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さようなら、A6・・・ これが正しいオールロードクワトロの使い方

時間は一昨日に戻ります。
トヨタ担当営業から「ハイエースの納車日が7月29日に決まりました!」とのお知らせが入りました。
この2週間ほど前に、「納車は当初予定から遅れて8月になる」とのお知らせがありました。
つまり、予定よりは早く納車になりますよ~のお知らせ。
契約時には7月中頃のハズだったのですが・・・

以下が時間軸の説明
7/24 : トヨタ営業が「納車は7/29」と伝えに来る
7/24 22:00 : 翌日の仕事の為に福岡へ移動開始
7/25 0:10 : 福岡の仕事を終えて山梨に帰宅
7/25 11:00 : このページの書き出し開始

7/29の納車までに、ハイエース(ラジコン空撮)を必要とする仕事は組まれていません。
7/24からの福岡の仕事が最後のA6オールロードクワトロ(二代目)での仕事となることから、ページを起こします。

A6ナビ画面
往路の目的地を設定

撮影時刻:7/24 22:10
目的地までの距離:1,051km
料金:21,100円以上

との事です。
これが空撮屋の日常です。
ハイエースのナビ購入の時に解説しますが日常的にこの距離を車両で移動しているとナビ側にも、いろいろな問題が発生します。
例えばビーコンVICS・・・
高速道路で、落下物や通行止めを教えてくれる「便利なヤツ」ですね。
このビーコン(2.4GHz)は射程が200km程度です。
つまり、東京から関東一円の移動はカバーしますが・・・広島などの集中工事などの情報は入ってきません。
東京から、福岡に目的地を設定。
ナビは集中工事を考慮せずに、その区間に突入。
予想外の渋滞に填まると・・・・
※事前にわかっていれば、山陽道と中国道を使い分けできる。

なお、ハイエースに装着するナビは既に発注済み。
このVICSの射程問題に対応するために、ITSスポット対応を採用しました。
まだまだ高価ですが仕事の道具と考えると採用という選択肢しかありません。

人によっては「こんな、福岡などへの移動は滅多に無いだろう~」と思うかも知れませんが・・・
7月は2回目の福岡となります。
福岡(往復2,000km)程度は日常ですのでネタにしていないだけです。
もちろん、全てが車両での移動です。

福岡到着
目的地到着

撮影時刻:7/25 8:22
目的地まではここから30分程度
料金は深夜割引にて¥10,550円(都市高速代含む)

途中で、目の前でトラックが擁壁に接触したり、とんでもない速度で巡航するA1と遊んだりと・・・
ハイエースの納車準備や機材開発などで、激務中。いろいろとネタはあったのですが割愛します。
なお、撮影はアシスタント(嫁)です。
ハイエースはこの様なネタの撮影作業をナビにさせます。

未舗装路のアウディ
現場付記にて

この仕事(ラジコン空撮)ではこの様な未舗装路に入る事が良くあります。
この日の現場も、短距離ですが未舗装路でした。
・高速道路ではバネサスよりも下がる
・悪路ではクロスカントリーモデル(XC70など)よりも上がる

オールロードクワトロがこの仕事にとても都合が良いのです。
オブション装着(現行モデルも)にて、大きなホイールを装着するのはこの最大のメリットを自ら捨てる事を意味します。
私としてもは、「無い」選択ですね。

商用車化されたA6
商用車化されたA6

荷室はこんな感じです。
撮影に必要な機材と、充電システムなどが組み込まれています。
ヘリコプターを置いている台なども、全て車両に組み付けられています。
完全に「商用車」です。
1年ほど前に、この機材が搭載できる事を前提で、新車を中心に乗り換え候補を探したのですが・・・
Eセグメント以上のワゴンが必要という事から、今風の低燃費路線の車は尽く候補から落ちました。
ある意味、ラジコン空撮会社の社用車としては完成の域に入っています。

業務完了
業務完了

撮影時刻:7/25 11:20
現場は強い風が吹いていましたが撮影は無事に完了。
撮影後の打合せも終わり、業務は完了しました。
業務の内容は守秘義務の関係から非公開となります。

手前味噌となりますが・・・
同様な会社は全国に沢山存在します。
しかし・・・山梨から、福岡まで、「私」が行かなければならないという仕事があります。
休むことが出来ません。

