「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第二十一弾。
SUVブームを理解するには、RVブームを振り返る必要がある。
個人的にはSUVブームはキライです。
Q:いま新車といえばSUVばかり。空前のSUVブームと言っていいと思いますが、この現象はどんな背景で起こったのでしょうか。車両開発サイドから言えば、SUVをつくりたい、SUVのほうがつくりやすいという事情などもあるのでしょうか?
引用元 : 「SUVブームはなぜ起こったか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48344
回答例(webCG)
A:SUV、つまりスポーツ・ユーティリティー・ビークルは、呼び名のおかげもあって、世間ではなんとなくスポーティーなイメージを持たれているようです。しかも、気楽に運転できて荷物も積めるクルマと認識されている。ユーザー側としては満足度が高い製品ですよね。
引用元 : 「SUVブームはなぜ起こったか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48344
以下、私の回答。
A:通常使用では大きな欠点も無く、見栄えが良いから。
過去のRVブームがSUVブームの背景にある。
メーカー的には歩行者安全対策や熱対策で助かる。
webCGでは以下に関しても語られています。
・基本性能がアップ
・つくりやすいクルマ
・電動化とSUV
この回答は国内向けとして書いていきます。
基本的には初代RAV4を始祖とする、「なんちゃってオフローダー」をSUVを呼ぶこととします。
※質問者のSUVのイメージと合わせるため
まず、バブル期から流行の推移を振り返ります。
・ハイソカー
・RV
・ワゴン
・ミニバン
・SUV
ポイントはSUVブームの前にRVブームがあったこと。
始祖とされるRAV4も改めて観察してみると、SUVよりもRV(悪路重視)であったことがわかります。
過去のRVブームと現代のSUVブームでは多少違った話になっています。
パジェロなどに代表されるRVブームは短期間で終演しました。
その理由の大きいところは、思いのほかオンロードの走りがパットしなかったから。
具体的に言うと、登坂車線では明確に乗用車に遅れ
を取る車でした。
これが時代が進んでSUVになると、少なくともコンパクトカーと同等の登坂性能を持つことになります。
一部では、「車が進化した」という論調がありますが、少し注意が必要です。
パジェロなどは明確にオフロードを主戦場とする車です。
そして初代RAV4もセンターデフロック付きです。
2ドアで短いホイールベース。
皆さんが思っているほどナンパな車ではありません。
少なくとも車高が高い車は、4WDで悪路を走れないといけないという基準はあったようです。
確かに、RVブームの頃に4WDに乗ってスキー場などに行くと、スタックした車両などから頼られることは多かったです。
FFも容認する現代のSUVとは別物です。
そして、このオフロード特性は多くの一般人には無用の長物だったのです。
オフロード用の装備により車重は増えて販売価格も上がってしまう。
SUVでは、オフロード装備を削る事により、ユーザーが求めるイメージと販売価格のバランスを取った。
もっとも影響が大きいのが足回りです。
そうするとコンパクトカーと同等の価格は無理ですが、少しのブラスαで背が高い見栄えの良い車が手に入る。
そして、RVの様な苦痛は無い。
これが、SUVブームとなった理由と述べておきます。
このページを書くために過去を振り返ると、常に大きな車をユーザーは欲しているのですね。
RVブームの次にワゴンブームが挟まるのがそれを物語っています。
そして、ハイソカーもその当時としては大きな車であった。
次々と大きくなってきた流行が次はどちらに向かうのか?(メーカーがどちらに誘導するか)
過去にRVでは大きすぎたことからワゴンに戻った瞬間がありました。
これも、初代オデッセイにより覆されたという過去があります。
つまり、メーカー側は車を小さくしたがっていない。
これ、欧州車が側面衝突安全の観点から全幅を広げてきた流れと少し異なります。
国産メーカーは、全高を上げてきたという流れです。
安全(走り)を取るか、リビング性能を取るかの違いでしょうね。
車高が比較的高いため、かつては「ハンドリングがいまひとつ」などと言われることもあったSUVですが、いまでは基本性能がアップしています。空力、タイヤ、サスペンションの進化に加え、重量物をボディーの下方に集中配置するなど設計技術の向上により、ハンドリングについても違和感はなくなっている。それも人気の秘密でしょう。
引用元 : 「SUVブームはなぜ起こったか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48344
これ、上記していますが大きな認識違いです。
SUVの走りが良くなったのは、オフロード性能を捨てたからです。
まず、私の経験値を示します。
過去に乗っている、SUV~クロカン系は以下です。
トヨタ・ランドクルーザー40系(BJ44V)['79]
