故障が直らない・・・ Mini購入は覚悟が必要?から、1ヶ月半が過ぎました。
BMWジャパンからは放置プレイを食らっています。
こちらも動きがあればお知らせします。
さて、購入前から興味があったMINI ONEに搭載されているエンジンに関して考えて見ます。
修理はディーラー任せですが、原因を説明される際にエンジンの詳細を知っている方が有利です。
予習ですね。
購入前も調べたのですが、ネット上の情報は少なめ。
公式サイトの情報量は最低限以下。
カタログも有効な情報の記載無し。
今回は、海外サイトと書籍を頼りに研究してみました。
←納車当日に真っ先に撮影したエンジン。
初めてのMINIの購入で、もっとも関心があったのがエンジンです。
F56世代の最大の目玉が、モジュラー3気筒エンジン採用。
これを本道である1.5L(COOPER)で手堅く楽しむのか、BMW全体という括りでも唯一の搭載となる1.2L(ONE)に賭けるのかで悩みました。
なお3気筒というだけで、「軽自動車とおんなじ」と見下す方も見受けますが、それは大きな間違いです。
このエンジンを楽しまないのはもったいない。
自動車の最新技術はVWが主導する事が、この10年は多かったと思います。
ダウンサイジングの立役者はVWであることは間違いありません。
多くの方がご存じのとおり、VWの小排気量ガソリンエンジンは優秀です。
その優秀なエンジンに、DSGが組み合わされるのですが圧倒的な実用車になるのは約束されているような物なのです。
しかし・・・
BMWの3気筒なら、VWとも比較対象となる。
時代遅れの6速トルコンATでは勝ち目は無いが、ゲトラグ6速MTなら勝負になるのでは?
なお、最終的に購入したのは1.2LのONEでした。
決め手はチープな外装。
これに、豪華内装を奢り、自分の中のイギリス車像を具現化してみました。
それでは、このページの主役であるB38搭載車から確認します。(ONE以外は、1.5L)
BMW 216i
BMW X1 sDrive18Li(日本未導入)
BMW 116i(日本未導入)
BMW 318i(日本未導入)
BMW 418i(日本未導入)
BMW i8
MINI ONE
MINI COOPER
次期5シリーズにも、3気筒1.5Lは搭載される予定です。
国内では、イメージの関係から入ることは無いと思いますが、この様な素敵な選択肢も海外には用意されています。
MINI ONE | COOPER |
BMW 418i |
BMW i8 |
COOPER S | MINI JCW |
BMW 740i |
COOPER D | COOPER SD | |
型式 | B38A12A | B38A15A | B38A15A | B38K15A | B48A20A | B48A20B | B58B30A | B37C15A | B47C20A |
気筒数/排気量 | 3/1,198 | 3/1,498 | 3/1,499 | 3/1,499 | 4/1,998 | 4/1,998 | 6/2,997 | 3/1,496 | 4/1,998 |
ボア/ストローク | 78.0/83.6 | 82.0/94.6 | 82.0/94.6 | 82.0/94.6 | 82.0/94.6 | 82.0/94.6 | 82.0/94.6 | 84.0/90.0 | 84.0/90.0 |
ボアストローク比 | 1.07 | 1.15 | 1.15 | 1.15 | 1.15 | 1.15 | 1.15 | 1.07 | 1.07 |
出力 | 102PS/4,000 | 136PS/4,400 | 136PS/4,400 | 231PS/5,800 | 192PS/5,000 | 231PS/5,200 | 326PS/5,500 | 116PS/4,000 | 170PS/4,000 |
圧縮比 | 10.2 | 11.0 | 11.0 | 9.5 | 11.0 | 10.2 | 11.0 | 16.5 | 16.5 |
このエンジンのポイントを示します。
・BMW次世代のモジュラー設計
・部品の供用率は60%以上
・ガソリンとディーゼルでブロックも共用
・気筒500cc(MINI ONEは例外的に400cc)
・BMWのエンジンとしてはロングストローク(ボアストローク比 1.07~1.15)
・全車過給器搭載(ツインスクロールターボ)
・3気筒はアルミハウジングターボ(排圧・冷却の関係から3気筒)
・BMWグループ以外の搭載は無し
BMWの本気が見えます。
直3・直4・直6をカバーし、縦置き・横置きのどちらも可能。
さらには、ガソリン・ディーゼルも対応。
BMW車のほとんどに搭載されるエンジンとなります。
V8などは従来通りですが・・・ こちらは、万の単位は売れないので量産エンジンは不要という判断でしょう。
このモジュラーエンジンを読み解くのに重要なポイントが、i8に搭載されている1.5L3気筒です。
これをラインナップの初期に示し、「i8に搭載しているんですから、3シリーズなんて余裕です」とぶち上げています。
これを先にやらないと、さすがに3シリーズのお得意さんが受け入れないと感じたのでしょう。
正しい判断だと思います。
また、ミニの顧客には、「JCWには、i8の3気筒では無く、4気筒ですよ!」と応用も利きます。
「第3世代は、MINIもBMWとエンジン共用です」で十分ですよね?
