故障が直らない・・・ Mini購入は覚悟が必要?
BMWの顧客満足度 Mini入庫から1ヶ月経過の経過報告になります。
◆これまでの経緯
2016年5月6日:トラブル発生。即日に入庫
数日経過後:インジェクター・プラグ交換 = 改善無し
6月4日:ラムダセンサー・キャタライザー交換 = 改善無し
6月6日:ディーラーにて面談
7月8日:ディーラーからエンジン換装着手のお知らせ
7月19日:修理完了 = 完全復活
◆はじめに
誠に申し訳ありません。
いろいろと、私が勘違いをしておりました。
「工場製造時からインジェクターが壊れていた」
これが全てのスタートでした。
それ以降は、以下の様になります。
・工場出荷時のチェックを通過(これが、最大の問題)
・国内入庫時のチェックも通過(ここはガンバレ)
・ディーラー入庫時のチェックも通過(ここは、無理ない)
・私のチェックも通過で新車を引き受け(ここも、無理ない)
・1年・1万kmの間に、該当シリンダにストレス蓄積
・登録から11ヶ月で致命的な発病
具体的には、該当シリンダから金属片発生。
金属片が回りジャーナルにキズも入る。
この際に該当するジャーナルにしかキズは入らないとの事。
ディーラーではピストンリングなどを確認していないようですが、ジャーナル損傷の時点でエンジンは終了。(OHが必要)
これは、BMW Japanからメカの方がディーラーに出張して発見との事。
その後、届いたエンジンに交換して完治という流れです。
入院期間は3ヶ月弱ですが、最後の10日でスピードアップ。
つまり、最初から本気で取り組んでくれれば、1ヶ月で退院出来た言う事です。
それでは、なぜ長期戦になったかを考えます。
まず、MTのF56 ONEは、マイナーです。
中古車販売サイトで調べてみたところ、全国販売在庫1台の希少車!
MT好きは、第3世代では廉価のONEを悉くスルーしているという事です。
※後記しますが、コレはとてももったいない事
この車の原因の発見が遅れたのは、この販売台数の少なさが起因しています。
同じ車が目の前にあるなら、故障の発見も早かったはずです。
私のONEは納車当時から、「貧弱な排気音」でした。
故障中に、2台のAT ONEに乗っていましたが、これらは3気筒としては十分綺麗な排気音。
私のMT ONEの排気音がよろしくないのは、ひとつの謎でした。
さらに・・・
購入前に試乗した、AT ONEでは感じていたターボラグが、MT ONEでは発生していませんでした。
これも、「最新世代の小排気量3気筒MTの購入経験が無い」事から、こういう物なのか~という感想しか述べることが出来ませんでした。
私も、ディーラーも、デポも、比較対象が無かったことから工場出荷時から故障を抱えていたことに気がつけなかったのです。
故に、一気筒のみ濃いという状態でも納車。
私に至っては、11ヶ月も乗っていたのに気がつけなかったのです。
同じ車両が近くにあれば、ターボが働いていないことは即時にわかります。
故に、故障診断も早く進んだと推測します。
私は、11ヶ月気がつけなかったことに対して謝罪します。
過去のインプレッションに関しても、正常なエンジンにて修正させていただきます。
※高速道路の印象などは大きく異なります
国内の関係者に一定の理解はしますが、がんばってください。
百歩譲って、マイナー車起因の部分は認めます。
しかし、入庫から一週間でBMW Japanは動くべきでした。
動かないなら、ディーラーは強く働きかけるべきでした。
何度も、「MINIの製造クオリティーは低い」としていますが、今回の事もキチンとしたメーカーなら工場から出荷されないハズです。
これがユーザーに渡ってしまったということは、製造から流通までの品質コントロールが出来ていないことを意味します。
そして、自己診断プログラムで致命的な状態を回避出来なかったことは設計(想定)力のなさを証明します。
もちろん、工業製品である以上は全てを止める事は出来ません。
わかっていても切り捨てるという事はあることも理解します。
しかし・・・
これは、普通に止められるレベルの案件です。
自宅駐車場を出て50mでの感想。(1速→2速)
「とてもスムーズ・・・」
