「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第三十二弾。
実は、「隠れスバリスト」でした・・・
Q:webCGの試乗リポートを見ていても、「86/GR86」を含めスバルの水平対向エンジンは同排気量の他社エンジンに対して燃費性能が劣るような印象があります。この認識は正しいですか? もしそうであれば、それは水平対向というエンジン形式にかかわる特徴なのでしょうか。あるいはスバルの技術力の問題ですか?
引用元 : 「スバルの水平対向エンジンの燃費性能について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48727
回答例(webCG)
A:なぜ水平対向エンジンは燃費に厳しいのか? ひとつは、(シリンダーが左右に向かって配列されるため)エンジン全体の幅が広くなるので、ピストンのストロークを長く取れない=ロングストローク化ができないということが挙げられます。
引用元 : 「スバルの水平対向エンジンの燃費性能について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48727
以下、私の回答。
webCGでは以下に関しても語られています。
A:質問に答えると、「はい」(86=FA24Fは、普通の水平対向よりも燃費が悪い)
さらに追加すると・・・ネットに騙されるな!
少なくとも、2020年代の水平対向エンジンは物理的にロングストローグ化は問題なしで燃費が悪いのは根本的な問題だから。
・86の水平対向エンジン
・スバルの技術
お急ぎの方に結論から。
水平対向エンジンのロングストローク化は容易。
燃費が悪い理由は、「ロングストローク化が困難だから」では無い。
エンジン相関表
国内発売時期 | エンジン型式(排気量) | ボア×ストローク | 備考 |
1976 | EA71(1595cc) | 92mm × 60mm | レオーネ |
1989 | EJ20(1944cc) | 92mm × 75mm | レガシー(初代BF型) |
2011 | FB16(1599cc) | 78.8mm × 82mm | 自然吸気 |
2012 | FA20D(1995cc) | 86mm × 86mm | D-4S採用 スバルBRZ(ZC6型 )・86(初代・ZN6型) |
2014 | FB16 DIT(1599cc) | 78.8mm × 82mm | レヴォーグ(初代VM型) 直噴ターボ(D-4S非採用) |
2017 | FB20D(1994cc) | 84mm × 90mm | 直噴(D-4S非採用) インプレッサ(5代目) |
2017 | M20A-FKS(1986cc) | 80.5mm × 97.6mm | トヨタの現行2L4気筒の例 プリウス5代目 |
2019 | FA24F(2387cc) | 94mm × 86mm | D-4S採用 レガシー(BW型)・WRX S4(VB系) |
車両相関表
車名(発売時期) | エンジン型式(排気量) ボア×ストローク | 全幅 | 備考 |
レオーネ2代目(1979) | EA71(1595cc) 92mm × 60 mm | 1620 | 私が最初に運転した車 |
レガシー初代(1989) | EJ20(1944cc) 92mm × 75mm | 1690 | 1年間で下道のみで4万km走行経験あり |
86初代(2012) | FA20D(1995cc) 86mm × 86mm | 1775 | FA型(スクエア D-4S採用)搭載 |
レヴォーグ初代(2014) | FB16 DIT(1599cc) 78.8mm × 82mm | 1780 | FB型(ロングストローク)搭載 |
インプレッサ5代目(2016) | FB20D(1995cc) 84mm × 90mm | 1775 | FB型(ロングストローク)直噴搭載 |
スバル・アウトバック6代目(2021) | FB20D(1995cc) 84mm × 90mm | 1875 | FB型・FB型搭載 |
86 2代目(2021) | FA24D(2387cc) 94mm × 86mm | 1775 | D-4S採用。FA24Fの高圧縮型 |
EJ20初搭載の1989年の初代レガシーと、最近のロングストローク搭載例として、インプレッサの5代目を比較します。
全幅 → 85mm増加
エンジンストローク → 15mm × 2 = 30mm増加
初代レガシーは5ナンバーでした。
21世紀となり、側面衝突の観点から全幅は増加。
この増加分で、エンジンストロークを広げるのは容易になったことは、上記の相関表により明らかです。
確かに、タイヤの幅は増えました。ヘッドも大きくなりました。
でも・・・水平対向だからストロークが稼げないは、既に過去の話になっています。
回答例(webCG)
A:なぜ水平対向エンジンは燃費に厳しいのか? ひとつは、(シリンダーが左右に向かって配列されるため)エンジン全体の幅が広くなるので、ピストンのストロークを長く取れない=ロングストローク化ができないということが挙げられます。
引用元 : 「スバルの水平対向エンジンの燃費性能について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48727
もう一度引用しました。
仮に、水平対向エンジンをプリウスのエンジンと同等のストロークにするなら・・・
97.6mm - 86mm = 11.6mm
11.6mm × 2 = 23.2mm
つまり、23.2mmの拡幅で可能と計算出来ます。
最新のアウトバックの全幅は1875mmです。
オーバーフェンダーが大きいとしても絶対的な幅には余裕があります。
つまり、プリウスと同等のストロークでも物理的に余裕で収まる事は確定です。
ボア・ストローク比は、特許で言うところの設計的事項となることからマネは問題なく出来ます。
それでもここまでのボアストローク比としないのは・・・意味が無いか? もしくは燃費が悪化するからになります。
エンジンの燃焼効率を上げるのは、「ストローク」を長くすれば良いなどという単純な物ではありません。
燃焼室に如何に効率良く充填して、上手に燃やすか?
