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2015年モデル FIAT 500S試乗 マイナー前とは・・・

FIAT 500S シートの背もたれ

FIAT 500Sのマイナーチェンジ後となる2015年モデルに試乗しました。
マイナー前のモデルは、思わずニヤツキましたが、コイツは・・・

いつもの通り、結論から。

少し出来の悪い実用車。
※ヴィッツなどとの比較なら、遙かに良いとも・・・

デザインに拘りが無いのなら、3代目MINI ONEの方が幸せになれます。
契約しました。現在船上移動中
なお、TFTメータークラスター非装着の以前のモデルなら別の話です。
あちらは、中古車としての購入の検討の価値あり。
2013年モデルの500Sの楽しさを100とすると、2015年モデルは20というイメージです。

FIAT 500S エンブレム
代車がやってきた・・・

先週の事ですが、代車として500Sの最新モデルがやってきました。
ここに行き着く経緯は、後日にページを起こします。
ここでは、本題の2015年(TFTメーター付き)の500S(MT)掘り下げていきます。

231万円(500S MT車)
226万円(MINI ONE MT車)
両者はライバルの関係にあると言って良いのでしょう。
後記しますが、500Sは、MINIを強く意識しています。
FIAT500のデビューは、2007年。
MINIの3代目のデビューは、2013年。
最新世代のMINIには、自動ブレーキなども装着可能。
普通に考えれば、MINIの方が有利です。
2013年に試乗した最初期の500Sは、楽しさではMINI以上であったと記憶してます。
ツインエアの独特の癖は、まさにオンリーワン。
最新の2015年モデルには、あれ以上の楽しさが備えられているのかに注目します。

FIAT 500S シフトノブ
静かになって、振動が減ったのは良いことなのか?

走り出しの第一印象。
「静か~」(嫁コメント=普段は、Audi A6)

2013年に試乗しているTFT液晶非搭載の500Sは、走り始めから、「壊れているのか?」と思うような、音と振動に見舞われていました。
その特殊な感じが、500のキャラと混じり合い、ニヤニヤとしてしまった記憶が残っています。
あれは、好きでした。
そして、最新の500Sですが・・・
これなら、多くの方がネガに感じるであろう振動は、無くなっています。
流石に、最新のハイテクエンジン。
本気を出せば、ここまで洗練出来るのですね。
すると・・・過去に試乗している非TFTメーターの世代は、狙って振動を出していたという事です。
音に関しては、コンパクトクラスではトップクラスと評価します。
非ハイブリットのリッタークラスで、これ以上に静かな車は記憶にありません。
楽しさは、大幅に減りましたが、実用性能はアップ。
少し癖はありますが、数分で慣れました。
アバルト500と比較すると、実燃費は1~2割りは優れるようです。(社員談)
燃費優先の車選びなら、これもアリなのかと少し納得。

なお、私ならアバルト500を選びます。

駄目なところは、メーターとシート
駄目なところは、メーターとシート

アバルト500のシートは、MINIよりは劣ります。
少し高いポジションとなりますが、アバルト500のシートは許せます。
今回の主役の500Sのシートは・・・
これは、落第点。
欧州車と限定すると、この10年間で乗った(試乗したり購入したり)車両で、もっとも劣るシートです。
原因は、ノーマルシートの骨組みに「スポーツ」とするために、堅めのウレタンを用いたことに起因すると推測します。
本来なら、柔らかめのクッションで沈み込む前提なのに、沈み込めていない。
あ~ この感覚は過去に経験しています。
159のシートがこんな感じでした。
メーターは、この10年間縛りで、ワースト2位。
反応が鈍い事が大きな減点。
1,500回転付近は、厳密に観察したのに読み取ることが困難。
フォントはスッキリとしていて個人的には好みですが、FIAT500というキャラには合ってないと感じました。
この点は、ファームアップで改善という、過去の車には無い方向からの改善の余地が残っています。

500S ブレーキキャリパ
MINIを意識するのは、どうかと・・・

最初の曲がりとブレーキで感じました。
「コイツは、MINIを強く意識していると・・・」
MINI一族に標準装備されている、走りの方向に走りの雰囲気が近づけられています。
「ゴーカートうんぬん=良く曲がり・良く止まる」という例のヤツです。
過去に乗っている500や、手元のアバルト500(2013年モデル)は、この様な方向ではありません。
2015年モデルから方向が改まったと判断出来ます。

MTですから、ブレーキのネガは無し。(止まる瞬間のコツ)
ブッシュの硬度でも変えたのか、直進を少し犠牲にして曲がりに振っています。
ライバルは、リアマルチリンクまでしてケツの軽さを演出。
こちらは、リジットなのに無理矢理感あり。
背高デザイン+座面高めというMINIとは別方向で基本コンセプトが固まっているに、口当たりのみMINIに合わせるとは・・・
この頃のFIATには、プジョーの様なよろしくない香りが漂っています。
次の500は大丈夫なのか?

念のために、記しておきますが走りに関しては、ヴィッツなどと比較すると遙かにまともです。
アバルト500や最新世代のMINIが素晴らしい事になっているので、文句を言っているだけ。
ここは安心してください。

500S エアコン
試乗は、エアコンONで!

このテストに入るまでは、「シート交換すれば、良い実用車になるな」と思っていました。
社員が、この車を望むなら購入を認める出来にはなっています。
最後のテストとして、エアコンを入れた状態での確認になります。
※私は、冬期の試乗でも行います。
小排気量の攻めているエンジンは、ここでふるい落とされる事も多いところ。
テストの結果は・・・
とても、悲しい出来でした。
平地の巡航速度で、確実に失速します。
まるで、坂を登っているようなパワーの食われ方。
フットレストからは、不快な振動も入ってきます。

2015年モデルは、回転を低く保って燃費ゲームを楽しむのが本筋。
この様な時に、とても不快な車になってしまいます。
例え冬期の試乗でも、エアコンONは忘れずに。
なお、評価はMTで行っています。
ATなら、別の答えが出てくる可能性あり。

500S試乗のまとめ

残念な結果に終わりました。
実用車としては、エアコン作動時の振動が目立つ。
ヘタに常用域の振動を消したことから、希に出てくる振動が気になるという展開になっています。
楽しみ成分は、洗練されてしまったおかけで、非TFT搭載モデルよりも劣る。
新車なのにポンコツ感が漂うという、希なキャラクターだったのに、それが消えています。
少し、「ゴーカートフィーリング」も入った事により、MINIと対抗しようと足掻いているのですが・・
これなら、最新世代のMINIの方が、総合的には優れます。
マイナー前は、振動というネガがありましたが、それによる演出が楽しめました。
2015年モデルは、市場の声を拾って洗練させた方向に進化?
結果としてオンリーワンのキャラを弱めて、「選ばれる理由」を失っています。

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