「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第十弾。
実に10年ぶりの更新になります。
本家のサイトの筆者が交代したことは知っていたのですが、今まで取り上げる必要性がありませんでした。
久しぶりに覗いたところ、私の研究対象ズバリの質問であったことから、こちらも再稼働します。
今後は、古い記事から順番に追いかけていく予定です。
Q:むかしは、量産車の生産クオリティーについて、このクルマはアタリだのハズレだのといった会話をしたものでした。いまや工業製品の質に個体差もないのではないかと思いますが、実際のところ、どうなのでしょうか? あるとすれば、どれくらいの“差”なのでしょうか。教えてください。
引用元 : 「クルマのアタリ・ハズレって実際にありますか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/49331
回答例(某サイト)
A:今は普通の人が「アタリ」「ハズレ」を実感することはないですね。
でも・・・
引用元 : 「クルマのアタリ・ハズレって実際にありますか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/49331
以下、私の回答。
A:今でも普通に「アタリ」「ハズレ」はあります。
また、質問者はエンジンなどの機械部品に限定して質問はしていません。
正しく答えましょう。
webCGでは・・・
現実に、普通の人が普通にクルマに乗って「アタリ」「ハズレ」を実感することは、今はもうないですね。でも機械の話ですから、厳密に言うなら「差異など全くない」ということはありません。
引用元 : 「クルマのアタリ・ハズレって実際にありますか? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/49331
基本的には同意するのですが、質問者の知りたいことには的確に答えられていないと感じています。
←今年導入された、「アタリ」「ハズレ」を確認するために購入された2台のGRコペン。
発注は同日。ラインは数日違いで流れています。
この車両は、エンジンと限定しても「アタリ」「ハズレ」がありました。
一台づつ、時間を置いて乗ると普通の人は気が付きません。
でも、左右に並べて乗り比べると普通の人でも明確に感じられる差があります。
これを根拠として、「アタリ」「ハズレ」は今でも明確に存在していると回答します。
この「アタリ」「ハズレ」を確認する為に、様々な条件をフラットにして検証しています。
ガソリンスタンド = 同じ
ドライバー = 定期的にシャッフル
オプションパーツ = 同一
駐車位置 = 同一
使用用途 = 同一(どちらも高速は基本的に用いない)
タイヤ = 先週から一台がスタッドレス(それまでは、どちらも同一)
現在は定期的にどちらも乗って、経過を見ている状態です。
過去の経験からは輸入車は走行4,000km程度から本調子となり、物によっては数万km経過後の方が状態が良いという経験をしています。
もう10年も前となりますが、ハイエースを新車で購入しています。
※未だに現行型なので、ここで取り上げます。
その際に、内装を総バラシで機材車を制作したという経験があります。
←そして、これが当時のハイエース(Ⅲ型)の日常でした。
問題としたのは、鉄板の継ぎ目を守るシーラーの施工ミス。
これは、高度の機械化とは関係無い、昔ながらの人の作業に頼る部分。
そして、2023年現在も機械化(ハイエースのラインでは)されていないと推測されるところです。
ここも質問者が意図する、「アタリ」「ハズレ」に該当するところでしょう。
質問者は乗り味のみで、「アタリ」「ハズレ」を質問しているとは受け取れません。
経年変化による「アタリ」「ハズレ」も当然ですが扱うべき内容と思い取り上げました。
また、これ以外にも様々な車両で人為的なミスは経験しています。
そして人為的なミスと限定すると、その昔よりも増えていると感じています。
敢えて、機械部品を中心にR&D。
自動車のアタリ・ハズレは明確に存在しています。
回転物は簡単にバランス精度は人が感じることが出来るレベル現象として現れます。
自動車は、この回転物が多用される製品である事から恐らくは、アタリ・ハズレの世界から逃れることが出来ません。
それでも現場の方々は、「素人がそんなこと言うな!」とするかも知れませんが・・・
ベアリングにアタリ・ハズレがあるのは意識していますか?
この様に逆に問い合わせたいです。
もちろん納入されているベアリングは一流メーカー品でメーカー検査済。
これがモーターに組み込まれると振動の出方に明確に差違がでるというのは、ドローンに携わっていると良く経験します。
※手前味噌ですが、並のドローン開発者では関心を持たない話です。
ここからが独自考察となります。
まず、高度に機械化されているという点に関してはその通りなのですが、実際の質はそこまで良くなっていないと日々の業務では感じています。
工業製品の質は最終的には人が左右していると思っています。
どんなに機械化されていても、適切に扱われていなければ品質は担保されません。
公差の範疇と言っても、その選択は結局は人が行っており、そこの選択が間違っていれば不良品を公差の範囲で量産しているという事になります。
ここで取り上げたのは10年前の中国の一流モーターメーカーの製品です。
※ベアリングは国産品
2023年現在でもドローンの世界ではトップクラスのブランドであり、歩留まりは10年前と同じです。
CM撮影をするクラスのプロも用いるモーターですが、ほとんどのプロは新品のモーターの品質を疑っていません。
モーターメーカーはあくまでモーターの専門家でありドローンに組まれた状態での現象には興味がありません。
意地悪な方は、「自動車とドローンは違うよ!」と言うかも知れませんが、そこは全否定します。
自動車に用いられているモーターのトップクラスのメーカーが、過去にCMで、「ドロ~ン・ドロ~ン」と流していた時期があります。
事実、そのメーカーはドローンにも参入するのですが、その設計は・・・(以下、自粛)
ここは自動車カテゴリですので、無理矢理自動車に戻します。
プラグの向きをコントロールすると燃焼効率に差が出る。
この件に関してはどうでしょうか?
現在のエンジンは、バルブリフト量やタイミング。燃焼室の形状などでタンブルを作ることは常識です。
実際には、試した上でそのエンジンにふさわしい位置を探す事になるとは思いますが、この位置でエンジン特性が変わることは確定です。
人によっては、「現在のエンジンは~」と来ますが、そこも却下。
直噴では燃焼室内で燃料の濃さが変わることは問題とされています。
流体力学的には、小さな燃焼室の中でプラグという存在は非常に大きな存在となります。
ラインで、この位置を管理していないのなら個体差が出るのは確定です。
偶然、悪い位置が重なった場合と、その逆では普通の人が感じられる範囲の差を生み出すのは容易に予想出来ます。
それは、エンジンのフィーリングかも知れません。
もしかすると、オイルの劣化にかかわる可能性も十分あります。
10年ぶりに、この手の話を掘り下げると、やはり自分の為になりますね。
今後も不定期になりますが、追いかけていきます。
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クルマのアタリ・ハズレって実際にありますか?
◆第1期
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