ここは、総合的に考えられており、いくつもの特許に守られています。
一般人が、「水平対向はストロークが取れないから燃費が稼げない」と発言するのは良いでしょう。
でも、ジャーナリストとか設計に携わる方が、軽々しく語るのは大きな問題だと思います。
回答例(webCG)
A:ちなみに、86と「BRZ」のワンメイクレースでは、その「エンジンが焼き付く一歩手前までオイル量を減らし、低負荷で走らせる」というのが勝利への常とう手段になっています。
引用元 : 「スバルの水平対向エンジンの燃費性能について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48727
ごめんなさい。
私の理解が進みません。
非改造のレギュレーションならオイル切れを防ぐ観点から「オイルを少なくしすぎるな」なら・・・納得出来ます。
水平対向のクランクシャフトは通常のエンジンよりも上に取り付けられるイメージ。
メーカー指定は、そこまで高い位置にオイルが入るという意味なのかな?
仮に、その様な位置まで常にオイルがあるなら・・・そりゃ~燃費は悪化しますね。
一度、分解すると理解出来るんですがね・・・
水平対向の燃費の悪い理由の一つとして確定出来るのが、ブロックの表面積の多さ。
直列4気筒なら中央寄りの二つのシリンダの左右は外側のシリンダ接します。
この様な条件が水平対向4気筒には発生しないことから熱損の観点からは不利ですね。
でも、劇的に燃費を悪化させる程とも思えない。
やはり、オイル供給に関する部分が肝なのか?
元々厳しいオイルラインの長さがロングストローク化でさらに、悪化。
このシナリオでロングストロークが困難とするなら・・・まだ、納得出来る。
機会があったら、詳しい方に聞いてみます。
とっ、言うよりも・・・一台買うか?
今の省燃費エンジンのトレンドは「ロングストロークでしっかり燃やす」ですが、物理的にそれができない。86に関して言えば、パワーと燃費のベストバランスを目指して燃焼室をスクエア(ボア×ストローク=86×86mm)にしました。86mmという数値に落ち着いたのはたまたまで、「これは神の啓示だ!」なんて当時は盛り上がりましたね。
引用元 : 「スバルの水平対向エンジンの燃費性能について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48727
そろそろ多田さんに怒られそうですが続けます。
まず、86に物理的にはロングストロークの水平対向エンジンは収まります。
まず、十分な全幅があります。
そして、FRですのでフロント足回りの設計にも余裕がある。
やり尽くすならハイパワーAWDのフロントタイヤよりも細くすることも可能。
何よりも初代と2代目で全幅は代わらないのに2代目は同ボアでストロークを増やして排気量を稼いだことからもわかります。
では、その時点で新型のロングストロークが存在していた水平対向エンジンでわざわざ新型エンジンを起こしたかと言えば・・・
トヨタ的には、D-4Sを採用しないとトヨタのエンブレムが付けれないから。
まず、ボアストローク比の修正以前に、直噴+ポート噴射を採用する必要があったのです。
この関係から燃焼室回りの再設計が必要となった。
そのついでの「キャラ付」としてスクエアとされたというのが裏のシナリオです。
水平対向エンジンの燃費の問題は、スバルの技術が劣っているからではありません。長年かかわってきた経験から、スバルはこのエンジンについて、大変なノウハウを持っていますよ。
引用元 : 「スバルの水平対向エンジンの燃費性能について - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48727
父が、デビュー直後のレガシーツーリングワゴンのGTを購入していました。
その当時は珍しい、200PS超えのワゴン。
確か、オプションはABSとレザーシートとツートンカラー。
今の私の選択に似ていますね。
なお、私が最初にハンドルを握ったのは、母が乗っていたレオーネツーリングワゴン。
黄色の角目四灯でした。
どちらも実写の写真が無いのが惜しい。
当時の私は、ランクル40系乗りです。
自分でメンテの全てとオールベン(レストア)もやりました。
なかなかの19歳(1970年生まれ)ですね。
この様に水平対向に関する知識は、普通の方以上に持っているのですが、ブログもどきで水平対向を扱うことは無かったわけです。
理由は・・・
スバル車の耐久性の低さに嫌になってボルボに向かったから。
子供の時も含めると、20年弱のスバルとの付き合いです。
理由は4WDだったから。私がスキー好きであったことと仕事の都合(ランマの積載)からでした。
燃費は、極悪でしたね。
私は今でも、ATのNレンジを走行中に用います。
そのクセは、初代レガシーの燃費を少しでも上げたいという思いからでした。
確かに、雨天の高速などは、当時でも素晴らしい物がありました。
でも・・・壊れる。
確かに、1年で下道のみで4万kmという使い方でしたから・・・
ドアの開閉は、1日に100回を超える事も。
何に使っていたかと言うと、その当時の私の仕事であった住宅営業でした。
この様な使い方をすると、ドアは空かなくなる。鍵が摩耗してエンジンが掛からないなどという、普通ならあり得ない壊れ方をするのです。
「無理は無いな~」と思うでしょう?