トヨタ・ランドクルーザー40系(BJ44)['79]
ボルボ・XC90(T6)['04]
MINI Coper S COUNTRYMAN(クロスオーバー) ['13](車検R7/8)
ボルボ XC90 T6 AWD Inscription['16] (車検R7/2)
ランドローバー DEFENDER 110SE['20]
※並びは年式順
FF車は、MINI Coper S COUNTRYMANのみ。
これは同世代のMiniの研究の一環として購入しており、AWDとして購入はしていません。
ランクル40系は、そのまんまクロカン用途。
XC90を2台購入しているのは、安全性の高い7人乗りの必要性から。
この延長として、クロカン性能(1m降雪対応)として、DEFENDER 110。
こんな流れです。
多田さんは、過去に乗っている車両を公開していますが、私の方がRVとSUVへの経験値は高いですね。
私はワゴンを主軸に車を選ぶ人間なので、7人乗りとかクロカン性能とかワゴンでカバー出来ない用途に上記の車両を追加することになります。
少し世代は古いですが、Miniの第2世代で同プラットフォームのSUVとコンパクトカーの比較は日常的に出来ています。
走りに関しては、当然の事ながら走りにフォーカスするとSUVに勝ち目はありません。
我ながらおかしいのですが、現行型のボルボ XC90(SUV)とボルボ V60CC(ワゴン)の比較も可能です。
こちらも走りではSUVは車高の低いワゴンに勝ることはありません。
正し、走り以外に目を向けるとSUVの魅力は確かにあるのです。
自ずとゆったりと運転もすることから、同乗者には喜ばれることが多いでしょう。
ここでは走りを含めた基本性能の向上としていることから取り上げました。
さらに個別に見ていきます。
多田さんが上げているのは以下になります。
・空力
・タイヤ
・サスペンション
・下重心化
空力ですが・・・
これはCd値?
それとも、投影面積?
どちらも明確な進歩は無いと思うのですが・・・
※私は飛行体の開発者なので空力は専門
なお、昨今のダカールラリーの車両は明確に効果のある空力対策をしています。
次はタイヤに関して。
これも、20年くらい前のミシュランのオールシーズンで十分快適であったと記憶しています。
例え最新の設計でもマッチングが悪いと乗り味なども崩壊します。
タイヤの進化は確かにありますが、ここも小さいと思います。
なお、ボルボ XC90はメーカー指定タイヤよりも別のタイヤの方が遙かに快適です。
そしてサスペンション。
ここが、RVとSUVの違いになりますね。
悪路での破損を考えると、オフロード寄りになるほどサスペンションの剛性確保が必要になります。
さらに、メンテとコストも考えるとリジットが多くなる。
これが、最初期のSUV(RV)で評判を落とした一つの理由です。
ここに、乗用車用のサスペンションを組み込んだだけなので・・・
これは進化と呼んで良いのでしょうか?
なお、20年前の設計となりますが、Audi A6オールロードクワトロは、素晴らしい足回りでした。
悪路走破性と高速長距離移動のバランスの最適解が出ていました。
そう・・・20年前の設計なので、ここも進化とは別の話と言うことです。
最後に下重心化。
ここもなんちゃってSUV化に主たる原因があります。
RVの頃は、オフロード主体であることから最低地上高や各種ガードの必要性があった。
SUVになると、乗用車のプラットフォームに、それ風の車体を載せるのが基本。
当然ですが、RV(クロカン)よりも重心は下がります。
これは設計技術の向上とは呼ばないですよね?
まとめると、現在のSUVの設計が良くなったのでは無く、オフロード性能を捨てたから普通に近づいたになります。
つくり手としても、SUVはまさに“つくりやすいクルマ”です。大きくて車高が高く、エンジンルームもゆったりとれますから……。それで製造コストは比較的安い。だけど付加価値があって人気も高いから利幅は大きい。ならばメーカーとしては、ぜひつくりたいということになりますね。
引用元 : 「SUVブームはなぜ起こったか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48344
なんちゃってSUVは設計の易しい車です。
そして、MINI Coper S COUNTRYMANの購入はこの点の確認も兼ねています。
熱設計の厳しいプジョー製造のプリンスエンジンを広い空間に搭載すると、耐久性は伸びるのかを確認するためです。
予想通りエンジンルームの温度は上がりにくいようで、樹脂の黄変も穏やかでした。
この頃のエンジンはヘッドが大きめです。
そして、歩行者保護の観点からヘッドとボンネットの距離は求められる。
この2点も設計の上では大きなポイントです。
クーペなどで無理矢理設計すると、必要以上にボテッとしてしまうのをSUVは上手に隠してくれます。
M4は、モデルチェンジの度に大きくなり、911はそこまで大きくならない。
これ、歩行者安全対策も理由の一つです。
SUVは色々な意味でメーカーがつくりやすい。
後は、このブームを長く定着したいとメーカーは思っているハズです。
でも、この流れはキライです。
