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プジョーの“猫足”はどのようにできている?

「某自動車サイトのQ&Aと同じ質問にブログもどきが答えます」の第四十弾。

今回は経験値が少ない、「フランス車」のお話しです。

いつも通り、独自目線で進めます。

プジョーの“猫足”はどのようにできている?

Q:プジョー車の乗り心地について、自動車メディアなどでしばしば“猫足”という表現を目にします。「猫の足腰のようなしなやかな足まわり」と解釈しているのですが、それは技術的にはどのように実現されるのでしょうか?
引用元 : プジョーの“猫足”はどのようにできている? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48999

回答例(webCG)
A:ショックアブソーバーの縮み側の減衰力は普通の硬さにし、伸び側の減衰力をうんと高めます。
引用元 : プジョーの“猫足”はどのようにできている? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48999

以下、私の回答。
「ネコ脚」なら、本来は逆の特性になるハズ・・・

webCGでは以下に関しても語られています。
・縮み側の減衰力
・シミュレーションの技術
・フランスの道

縮み側の減衰力

基本となるサスペンションのセッティングでいいますと、まずスプリングはかなり軟らかめに設定されています。すると、フワフワして揺れがおさまらない状態になるわけですが、ショックアブソーバーの縮み側の減衰力は普通の硬さにし、伸び側の減衰力をうんと高めます。
引用元 : プジョーの“猫足”はどのようにできている? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48999

上記の文章から、以下を理解してください。

ショックアブソーバーの縮み側の減衰力は普通の硬さにし、伸び側の減衰力をうんと高めます。

ネコが高いところから飛び降りた事をイメージしてください。
・位置エネルギーが落下速度に変換
・地面に着地すると、落下速度を脚にて吸収

そもそもですが、「ネコの脚」は、縮み方向がしなやか(ロングストローク)なんですね。
伸び方向は、そもそもネコは必要としてないんです。

それでは、実際のネコとは逆の特性を、「猫足」と呼ぶかになります。
それは、路面の凹に対応するためだからです。
早い話が、アスファルトに空いた損傷に対応するためですね。
フランスと考えると石畳の石が外れた状態になるのでしょうか?
それよりは、日常の石畳に最適化した特性なんでしょうね。

シミュレーションの技術

いまはシミュレーションの技術が発達していますから、クルマの諸元(車重/ホイールベースの長さ/タイヤサイズなど)を入力することで、例えば「減衰が一番速くおさまる仕様」といった、開発者が想定する足まわりのセッティングをはじき出すことはできるのです。机上でも、実際に装着してそのまま販売して問題ないくらいの仕上がりにはなります。それをさらに、テストドライバーの感性で微調整して市場に出すというのが一般的な手法です。
引用元 : プジョーの“猫足”はどのようにできている? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48999

これ、辞めて下さい。
シミュレーションよりも実走を重視して下さい。

MINI F65 JCWトリム 社外アブソーバー

MINIになってしまいますが、余りに酷い乗り心地の為に、新車購入から1,000km程度でアブソーバーの交換をすることになってしまいました。
確実に、どこかのタイミングで改修されるハズですので、ぼろくそに書きます。
これ、瑕疵レベルの選択ミスです。
リコールにはなりません。
なぜなら、法的には「機能しているから」

このMINI('25 JCWトリム = 周波数感応ダンパー)は、まともな方が設えたなら素晴らしい乗り味が約束されたハードウェア構成です。
なぜならば、この1年前に販売されていた、第3世代にも周波数感応ダンパーが採用されており、これが絶品であったことから。
新型は、前の型からプラットフォーム持ち越しです。この画像のスタビライザーも第3世代用がポン付け出来ています。

では、この悲劇はなぜ起こったか?
・設計者は、前の型の担当と異なる
・この設計者は、前の型の周波数感応ダンパーの値を参考にしなかった
・シミュレーションソフトは、周波数感応ダンパーに非対応?
・ソフトが対応していても、バルブ開閉の閾値を設定しなかった?
・サプライヤーもデタラメの数値をスルーした
・実装で悲劇には気が付いたが販売を強行した

いくつからの悲劇が重なったことは推測出来ます。
でも、チームで動いている以上は、気が付けるタイミンクが複数あったハズです。
しかし、MINIは販売スケジュールを強行した・・・

「素人が何を言う」という意見もあるかと思いますので、以下の事実を示します。
・COPER Sの普通のトリムには18incの在庫有り
・JCWトリムの全ての在庫は17inc装着者のみ

便利な時代ですので洋上の在庫まで仕様がネットで見れますよね?
この日本向けの在庫を見てみると、上記の様な状態が確認出来ました。
恐らくですが、日本から発注の段階でシステム上で、「JCWトリムの18inc」を選択させなかったと読み取れるのです。

色々と書きましたが、シミュレーションをエンジニアが正しく使えていれば武器になるんです。
でも、感度が低いエンジニアが、この手法を用いると・・・この様な悲劇を生んでしまいます。
これも、組織として機能していれば市場に出る前に止める事が出来るのです。
でも、今現在のBMWは、ここが機能していないという明確な証拠を示してしまいました。
BMWとMINIは、これだけの台数(10台くらい?)を購入していますので傾向はわかります。
ここ、必ず次のタイミンクで修正入ります。
このブランドは、初期型の際に狙って抜くとか良くやるのですが・・・
今回は、完全に事故です。

フランスの道

こうした猫足がなぜフランスで生まれるのかといえば、道によるところが大きいです。はっきり言って、フランスはひどい道が多い(笑)。しかしデコボコした道でも、猫足ならばアタリがソフトで、トラクションが抜けにくい感じが得られるのです。
引用元 : プジョーの“猫足”はどのようにできている? - webCG」
https://www.webcg.net/articles/-/48999

上記してますが「猫足」の定義は、路面の凹に対応するためとしています。
昨今のフランスの道路ですが、市街地などに最高速度を抑制する目的から、凸を意図的に配置しています。
そして、凹は昔と比べると減っている事でしょう。
「デコボコ」など、グラベルでも走らないと頻繁にはお目に掛かることはないでしょう。
あっっっ フランスは未だに石畳は普通にあります。
地方によっては、生活圏に必ず石畳が入ると言うも普通の環境です。
最高速度抑制の凸対応(昔の日本車?)の特性とすると、この日常に対応出来なくなってしまいます。
すると、今でも凹対応の昔ながらの「猫足」が好ましいということになるのでしょう。

フランスの名誉の為に書きますが、「ひどい道」ではなく、文化として石畳を残しているのがフランスの道です。
イギリスは酷いと思いますが、フランスは日本よりも整備されていると個人的には感じています。
自宅の前の昔の三桁国道のアスファルトは酷いもんです。
特に空荷の大型が通ると振動が酷い。
コレに対応する為に、事務所新築の際には・・・結構な金額を使いました。

まとめ

今まで、フランス車の購入が無い事から推測のみで進めました。
過去のプジョーの印象は・・・「乗る度に、車の特性が違う」でした。
何度か社用車の候補にしたのですが、ディーラーの試乗車の空気圧が全く管理されてなかったことから・・・
常に、代表権限でボツとしてきたブランドです。
ま~どこも似たような物と言ってしまうとおしまいなんですけどね・・・

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