でも、ボルボ240も同じ使い方をしても、全く壊れないんです。
そう、鍵の金属の質のひとつを取ってもスバルとは違っていたんです。
今でもレザーシートを標準としてシートを選びますが、理由は静電気対策のため。
そして、初代レガシーのレザーシートは盛大に静電気を出してくれていました。
とにかく、レガシーからボルボに移動して真面目な設計とはなんなのかを体で思い知ったのです。
本題に戻ります。
まず、スバルですが・・・そんなに高い技術は無いと言い切ります。
私は現在進行形で、飛行体のR&Dをしていますが、スバルには注目に値する知財はありません。
これ、専業では無いトヨタにはあるんです。
飛行体が出来るハズのスバルには無いのです。
そしてアイサイト。
こちらもドローンの制御などで半分は研究対象なのですが、あのタイミングでのアイサイトXの3眼化は酷い。
それまでの受光部の進化と、それ以降の予想を正しくしていればカメラは減らす方向を検討しても増やす方向はあり得ないと感じました。
そして宣伝の仕方も気に入らない。
事故の発生率低下を数字で示していますが・・・
あれ、メーカーの想定基準下の話です。
この頃の自動車が絡んだ死亡事故で多いのが、自宅の庭での子供との事故。
近接センサーを備えないスバル車の多くは防ぐ事が出来ません。
みちびきの採用も良いでしょう・・・でも、トンネルはどうするの?
確かに、テストの成績は良い。
でも、生きた環境の事は考えていない。(思いつかない)
これ、同じ様な事をしている者的には嫌います。
昭和の時代も似たような物です。
スバルは新しい物に飛びついて、そこが壊れるというイメージでした。
なお、ボルボが逆の動きをします。
まず、事故の発生ポイントを中心に対策。
結果として一般ユーザーが興味を示さないポイントもお構いなしで進んでいく。
「正しい事をするのが正しい」(会社は潰れても・・・)こんなん感じです。
なぜ、こんなことになるかの根本原因を書いてしまいます。
まず、あなたが優秀な成績を収めた学生で、自動車のエンジニアを目指すとします。
どの会社にも入れる努力を終えたとして・・・スバルに入りますか?
これが、スバルに技術が無いとする答えです。
マツダやダイハツは、予算が無い中でやりきって、この形になったというタイプ。
スバルは、会議で盛り上がって後先を考えずに新しい物に飛びつくという感じです。
お題目は水平対向エンジンなので続けましょう。
水平対向とロータリーエンジンは似ています。
「どちらもエンジニア的に正しいエンジンでは無い」という点です。
どちらのエンジンも採用しているのは、生産台数が少ないマイナーメーカー。
そして、特定のファンは付いている。
既にレシプロエンジンが登場して、業界に膨大な技術蓄積があります。
今から新規のエンジンを自由に作って良いとしても、誰も水平対向は選ばないという話です。
事実として、ポルシェもRR(水平対向)からFR(V8)への移行は進めました。
そして、ユーザー自身が望んだことによりRRがフラッグシップとなったという話は知っている通りです。
スバルの水平対向が似たような物で、技術的に間違ってる物を古いユーザーがつなぎ止めているという状態です。
今回の調査で、改めてトヨタの凄さが再確認出来ました。
それが、D-4S採用の部分だったのです。
まず、トヨタは1999年発表のD-4により直噴エンジンのカーボン堆積に悩まされました。
恐らく、整備からメーカーにクレームの嵐になったハズです。
その反省から、直噴+ポート噴射に着地。
初代86のタイミングでは、スバルも直噴が主流という流れに入っていました。
トヨタ的には、直噴のみでは将来的にエンジンが耐久性の観点から問題になるのは承知している。
スバルなら、寿命でスクラップとすれば良いが、トヨタなら国内の寿命を終えたら海外に流れる道が残っている。
そして、この中古車輸出という部分がトヨタ車の下取りの高さを支えている大きな理由になっている。
この様な諸事情から、20年後の価値を落とすことなる直噴エンジンを容認できなかったというのが私の考える86へのD-4S採用の理由です。
だって・・・
D-4Sにすれば、確実に原価は上がります。
そして、直噴のみのエンジンとの比較では新車時のスペックは出力も燃費も劣る事になります。
これを押しての、D-4S採用ですよ!
トヨタは、原価に五月蠅いというイメージがあるかと思いますが、必要な部分に投資するという、これは良い例かと思います。
そして、他のスバル車にD-4Sがなぜ採用されないか?
それは、簡単な話です。他のスバル車はトヨタ車では無いからです。
「意地悪」という訳ではありませんが、権利をトヨタが持っているから然るべき対価が無ければ当然と言えます。
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