3気筒1.2L(B38)は、試乗車・代車などで4台の経験があります。
その3気筒エンジンに高い評価を出しています。(バイオガソリンが入って無い事が前提)
市販されている3気筒の全てを乗ったわけではありませんが、BMWの3気筒はトップクラスであることは保証出来ます。
ここでの注目は、「3気筒としては・・・」の部分です。
書くまでも無いのですが、良く出来た4気筒との比較なら4気筒の方が優れるとも思っていました。
エンジン換装されたF56 ONT MTは、「4気筒と比較してもスムーズ」というレベルに達していました。
常用する1,400~2,000回転の間で、気になる点は一切無し。
3,000回転まで上げていくと、「これは、BMWだ~」と言える気持ちよさ。
成分は薄いのですが6気筒エンジンの様な清々しさを感じました。
予備情報が無ければ、このエンジンを3気筒と疑うことは出来ないと言い切れるレベルです。
さらに、試乗を続けます。
エンジンを5,000回転程度まで回します。
すると、2.500回転から過給が効いてくるのがしっかりとわかります。
ここで、ひとつの疑問が発生。
エンジン換装前(初期不良状態)は、ターボラグなんて気がつきませんでした。
「最新のダウンサイジングはすごいな~」などと言ってましたが・・・
それは、私の勘違いでした。
燃調に修正が入った段階でエンジンはターボを保護していたと推測されます。
ここでドライバー交代。
メインとなる嫁が乗り込みます。
私は車外でMINI甲府のフロントマンさんと見送ります。
「キュッ!」
短めのスキール音と共に嫁は飛び出していきました。
この時の排気音を聞いて違いに気がつきます。
今までの、「安っぽい3気筒の音」と明らかに異なります。
これも黙っていれば、安い車の音には聞こえません。
なお、排気系は触媒の交換のみ。
メインパイプや太鼓などは、新車装着のままです。
車外の変化は、仕事を始めたターボに起因すると推測出来ます。
ここで、嫁の最初のインプレッション。
「遅い・・・」
まさかの悪評です。
理由は、「アクセルを踏んでも進まない」との事。
なんてこと無いんです。
ターボラグが出てきたことから対応出来てないということです。
乗り方を指導してからは、この様なクレームは無くなりました。
この後に、フロントマンさんが乗ってきた、あるグレード(3ドア・AT)を試乗させていただきました。
その結果は・・・
「これなら、ONE MT(エンジン換装後)の方が良い」でした。
ONEは、最廉価グレード。
比較したのは、遙かに上の人気グレード。
高速道路の最高速では劣るはずですが、それ以外の部分で手持ちのONEが優れています。
高速を使わないなら、ONEで十分どころか、ONEの方が優れるのです。
ここでは、敢えて比較対象は書きません。
ご自分で比べてみてください。
なお、この時の試乗車は17インチを履いていました。
これを自宅周辺で試したことから、ホイール入れ替えの貴重なサンプルを取ることが出来たのが大きな収穫です。
自宅の周辺を中心に1週間程度乗り回しました。
梅雨は明けていませんが、山梨の7月です。(この前も近所で全国トップの外気温)
常にエアコンは使っています。
アイドリングストップ時の挙動もさらに良くなりました。(前が悪い訳では無い)
明らかに楽しい車になっています。
それでいて2,000回転以下に留める常用域も快適。
唯一の欠点は、エアコン使用時の坂道発進。
この時のみは、「故障時=ターボ休止」時の方が楽でした。
やはり、1速で60km/hをカバーするハイギア比は愚かです。
また、納車前に純正の175/65R15を交換するとしてましたが、今まで放置でした。
それは、このサイズで何も不足を感じなかったから。
自宅周辺をトコトコと走っても、スキール音が出ることも無い。
高速道路もつかれることから500kmの移動なども想定しない。
ここに少し変化が入ります。
自宅の前は、旧三桁国道。
長い直線上に位置することから、流れは速め。
さらに、交通量も多め。
故に、アクセルの踏み込み量も多めにする必要があるのですが・・・
純正装着のハンコック175では、私でもスキール音を出すことが判明。
※他の車は、4WDとFRなので問題なし