この一言だけで、高速道路でボンネットを開ける機会も無くなるという安心感があります。(個人の感想です)
モジュラーエンジンの肝は、部品共用も当然なのですが、機械的な仕様も同一されます。
ボアピッチなどが該当します。
モジュラーエンジンというと、個人的にはボルボが思い当たります。
FF世代(850)以降は、2.5Lの5気筒を中心とした展開。
最近では、2.0Lの4気筒を軸として過給器にて上下に展開。
ボルボも直列6気筒を未だに造っているメーカーです。(もうすぐ、なくなりますが)
ユーザー層は大きく異なりますが、エンジンに関してはBMWとボルボの考え方は近い物があります。
ま~ボルボは台所事情の産物ですが・・・
このページの主役はMINI ONEですので話を戻します。
ONE搭載のエンジンを一言で述べると、「最廉価版としてはオーバークオリティなエンジン。でもね・・・」となります。
なんと言っても、i8のエンジンと多くを共用しているんですよ?
BMWの誇る、バルブトロニック・直噴・水冷アルミハウジングターボなど満載。
低コストの車両では省かれる事が多い、バランサーもしっかりと搭載しています。
1.2Lガソリンなのに、1.5Lのディーゼルと共用のエンジンブロックを用いています。
VW真っ青の、ハイテク大盛りエンジン。
10年ほど前のエンジンの知識では付いていくことが出来ない最新設計のエンジンです。
例えば・・・
エキマニはありません。
本命の1.5Lは、ターボなのに圧縮比11.0です。
国産勢は周回遅れから半周まで差を詰めています。(ようやくダウンサイジングの入り口へ)
しかし・・・
トップグループは、ここまで進んでいます。
これをオーバークオリティと呼ばない訳にはいきません。
下手に機構を省かない方がコストを落とせるということなのでしょうね。
モジュラー化のメリットをもっとも受けているのが、MINI ONEと言っても良いでしょう。
モジュラーバンザイです。
でもね・・・
表内の、ボアに注目してください。
78mmというボア採用は、新世代モジュラーエンジンでMINI ONEのみ。
82mmボアは、あらゆる車両と共用されています。
メインストリームとなる82mmの燃焼室は、テストもしっかりする事でしょう。
市販後も流通量が多いことからトラブルシューティングも容易なはずです。
ここまで共用化が激しいと、1.2Lと1.5Lで燃焼室(ヘッド)も共用しているのか?
つまり・・・
妥協の産物が十分なテストをせずに出回っているのか?
この様な疑いも出てきます。
イヤイヤ・・・
既に疑いではないですよね?
私のF56 MINI ONEは、一気筒失火により1ヶ月半の入院となっています。
契約前に、「1.2Lは賭け」と感じましたが、私は負けたと言う事か・・・
なお、メルセデスも同じ様な事をしています。
Aクラスなどに搭載される、1.6Lと2.0LのM270です。
これは、83mmのボアで共通。
ストロークで排気量を変えてきました!
