今回は保留としていた、MINI Coper クラブマン ボンドストリートの走りに関してを題材にします。
保留としていたのは・・・
・装着タイヤが設計の古い安価なタイヤ
・NAのCoperは15インチ標準のところに純正17インチ
・走りはまったりとはしていない(コツコツ)
・走りは面白い訳では無い
ボンドストリートとハンプトン(どちらもクラブマンの代表的な限定車)は、17インチが装着されています。
これ、Coper S(ターボ)もCoper(NA)も同じです。
なお、普通のCoper(NA)の純正は15インチ。
つまり、Coper(NA)のボンドストリートは2インチも大きなホイールを履いています。
最初にお断りしておきます。
デザインの観点からは、ボンドストリートは純正17インチがベストです。
吊しでデザインは完成してるので、ホイール交換の方向は基本的には無しかと思います。
この辺は多くのオーナーさんも理解しているようで、中古車で販売されている車両の多くは純正を履いています。
私も今回のテストを実施する前は、ホイールは純正17インチのままで、タイヤをコンフォート系(ミシュランのプライマシー?)にする方向で考えていました。
現状の問題と感じていたのは、指定空気圧でコツコツと入るのがまったり気分になれなかったから。
MTと言ってもエンジンは非力。
走りを語るタイプでは無いと思っていましたが・・・
読み進めると判明しますが、今回は予想が大きく覆る事になります。
今回のテストの切っ掛けとなったのが、FIAT 500 マヌアーレ・ピゥ・チエロの導入ページを書いていた際に、FIAT ムルティプラに使っていた15インチホイールを思い出したから。
これ、FIAT 500 マヌアーレ・ピゥ・チエロの購入時(3年前)に少しインチダウンのテストに用いたオールシーズンタイヤです。
FIAT 500 マヌアーレ・ピゥ・チエロは、普通のスタッドレスも購入していることから、このオールシーズンはテスト後に埃を被ってたんですね。
私の過去の購入車の多くは、ホイールは5穴。
4穴は、GRコペンの購入までは、Fiat系しかありませんでした。
装着していた車両はFiat ムルティプラ。
まだ、Fiat 500が発売される前のマイナーな頃のFiat車です。
国内に正規に入った台数は1000台以下。
ホイール選定に苦しんだ記憶があり、スライドボルトで取り付けていました。
スライドボルトを使っているなら、もしかしてとホイールを観察すると・・・
はい。このホイールはPCD100でした。
本来なら、ハブリングも用意して万全の体制で交換に入るべきなのですが・・・
フランジボルトでセンター出してもらいましょう。
万が一センターが出なかったら、後日用意と言うことで、まずはテストのみ実施としました。
このホイールは、TECNOMAGNESIO(テクノマグネシオ) TM-Lightです。
テクマグ Type211Rとデザインが似ているホイールが安価に売られていますが、それとは別物です。
・15×6.5J・PCD100-4H+37
・ハブ経 60mm
確か15インチとしては重量級であったと記憶しています。(実測しているハズですが忘れてます)
キャリパーの当りの確認の為に前輪のみ交換。
エアー調整もしていなことから、軽く試走しての感想から。
とても静かに走っています。
第一印象は、「思っていたほどの差が無い」
ロードノイズも乗り心地も思ったほど変化はありません。
コツコツはいつも通り。
あくまで静かに走る限りは、変化は大きくありませんでした。
前輪のみ交換の試走から戻って後輪も交換します。
この際に足回りを観察しますが・・・
やはり、やり過ぎ感がスゴイですね。
各アームの取り付け点から形状。材料の選定まで手抜きがありません。
普通ならFFの後ろ脚なんて、「付いていれば良い」とすることが多いのですが、Mini一族は違います。
確かに、独特の走りのクセは持っています。
その最大の原因がコイツなのですが、このクセもキャラ設定のひとつとして理解出来ます。
これに手を出し始めると蟻地獄に入ると感じているため、基本的には手を出す気がありません。
この個体はツーオーナー以上であることが各種書類から確認出来ています。
完全なる吊しの状態で10年間を過ごしてますので、私の様に純正を基本としてR&Dする人間には向いている個体でした。
整備は当初はディーラーですが、直近は町工場でされています。
そして、この整備の品質は・・・少し疑問があるという状態が今回のタイヤ交換で確認出来ました。
具体的には、前輪の締め付けトルクが明らかに強すぎました。
普通なら4輪交換後にトルクレンチで確認を取ると思います。
ここで、腕に覚えのある方なら、定期的に校正と締め付けは一回などという流儀を持っているハズです。
私は素人ですので、校正は無し。その代わり複数を所持して大きな狂いが無い事は確認。
そして、取り付け直後に一輪ずつトルクレンチで締め付け。