さらに、ターボが効くことにより高速道路での印象が大きく異なる事が想定されます。
そこで、このタイミングでタイヤ・ホイールの発注を検討します。
まず、試乗車にて試した17インチは除外。
やはり、ピクピクと修正舵を要求する特性は、街乗りでも高速長距離移動にも不要です。
純正の15インチでは、欧州メーカーのコンフォートタイヤの設定が無い事も承知しています。
故に、16インチを中心に検討を開始。
175/65R15 608mm (ONE純正)
195/55R16 620mm
205/45R17 616mm
16インチの純正サイズでは外形サイズが11mmも大きくなることが判明。
当然ですが、坂道発進は不利。
6速の高速巡航も不利。
185/55R16とすると外形は、609mmとなることから良い塩梅。
念のため15インチも物色すると・・・
普段は選択しない方向の銘柄から試して見たいタイヤが出現。
この事は、後日ページを起こします。
納車1週間後に都内の打ち合わせが組まれていました。
ここで、250kmほど高速を走ってきました。
ルートはいつもの、中央道・勝沼~都内。
ここでも大きな変化有り。
中央道下り線。八王子JC~中野トンネルの登りでの評価。
100km/h・6速巡航で回転は2,000回転を超えます。
この速度なら坂道でもターボラグ無しで登ります。
今までは、5速に落とさないといけない条件でした。
なお、八王子ICから勝沼ICまで、6速固定で走り切れています。
車線は追い越しで流れに追従。
今まではつらい条件でしたが、ここは大幅に改善されました。
また、今まではこの距離で疲労を感じましたが、今回は疲労感無し。
これなら500kmの距離も走りきれる可能性が出てきました。
まずは、国内の関係者方々のご尽力に感謝します。
やっかいな故障特定かと思いましたが、本当にご苦労様でした。
特に、MINI甲府の方々にはお世話になりました。
今後もMINIを社用車の一角としますので、細く長くお付き合いください。
そして、MINI製造ラインの方。
「もっと、まじめに仕事をしてください」
そして、MINI設計チームへ。
「無理にデザインする必要は無いんです」
初期不良の状態でも、実は優れた車でした。
これが、確実に名車レベルにステップアップしています。
エンジンと後ろ脚に関しては、500万円以下クラスのトップという評価をします。
10年ちかく、ブログもどきを書いています。
この間に、仕事やプライベートで様々な車を乗って観察をしています。
その経験の中で、エンジン単体でもっとも評価するのが、エンジン換装により復活した手持ちのONE MTです。
ここでひとつ疑問が出てきます。
「私のONEは、他の市販車と同じ物なのだろうか?」
例えば、5速固定で巡航しているとします。
1,400~2,000回転程度で周囲の流れに沿った巡航です。
この時は、ATとMTの違いが少ないハズなのですが・・・
圧倒的に、手持ちの車両の方が気持ち良いのです。
比較対象は4気筒を通り越して6気筒として良いレベル。
もしかすると・・・
今回のエンジン換装で、当たりのエンジンを敢えて送ってきた?
この様な疑い(ありがと~)が出てきます。
現在の工業製品と言っても、クランクの微妙なバランスや芯の狂いはエンジンの味を落とします。
これらはフリクッションロスとなり燃費も悪化させます。
つまり、細かな振動はガソリンを正しく推進力に変換出来ていない証拠でもあるのです。
量産車である以上は、公差の範囲なら問題なし。
自ずと、当たりとハズレが存在してしまいます。
仮にですが・・・
コンロッドやピストンなどの公差を徹底的に整えたとします。
それは、多くの方が気がつけるレベルの差を生みます。
この様な事を言い切れるのは・・・
私は、バランス取りも仕事の一部です。
1/100mmの変芯が、最終的にどのような振動に変換されるのかを指が知っています。
何を言いたいかと言うと・・・
このエンジンは、内部パーツの選別などが実施されているのでは無いのか?
特に、クランク周りは狂いの少ない物を用いているのだろうと・・・
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