も~ビックリ、どっきりメカですね。(個人の感想です)
こうすることにより、ヘッドの共用が可能になります。
もちろん燃焼室も共用であることから、燃焼室周りのコストは抑えることが出来ます。
でもね・・・
この方法はボアストローク比に無理があります。
2.0L = 1.1
1.6L = 0.88
昨今の実用エンジンでは、1.1前後にまとまるのが普通です。
2.0Lは、教科書通りの1.1
1.6Lは、0.88とまさかのショートストローク。
見つけた当初は、1.6Lという排気量からWRC参戦か!!! と少し盛り上がりました。
最新型のショートストロークの過給エンジンをMTで操る!
ロマンを感じませんか?
でも、夢は直ぐに覚めます。
直ぐには真意が読めませんでしたが、2.0Lのボアストローク比を計算して納得。
1.6Lと2.0Lで、まさかのヘッド共用。
1.6Lが、その負の資産を丸被りという事になっています。
1.6Lと2.0Lの中間を取るのでは無く、1.6Lが丸被り。
これが、廉価版の悲劇というヤツですね。
つまり、Aクラスなら1.6Lは妥協の産物であることから避けるべきとスペック表からは読み取れます。
改めて、Aクラスのラインナップを見てみると・・・
Aクラスは、A250 シュポルト(MINIなら、COOPER S)以上にならないと、2.0Lが搭載されない・・・
なんとも、メルセデスらしいことになっています。(以下、自粛します)
廉価版のエンジンは、Aクラスの様に寂しいエンジンが載ることが当たり前です。
昨今のコスト縛りが厳しい時代では、この傾向はさらに強まります。
しかし、F56 MINI ONEは違いました。
ベースとなる1.5Lは、コンパクトカー搭載エンジンのベストと呼べる代物。
水冷ハウジングのターボを筆頭に、3気筒に必要な物は全て備えています。
志の低い、Aクラスの1.6Lと比べると別物です。
故に、1.5LのB38は、名器と呼ばれる事になるのだと思います。(まだまだ、これから良くなります)
そして、ONEの1.2Lは、その名器1.5Lから省かれたのは排気量のみ。
コストの掛かるバランサーやダブルVANOSもそのままです。
コスト縛りの廉価版ですが、第3世代に限っては、上級エンジンをデチューンする方がコストが安いという判断からの採用です。
メインとなる1.5Lよりも数の出ないエンジンです。
もしかすると・・・1.2Lの方が原価が高いという事もあり得るかもです。
ここまで読んでもらえたなら購入時に2.0L(B48)を除外して、B38で迷ったのをわかってもらえますね?
そして、エンジンの出来を試したいという一点から、1.2L3気筒を積極的に選んでいるという心情もわかってもらえるかと思います。
以下が過去に乗ったことのあるB38搭載のMINIです。
・2015モデルMINI 5ドアCOOPER(1.5L) AT [試乗時間10分]
・2015モデルMINI ONE(1.2L) MT [購入車両 11ヶ月1万km]
・2016モデルMINI 5ドアONE(1.2L) AT [代車2週間]
・2015モデルMINI ONE(1.2L) AT [現在の代車]
※AT車は、MINI ドライビング・モード非搭載
まずは、結論から述べます。
MINI ONEは、MTで乗るべき車です。
※2016年現在では・・・(時間と共にAT推奨となる可能性もアリ)
ATを3台乗っていますが、その全ては合格点は出せます。
しかし手放しですすめられるレベルに達していません。
具体的に言いますと・・・「ゴルフに勝てません」
クラスが違うとい突っ込みもあるかと思いますが、輸入車のハッチバックである以上は、ゴルフも比較対象とすべきです。
国産コンパクトと比べると絶対的な価格が高くなってしまうことから、「好きなら止めませんけど」というレベルの車です。
ゴルフのように、「迷ったなら、コレにしなさい」というレベルは程遠い状態です。
それでは、個別に感想を書きます。
◆2016モデルMINI 5ドアONE(1.2L) AT
走行距離800km前後にて代車としてやってきました。