4輪交換後に確認で全ての車輪をもう一度という流儀にしています。
特定のマニュアルでは問題とされる行動ですが、DIYとしてはこのルーチンで良いと思っています。
前輪の締め付けトルクが強いと何が問題かなのですが・・・
もちろん、オーバートルクは機械の管理としては失格。
問題としたいのは、「なぜ、前輪のみか?」です。
この車両は、過去のページでも記していますが有名店から購入しています。
その際には、整備無しで購入しています。
もしかすると、販売点の独自検査とかあるのかも知れませんが・・・
そこで、購入時の記憶を辿ってみると・・・
販売店:「後輪のブレーキパッドを交換しておきました」
これを思い出しました。
つまり、後ろは然るべきメカさんが整備したことから適正トルク。
前輪は、直前の整備工場でオーバートルク。
もちろん、前のユーザーさんが冬タイヤとの交換でやらかした可能性もあるのですが・・・
整備工場の住所から察するとスタッドレスは用いないエリアです。
でも、前ユーザーさんが社外ホイールを履かしていたという可能性は残りますね・・・
まずは、結論から。
大変満足しています。
注意
評価は、MINI Coper クラブマン ボンドストリート['14] のMT車に限定しています。
AT車の場合は、参考になるとは思いますが、異なった結果が出る可能性が大きいと思って下さい。
同様に、JCWとCoper Sの場合も異なります。(インチダウンや外径ダウンとして)
後輪を交換したことにより、乗り心地のコツコツは影を潜めました。
まったり系の満点ではありませんが、十分合格点が出せます。
ここの点数が満点を取れなくても、他の魅力が大きすぎる事から全く問題となりません。
最大の変化は、走りその物。
完全にスポーツカーと呼んで良い代物に化けました。
狙ったのは、まったり系の実用車。
出来上がったのは、まったり含みの使い切れるスポーツカー。
絶対性能よりも普段使いの気持ちよさ優先のスポーツカーです。
まず、車が明確に軽やかになりました。
ハイグリップ系17インチから、オールシーズン15インチ(外径5%ダウン)
あらゆる要素が挙動は軽め、絶対的なグリップは低下という変更です。
軽くなるのは予想の通りなのですが、副次的にエンジンを回す気にさせる車になりました。
純正17インチ+ハイグリップでは、非力なCoper(NA 1,600cc)では明らかにオーバースペックであったという事です。
ある意味で安全な組み合わせですが、乗ってもそこまでは楽しい車ではありませんでした。
もちろん、良く出来た車オーラは発しています。
でも、心は躍らない。
これが、15インチ化(同時の小径化)により、車から踏んでこいと語ってくる様になりました。
17インチではタイヤなどは鳴らしたことは無いのですが、15インチ化によりJCWに劣りますが心は躍ります。
グリップは縦も横も、少し足りないかな~と感じます。(私は、今のままでも満足出来る)
いままではLSD(JCWは疑似LSDが入っています)などは必要無いと思っていたのですが・・・
この15インチ版では、出来れば欲しいなという領域に入ってきました。
まず、小径化から掘り下げます。
外径の違いは約5%。
50km/hのメーター表示で47.5km/hで走っている事を意味します。
このローギア化により、街乗りからワインディングまでの全ての領域で好ましい変化が出てきました。
元々MTの出来は、他の所有車のGRコペンやFiat500よりも優秀です。
17インチ(純正ホイール)では、丁寧に扱った方が車と調和するのですが、15インチは別物です。
FIAT 500 マヌアーレ・ピゥ・チエロ(5MT)が趣向的に近い車なのですが、あちらは使えるエンジンの回転数の領域が明らかに狭すぎて気持ちよくない。この特性は、私がスポーツカーでは無く実用車と評する理由のひとつにもなります。
Coper 15インチ(小径化)MTは、ギアの切り方は同じ様な感じで、エンジンを引っ張ることが可能になる。
断然、Miniの方が楽しめます。
JCWのエンジンは、基本的には低速トルク型で早めのシフトアップを強いてきます。
Coperのエンジンは、一般的な高回転タイプのエンジンよりは劣りますが、回しても十分楽しいことはわかりました。
少なくとも、JCWよりもエンジンを回したときの気持ちよさはこちらでした。
つまり、R56(第2世代Mini)の場合もNAのMTのみしか成立しないと言うことになります。
この小径化はまだ注意が必要で、もしかすると純正外径でギアを低めで走る楽しいという可能性が残ります。
さらに、仮採用しているホイールは15インチのアルミホイールとしてトップクラスのヘビーウエイト。
もう存在はしていませんがスピードラインよりも少し軽いくらいのイメージです。
この重さがどのように作用しているのかが言語化出来ていません。
※最近の車両は重い方が結果が良いという経験を何例かしています。