メーター
これで、仕事が終わったわけでは無い

ここから帰路に向かいます。
長距離ドライブで終了~とはなりません。
移動中にも、各種問い合わせの対応や、次の日の段取り。
必要ならば、帰路の途中で打合せなども行います。

天気の関係から延期となりましたが条件が整ってしまった場合(必要な被写体が撮れる天候)は静岡の現場に入ることなりました。
過去には長崎の翌日に仙台などというパターンも経験しています。
空撮屋は天気に踊らされる仕事です。

ハイオク給油中
給油回数

今回の移動距離は約2,100km
給油の回数は4回です。
一日に「ハイオク満タン」を4回言う事になります。
1日に、1,000kmを超える様な移動を日常的に繰り返すと、燃費はそれほど重要な事では無くなります。
燃費よりは、「安全なこと」と、「疲れないこと」が優先項目の上位に入ることになります。
なお、7年落ちで18万kmを走ったオールードクワトロの、この日の平均燃費は12.6km/L。
往復の間で、私が7割りのハンドルを握っていますが一台も超されていません。
今でも、クルーズコントロールで100km固定なら、平均で14kmの燃費が普通に出ます。

トンネル内の二代目オールロードクワトロ
結局のところ、二代目オールロードクワトロはどうなのか?

7年間で、私がメインのドライバだったのは約2年。(主に、最後の1年半)
18万kmの走行で、私が同乗したのは12万km程度と推測します。
実際に購入し、使い切った者として二代目オールロードクワトロを評価します。

◆総合的には?
この性能が必要な方には、「唯一の選択肢」です。
この後にも、この前にも比較対象がありません。
オールロードクワトロの最大の意義は長距離走破性能と悪路走破性能の同居です。
現行(3代目)ではAWDシステム改修に伴う、フットレストの位置不良(右ハンドル)の為に長距離移動に向きません。
純正で大きなホイールを装着することにより、悪路走破性も好ましくありません。
つまり、本来のオールロードクワトロの存在意義を国内モデルは捨ててしまっています。
なお、初代モデルでも良い物感がある印象の良い車ですが信頼性・燃費も含めた実性能では二代目が勝ります。
趣味性を中心に考えると、2013年現在でも初代の魅力はあるかと思います。
訳がわからずに現行型を購入する小金持ちよりも、初代を品良く乗りこなす方の方が人間的には魅力的ですね。
本当に、現行型は・・・どのような方が乗れば良いのか考えてしまいます。
※多くのAudiが該当しますが・・・
なお、A5デビューを境とする現行型のA4以上のアウディのフットレストの位置不良は当分は改善しません。
ミッションの透過図などを探して欲しいのですが・・・
ミッション後端から前輪への動力戻しの機構がどうにもなりません。
後輪優勢とするAWDの改修以降はアウディは右ハンドルを明確に切り捨てています。
スポーツカーならまだしも・・・実用車で、この判断をするなら応援する事が出来ません。
それに反して国内で売れてるのは・・・日本人が馬鹿にされているということなのでしょうね。

◆信頼性は?
十分合格点が出せます。
7年間で、納得が出来ない故障は一例もありません。
リヤのアブソーバーが10万kmで抜けています。(油漏れ程度)
ディーラーでは左右で20万円程度の出費となります。
距離の出ている個体は購入時のチェックが必要な場所となります。
なお、複雑な足回りをしていますがブッシュの交換なども必要なさそうです。
エアサスなどの信頼性も十分に確保されていそうです。

◆ヤレは出たか?
「高速道路を頑張った場合」
この用途に限っては12万km経過以降で、ハッキリとわかるヤレが出てきました。
常識の範囲の巡航では問題ありません。
あくまで、「頑張った」場合に限ります。
ただし、原因がタイヤにある可能性が残っています。
本来なら、相性が良かったと記憶しているミシュランプライマシーHPに再度交換して、ヤレを確認する予定だったのですが・・・
今となってはこの確認が出来そうもありません。
なお、常識の速度の範囲では一般の方は具体的なヤレは指摘出来ないと思います。
内装・外装のヤレは無しと言って良いレベルです。
振動に関してはその当時の新車のA4よりも、18万km走行後のARQの方が快適です。
ココに関しては・・・その当時のA4がダメダメであったとも言えるのですが・・・