2週間ほど手元に置き、400km程度走りました。
新車に近い状態であることから、参考程度にご覧ください。
1,400rpmに、ハッキリとわかる振動。
1,800rpmに、弱い振動が出ていました。
信号待ちからゆったりと走り出すと、2,000rpmでアップシフトが入ります。
次のギアに入ると1,400rpmに落ち込み、「プルッ」
ここから、2,000rpmとなると、また1,400rpmに落ちて、「プルッ」
小さいものの定期的に振動が入ることから気になります。
MTではこの様な事は思いあたりませんでした。
また、試乗した5ドアCOOPER(1.5L)にもありませんでした。
そこでガソリンの相性を疑い、MTで振動を出さない確認が取れているスタンドで満タンとしました。(8割新油)
すると・・・
1,400rpmに出ていた振動は消えました。
1,800rpm付近も同様に消えたのですが・・・
あらたに、1,600rpmから弱い振動が入ってくるようになりました。
最初よりは良くなりましたが、まだ気になります。
いろいろと試したかったのですが、代車交換となり、この車両はさよならとなりました。
なお、2016モデルの明確に良くなっている点があります。
それは、2015モデルと比較すると、2,000rpm以下のターボラグが確実に少なくなっている点です。
細かな振動が気になりますが、ここは良い点として記しておきます。
◆2015モデルMINI ONE(1.2L) AT
走行距離1万km。
手元に来て数日の代車です。
ガソリンはディーラーにて満タンにしたままです。
この固体は、2,000rpm以下のハッキリとした振動はありません。
2016モデルと比較すると、ハッキリとしたターボラグがあります。
60km以下と限定すると、そこそこ出来の良い実用車です。
何らかの理由で、これにしか乗れないとしても・・・許せるレベルです。(代車なので、今がその時)
◆2015モデルMINI ONE(1.2L) MT
1万kmを走っていますが、振動もターボラグも感じていません。
これはMT起因である可能性が高いと思われます。
振動をどこかで出しているなら、無意識のうちにシフトタイミングを遅らせている可能性があります。
車が帰ってきたら、この点に注意しながら乗ってみます。
この車の場合は、エンジンに不満が無い代わりに、6MTの呪いに悩まされます。
本当に、ここだけまともになれば、名車になるのにもったいない。
F56の3気筒搭載車の味を悪くしている犯人は、6速トルコンATです。
スペースの関係からか、第2世代も搭載していたアイシン製です。
マイナーチェンジ後にでも本命ATが乗るのかも知れません。
少なくとも、しばらくはMTで乗るのが吉と思います。
ただし、このATに関しては注意が必要です。
私は、ドライビングモードを経験していません。
このグリーン(エコ)モードでは、コースティングするようです。
ONEに、これを搭載する事は希かも知れませんが、場合によっては必須オプションとなる可能性があります。
B48(2.0L)は、試乗すらしていませんが・・・
これなら、VW系が良い結果になると容易に想像出来ます。
同時に、MTなら国内販売のハッチバックではトップクラスの味を出すだろうとも予想出来ます。
COOPER S なら、ONEにまとわりつく6MTの呪いがありませんから・・・
でも、COOPER Sの外装がいただけないんです。
機会好きとしては、意味の無いボンネットのダミーは許すことが出来ません。
空力・歩行者安全・デザイン。
全ての観点から、あの穴は許すことが出来ません。
※私は、ドローンの最高速と燃費向上の為の国際特許を出してる空力マニア
自分が乗っていると思うと、恥ずかしくなってきます。
(ONEのオレンジは、恥ずかしくない=マットブラックとビビット切り返しはデザインとして正しいから)
でも・・・乗っちゃうと心が動いちゃうのかな~
※未だに4気筒には、一度も乗っていません
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