場で必要なパソコンとは?
32) α7RⅡ狂想曲:その1「α7RⅡ」後という世界・・・
31) α7Rの業務投入開始
30) 撮影時の服装に関して
29) α7R赤外リモートレリーズ
28) α7Rリモートレリーズ制作
27) α7R ILCE-7R到着
26) 機動性という品質
25) 強風下の撮影を可能にする「ヒューズ」
24) ミラーレス一眼はバルーン空撮のスタンダード
23) 眺望撮影の、「良い例」と、「悪い例」
22) 2009年版:空撮プロが使うレンズ
21) 0[Zero]のバルーンが風に強い理由。その1「尾翼が大きい」
20) 最大風速13m/sの乱流下のテスト画像公開
19) 開発失敗バルーンの例
18) バルーン小型化の研究
17) バルーン独自開発の道程
16) バルーン素材としての塩ビとエバール
15) 新型の開発は一時停止
14) バルーン繋留角度解説
13) 寒冷地専用バルーンテスト
12) 空撮スペシャリストの技
11) 空撮と送電線
10) 空撮の保険について考える
9) 2008年版:空撮プロはどのデジカメを使う?
8) ヘリウムガス不足と値上状況
7) 標高2100m:高地撮影テスト
6) 機材開発例:レンズマウント
5) バルーン空撮と風について
4) バルーン空撮テスト
3) 空撮システム開発解説
2) バルーン空撮専用車両
1) バルーン空撮とヘリウムガス