キチンとした理由があって、RV(クロカン)とか、SUVを選択しているなら良いと思います。
でも、流行っているからという一言でSUVを乗ることは・・・避けて欲しい。
SUVは明確に環境と周囲の安全にマイナスに働きます。
何となくで、このリスクは上げて欲しくない。
こう言う私もSUVに乗っていますが・・・
「安全な7人乗り」と限定するとSUVしか選択肢が無いんです。
5人乗りなら当然ですがワゴンから選択します。
本当はエアサス付きのワゴンがベストなのですが、国内では受けません。
故にリストラ対象となりがち。
結果としてクーペタイプのSUVの購入は今後も残ります。
どうしても1000km走った後に悪路に入る事が、仕事柄多くなりますので・・・
でも、SUVはキライです。
もうひとつ、SUVブームにかかわるメーカー側の要因としては、電動化・EV化が挙げられます。SUVが広まったころは、ちょうど「EVをつくらなきゃ」だったのです。しかし当時はEV専用プラットフォームを開発するという発想はなかったものですから、「将来EVをつくる必要性に迫られたときにパッと転用できるモデル」を模索することになりました。その点、SUVはうまくできているんです。バッテリーを床に敷けばいいし、そうすることで重心も下がりますから……。多くのメーカーには「EVの波がきても、SUVをたくさん用意しておけば大丈夫」という考えはあったでしょう。
もっとも、いまとなっては、ガソリンエンジンと共用のプラットフォームではEVの世界で勝ち残っていけないようになりました。各社、特に日本のメーカーは、それで大変な時期を迎えているというわけです。
引用元 : 「SUVブームはなぜ起こったか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48344
この頃のBMWの戦略は・・・
EVとエンジン車は同じプラットフォームとする。
この様になっています。
i8とi3でEVの専用プラットフォームで先行したメーカーの行き着いた答えです。
これを前提として話を進めます。
まず、BMWが供用に向かったことから、専用プラットフォームが必須で無いことがわかります。
なお、兼用プラットフォーム起因のネガは試乗レベルでは指摘出来る物がありませんでした。
時代が進んだことから車重や重心位置の変化まで吸収出来る設計が可能になっているのでしょうね。
少なくとも、2024年の段階では専用プラットフォームを用意しないと勝ち残れないとは言い切れないと思っています。
やはり、兼用プラットフォームは需要の変化に対応出来るという専用プラットフォームには無いメリットが魅力です。
私が自動車メーカーの役員なら・・・ 今ならば供用プラットフォームを押しておきます。
RVブームの最中に、「パシェロなんてナンバな車だ!」と思っていました。
ここでは、RVブーム直前の'80年代末期の私の話をします。
私は、免許を取って2年目の'89年に、ランドクルーザー40系に乗っていました。
周囲の友人・知人は、180SXや86(92)などに乗っている時代です。
RVブームの前で、ワンボックス(キャラバン・タウンエース)などに乗っている若者は皆無でした。6人乗りの40は仲間内でのドライブに良く駆り出されていました。
その当時は富士山の林道なども乗り入れが可能であったことから、遊びは富士山を含む林道でした。
子供の頃の自宅の車はスバル・レオーネのツーリングワゴン。
父は、発売された直後のレガシーGTのツーリングワゴンに乗っていました。
完全に4WDシンパですね。
40系はクローズとオープンの2台を乗り継いでいます。
時効なので言えますが、正月に富士山五合目などに一人でアタックしていました。
スバルラインは通行止めなので、当然ですが林道で。
吹きだまりでは1m近くの積雪があったでしょうか。
ここをラッセルしながらアタックしていました。
なお、整備は全て自分のみ。
錆対策を含めたオールベーンもガレージで行っていました。
ネットも無い時代ですので書籍で勉強です。
塗装道具なども街の塗料屋さんに飛び込みで購入。
シンナーの一斗缶なども普通に販売してくれましたのでおおらかな時代でした。
この車は数少ない40系の中でもさらにレア要素が満載でした。
・純正ロールバー付き
・乗車定員6人
・オープン
日常的はビキニトップ(運転席の直上にみの幌)を付けて走り回っていました。
車内に傘を置いてましたが、2車線の道路を走る際に隣の車が巻き上げるしぶきから逃れるため。
真冬でも、このスタイルです。
そして、これがファーストカー。
完全に変態ですね。
中古車サイトを見ても同じ仕様は一台も無いですね。
そして、この30年くらいで路上で同じ車も見かけていません。
この車では走ることと整備でやり尽くした感はありました。
横転とか前転とか・・・
良く命があったもんです。
最終的にはサビとの格闘に疲れて、サビに強いボルボに向かったという歴史になります。
苦しい思い出が多いですが私を育ててくれた車である事は間違いありません。
こんな経験をしていた人間的には、RVも十分ナンパな車だったんですね。
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