[2008年8月掲載]
この当時はバルーンの積載重量が低かったことから、14-24mmなどの優秀な広角レンズが搭載不可能でした。
バルーンよる夜景パノラマ撮影の研究として、D700とWT-4はテスト購入され、結果としては5Dmk2にて実務を行ったという経緯があります。
これ以下の原文は基本的に2008年当時に書かれています。
2012年のD800が発表されたタイミングでは様々な要素がかわっている事に注意してください。
特にソフトウェア起因部分は改善されている可能性があります。
(弊社からは未確認)
2012年2月8日:加筆
WT-4を導入した最大の理由は上空にて設定(ISO・絞り)のコントロールをワイヤレスで実現したかったからです。
夕景から夜景に切り替わるゴールデンタイム。
微妙なトーンを要求される時間帯では1分毎に撮影設定が動きます。
航空写真ナビ・ぐるんパ9・空撮CubicVRの撮影ではマニュアル撮影しか選択肢が無いために大きな問題になります。
この普通の空撮会社では、「難しい」とされる夕景・夜景(日没直後)撮影も、カメラマンがしっかりとしている空撮会社では問題になりません。
経験上、どの設定で撮れる時間帯がベストという基準が確立されているからです。
(0[Zero]の基準ではベストな夜景撮影が可能な時間は1日に20分以下)
この限られた時間に必要なシャッターを切ること・・・
ここまでは簡単なのです。
(このスタートラインに立つには相当なテストが必要)
もっとも、問題となるのがタワーマンションなどの撮影要望にある、「最上階から5階刻みで夜景パノラマを・・・」などへのご要望への対応です。
簡単な解決方法は日没後30分後から撮影開始です。
これなら、均一な明るさで夜景パノラマ画像を揃えることができます。
困難なのが・・・1日に5分しか存在しない、ベストな時間帯での夜景撮影です。
1カットの夜景バノラマなら、簡単です。(撮影は1分で完了)
しかし・・・1つのマンションで10枚のパノラマ夜景撮影を揃えるとなると・・・ もの凄い大変な事になります。
高さを変えている間にも、露出の設定は秒ごとに変わります。
複数の階層を撮影している間に、画像の明るさに統一感が出せなくなってしまいます。
←左上 19:05 右下 19:12
7分間でこれほど明るさは変わります。
これがWT-4の採用で解決できると思えました。
上空で撮影された画像(jpg)を地上に転送し、ヒストグラムを比較しながらシャッター速度をコントロール・・・
露出コントロールが可能になれば、5分しか存在しないベスト時間は10分以上に延ばせます。
10枚の夜景パノラマ画像を、ゴールデンタイム撮影にもかかわらずバラツキ無く列べる・・・
この様な夢のような夜景撮影が可能になるハズでした。
夜景が綺麗に撮れるのは日没直後の10分間。
この間に、タワーマンションの複数の指定フロアにて完璧な夜景パノラマ画像を揃えるにはWT-4無しでは不可能だと思われました。
絶大な信頼を寄せていたキヤノン5Dから、ニコンD700に移行したのはWT-4による無線コントロールがキヤノンには用意されていないことがポイントでした。
上空ではWT-4とモバイルパソコン。さらに「カメラコントロールプロ2」というニコンのソフトを用いて運用されます。
このソフトに致命的な設計ミスが含まれています。
実務ではカメラコントロールプロ2を用いると数秒に一度しかシャッターが切れない
WT-4を必要とするプロは機材運用の知識なども豊富なカメラマンと思われます。
ネットで調べてもWT-4の情報は皆無なので、このページにたどり着くかもしれません。
もしも、カメラコントロールプロ2の存在に魅力を感じ、WT-4の購入。もしくはカメラメーカーの乗り換えを考えているなら、購入前にメーカーに問い合わせることをおすすめします。
恐らく、やりたいことが出来ません。(私たちはそうでした)
PCモードを用いると、撮影された画像はRAWファイルも含めてPCに転送されます。
ワイヤレスで用いると、この転送により次のシャッターは数秒間切れなくなります。
有線モードなら問題にならないのでしょうが無線では使えません。
これが出来ないのです。
ソフトの設計時に、ユーザーの使い方を想定すれば・・・この様な駄作のソフトは制作しないハズです。
今回のニコン導入で純正のRAW現像ソフトの検証も行ってみました・・・
初版の頃から大きな進歩はありません。
こちらも、エンジニア(その昔はアセンブラにてNC制御)から言わせてもらえれば・・・
駄作です。
昔からニコンのソフトは二流と考えていましたが・・・その流れは今も同じです。
操作性の部分は他言語化対応が必要でしょうから触れません。
問題なのは共通となる現像エンジンのアルゴニズムです。
今回の検証までは北京オリンピックでのニコンの使用率の低さが気になっていました。
これだけの、暗部特性なら室内競技は尽くニコンになっても良いのにと・・・
今後に控えているキヤノンの新型5D(将来の1D)では
室内競技で、「ニコンと同等以上の性能が出てくる」可能性があるのを暗示しているのでは感じました。
この前の一週間はキヤノン5DからニコンD700に移行が出来ないかを研究していました。
ニコンがキヤノンと比較して不利な部分はレンズです。
夜景CubicVR撮影に用いるレンズはシグマのマウント違いなので問題になりません。
困るのが昼間に撮影される普通の空撮です。
別にページを制作しますが14~20mmで空撮に使えるニコンマウントのレンズが見つかりません。
一世代前のLレンズである、17-40f4と比較すると使えると思えるレンズがありません。(現行のDX流用まで研究)
ここにきて、WT-4の魅力も半減です。キヤノンにも画像転送のハードウェアは存在します。
2008年8月現在は決め手は無いのですがまもなく答えはでるでしょう。
一度はシステム全体をニコンにと思ったのですが次期5Dの暗部対応次第ではキヤノンにて再構築という可能性も生まれてきました。
話を、本題である夜景に戻します。
現在販売されているニコン・キヤノンのシステムと0[Zero]の車載式バルーンでは複数の夜景パノラマ撮影は完璧にはこなせません。
ペイロードが20kgというクラスを導入すれば・・・
撮影可能です。
0.5段毎に設定を変えた、3セットの撮影システムを用いれば10セットのパノラマ撮影はこなせます。
ただし、この方法は現実的ではありません。(コストと非エコなバルーンが必要)
しばらくは複数の夜景パノラマ撮影は日没後30分以上経過との前提で業務を行うことになります。
25)2015年現在の夜景バルーン空撮の現状
24)2012年現在の夜景バルーン空撮の現状
23)初夜景テスト キヤノン5D MarkⅡ
22)キヤノン5D MarkⅡ導入
21)開発中間報告
20)空撮専用車両の改造
19)WT-4の落とし穴
18)ニコンWT-4導入
17)夜景撮影テスト5回目
16)軽量化 -213.1g
15)軽量化 -27g
14)ニコンD700導入
13)強風対策=尾翼強化
12)夜景撮影テスト4回目
11)夜景パノラマ空撮カメラ?
10)夜景撮影テスト3回目
9)夜景撮影テスト3回目
8)墜落撮影機材の修理
7)墜落撮影機材のダメージ
6)臨時対風テスト=大失敗
5)空力再設計2回目
4)夜景撮影テスト2回目
3)空力再設計1回目
2)夜景撮影テスト1回目
1)世界初のCubicVR撮影を!