次が、17インチ・ハイグリップ系から15インチ・オールシーズンに関して。
メリットは、コツコツが大分減少すること。
17インチハイグリップを100とすると、30くらいまでコツコツは減りました。
同じタイヤを履いてもJCWの場合は条件によっては、車線の半分くらいの横っ飛びが発生しますが、Coperは元々が穏やかです。
17インチでも普通の方が乗れる車になっていましたが、さらに穏やかになりました。
今回は、ミシュランのCROSSCLIMATE(無印)を履いています。
外気温は、10°以下の試乗なので、ある意味で正しい使い方です。
そして、短時間ですが色々と追い込んだのですが・・・
当然ですが、タイヤはそれなりに摩耗しますね。
17インチはJCWもCoperも同じ銘柄を履いています。
ダンロップ DIREZZA DZ101という設計の古い安価なスポーツタイヤです。
これ、JCWで徹底的にいじめても減りません。
個人的にはドライもウェットもグリップ低めのショルダーが立った好きじゃ無いタイプのタイヤです。
外径が5%も小さくなるので、こんな雰囲気になります。
この見た目が好きでは無い方もいるとは思いますが・・・
個人的には問題なし。
純正の15インチも過去に調べているのですが、17インチと比較するとデザインで抜かれているという印象になってしまう。
社外ではBBSなどが固い選択になると思いますが、敢えてのテクノマグネシオでも良いかも知れません。
肝心の試乗結果なのですが、想定よりも良い方向です。
やはりCoperには15インチの方が断然好みです。
純正17インチのデザインは捨てがたいのですが、走りの魅力が大きすぎます。
ボンドストリートとハンプトンは初代クラブマンの生き残り車両の定番になるハズです。
そして、先々のオーナーがこのページに辿り着く事になるという想定で書いていきます。
まず、Coperの場合は、ATかMTかは問わず15インチは試して見て下さい。
ネットで中古で購入して、試して再販ならお財布のダメージは最低限のハズです。
そして、タイヤのグレードには拘って下さい。
初代クラブマンはどんなに頑張っても修理費用が高くつく車です。
それを維持しつつ、タイヤの購入費をケチって味を落とすのはもったいなさ過ぎます。
なお、Coper Sなら17インチでも良いでしょう。
その場合は、さらにタイヤには拘りましょう。
第2世代Miniは、そのエンジンの信頼性の中から修理費の高さはトップクラスです。
ある意味で新車よりも維持費を強いる、この車を乗り続けるならタイヤとオイルはケチってはいけません。
この世代のMiniは車高調などが組まれている事が多いと思いますが、そちらは専門外なのでコメントを控えます。
あくまでノーマルの足回り条件で以降も書いていきます。
今回の試乗前にも決まっていた事ですが、この車両は生涯所有する車の一台とします。
最終+MTという段階でマニア物件確定ですが、それを置いても車の出来が素晴らしいですね。
なお、JCWの方は年式の関係から、お代わりの可能性が残りますが手放すのは年式の高いJCWの方を乗り込んでから検討します。
また、第2世代Miniはラインナップが豊富ですので、コレと言った個体が見つかれば買い増しの方向で考えていきます。
サイズ | 外径 | 備考 | |
15インチ / One/Coper | 175/65R15 | 608mm | ENERGY SAVER / ENERGY SAVER4(88H XL) |
16インチ / Coper S | 195/55R16 | 620mm | PRIMACY4 / PRIMACY4+(87H) / POWERGY |
17インチ/ JCW等 | 205/45R17 | 616mm | PSS* / PS5(88Y XL) / PRIMACY4+ / POWERGY |
18インチ / JCWオプション | 205/40R18 | 621mm | PS4 / PS5(86Y XL) |
テスト15インチ / Fiat 500 | 185/55R15 | 584mm | CROSSCLIMATE(86H) / PRIMACY4 |
15インチ 別候補1 | 185/60R15 | 603mm | PRIMACY4(84H) |
15インチ 別候補2 | 195/55R15 | 595mm | PS3(89V XL) / ENERGY SAVER4(89V XL) |
15インチ 別候補3 | 175/60R15 | 591mm | ENERGY SAVER4(81H) |
15インチ 別候補4 | 195/60R15 | 615mm | PRIMACY3(88V) / PRIMACY4(92V XL) |
参考軽自動車15インチ | 165/55R15 | 562mm | ENERGY SAVER4(75V) |
ここからは自分のR&Dです。
それでは、自身の車のタイヤとホイールをどのようにまとめるか?