◆長距離移動性能は?
以下はワゴンに限定指定のコメントになります。
50:50のAWDという資質から、現実社会のワゴンを国内で用いるとすると、トップグループの選択肢です。
BMW・メルセデスのFR勢は「物理的特性から短距離ランナー」です。
「アクセルに姿勢コントロールの用途を持たせる」のはファンの部分では加点です。
しかし、純粋な長距離移動では要の直進性を落とす方向に働きます。
500R程度の高速コーナーを連続してクリアしていると、自然とアクセルの強弱が付いてきます。
これにより、「足の裏が痛くなる」のが1,000kmを超える長距離移動です。
日常的な長距離移動を繰り返さないと、体感出来ないところです。
繰り返します。「EゼグFR車は短距離ランナー」です。
エアサスは高速走行時は車高を自動的に落とします。
この点で、バネサスのAudiよりも有利です。
A4と比較する大きなA6は、「大きい」という物理的な特性から、長距離移動に有利です。
現行の右ハンドルA6はフットレストの位置に起因するドライビングポジションの不備により長距離では疲労します。
つまり、2013年でも、先代である二代目オールロードクワトロが長距離移動に限定すると、もっとも優秀と評価出来ます。
もっとも・・・
「1日で2,000kmを移動して、翌日も普通に仕事をしたい・・・」
この様な方に限っての評価項目です。
1日1,000km以下なら、他の選択肢もありでしょう。

◆悪路走破性は?
あまり語られる部分では無いかと思いますが・・・
二代目オールロードクワトロの悪路走破性(深雪も含む)は決して良いモノではありません。
対角線スタックをしますので、その用途を中心に考えている方は注意が必要です。
しかし、エアサスによる車高確保は極めて有効です。
オーロードモード(主として林道程度を想定)が用意されているのですが・・・
このモードの足回りのセッティングは得に関心出来る物ではありません。
主戦場が林道なら、XC70やディスカバリーの方が優れると思います。
「高速長距離移動が主体で、林道走破性を付加したい」
この様な方には最適です。

◆中古車とておすすめできるか?
オールロードクワトロを必要としているなら、初代か二代目をおすすめします。
初代はランニングコストの観点から少し心配。
私の様に、「使い切る」なら、二代目が良いでしょう。
林道程度に限定すると、比較対象となる車両は存在しません。

アウディに戻る事はあるのか?

アウディを降りるのは、「仕事の都合」からです。
現在のラジコン空撮の仕事ではアウディというブランドがギラツキ過ぎです。
仮に、見た目とブランドイメージがボルボとすると・・・
当分は乗っていたと思います。
なお、「仕事の都合」から、ハイエースがメインの車両となります。
主として、ドラマ撮影の現場ではハイエース以外の選択肢がありません。
仮に、複数の撮影チームを確保して、自由に選択肢が用意されたなら・・・
性能が大きく劣らなければボルボを選ぶ事になるかと思います。
この車を購入した2006年当時の様な、「よくわからないけど、プジョーと同程度」のブランドイメージが都合良かったです。
乗り始めた2006年には一般の方が興味を示すことはありませんでした。
皆さんが想像する購入価格は実価格の半分以下・・・(これが都合良い)
現在では下取り価格の10倍以上の価格を推測してきます。(下取りは2年前の査定で35万円也)

純粋な趣味の車としてアウディを考えると・・・
やはり、当分は購入する事が無いかと思います。
今の世代のフロアのはみ出しはやはり許せません。
それにより、得る物が多いなら我慢しますが・・・「得る物は少なく、我慢は大きい」では選べません。
仮に、アウディオーナーに戻るとしても、AWDで次の世代に進化してからと言う事になります。
「右ハンドルでフロアにヘンな出っ張りが無くなったとき」に、はじめてアウディを候補に入れる事が可能になります。
この、「ヘンな出っ張り」が気になるなら、左ハンドルという選択肢も有りかとも思えるのですが・・・
やはり気分は乗りませんね。
高速道路での、「頑張ったとき性能」が多少劣るくらいならボルボのXCモデルを選ぼうと思います。
ま~ボルボには過去にやられていますので(XC90を3ヶ月しか乗らなかった)、しっかりとした試乗後に購入します。

オールロードクワトロは私は降りますが社用車としては残ります。
女性デザイナーが乗ることになります。
さて、これから磨きに入ります。(ネタとしてはブログもどきにも今後も登場予定)

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