近所の峠道なども含めて乗り込みの距離を重ねたことにより、さらに色々と見えてきました。
・タイヤ外径は純正に近づけても良い
・やはり、スポーツ系よりもまったり系に寄せるべき
何度か書いていますが、このページを書いている段階で7台のMTを同時に保有しています。
その車を日常的に乗り比べていると、色々と見えてくる物があるのです。
まず、当初はスポーツ系で楽しいとした部分ですが、色々と中途半端である事が見えてきました。
例えば、センターラインが無い峠道。
つまり、狭くてタイトな峠です。ここでスポーツ走行をすると・・・GRコペンに劣る事がわかりました。
同様に、登坂車線がある山岳路でもGRコペンと同じギアで登り切ることも出来ない事も確認。
JCWと一緒に所有すると少し混乱するのですが、坂道では普通の車よりも一段下のギアを使う想定をした方が良いかも知れません。
速度域が上がれば、JCWもM4も控えている。
スポーツ寄りのキャラは沢山所有しているのですから、ここは当初の目的の通りまったりに寄せるべきでは無いかと。
まったりの15インチでも、確実に17インチハイグリップよりは総合力で上回る事は約束されています。
この様な考えでタイヤを選定していきます。
◆純正サイズ装着 175/65R15 ミシュランENERGY SAVER4
迷ったらコレでしょう。
大ケガしないことは確定です。
◆候補1 185/60R15 ミシュランPRIMACY4
タイヤ銘柄からの選択ですね。
わずかに小径化される事で走りも期待という組み合わせ。
純正サイズとコレの乗り比べが出来れば贅沢ですね。
◆候補2 195/55R15 ミシュランパイロットスポーツ3
スポーツタイヤ装着の想定。
もしも、MT車が一台しかなかったらコレにした可能性大。
◆候補3 175/60R15 ENERGY SAVER4
交換直後は良いかと思った過剰な小径化の多少改良版。
軽やかに走ること特化なら今でもコレはありな選択かも。
◆候補4 195/60R15 ENERGY SAVER4
ATなら、これがまったり系のベストとなる可能性大。
詳しい方ならロードインデックスに注目してみて下さい。
MTでも試して見たいサイズです。
◆候補5 205/45R17 PRIMACY4+
元にもどって純正17インチも検討。
ハイグリップ系からコンフォート系にすることにより多少なりとも乗り心地の改善を狙うパターン。
もちろん、デザイン面からは満点なコース。
第2世代Miniをあくまでノーマルで小綺麗に乗るという場合は候補にしても良いでしょう。
特にATの場合は、迷ったらこれをおすすめしておきます。
なお、2023年現在では未だに純正ホイールの新品が購入可能です。
R55に惚れ込んだというなら、この購入検討も同時にどうぞ。
なお、私はF55(第3世代の5ドア)用の新品スペアホイールを所有しています。
まず、手元にあるテクノマグネシオの確認から。
・185/55R15
・15×6.5J・PCD100-4H+37
・ハブ経 60mm
そして純正
・175/65R15
・15×5.5J・PCD100-4H+45
・ハブ経 56mm
そして、純正17インチにもっとも雰囲気が近い15インチの候補。
BBS RG-F ブルーブラックダイヤカット(BBD)
・RG397 15×5.5J・PCD100-4H+45
・RG524 15×6.0J・PCD100-4H+40
このページを書くまでは知らなかったのですが、Miniの4穴ホイールは軽自動車への転用が定番だったのですね。
7台のMT車の中で2台がGRコペンですので、こちらの転用も可能という新しい可能性も見えてきました。
ただし・・・ボンドストリートはデザインがマッチするホイールを選ぶタイプです。
スポーク数が多いとかメッシュのデザインの方が向いているのは天井の色から確定。
他の車はスポーツ系が多いから5本スポークとかでも成立。
まあ、重量変化を考察するには一時的な転用は良いでしょうけど、本格的に用いる場合は一考ですね。
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