開発機材を公開するという考えが無かった事から機体画像などが十分残されていません。
			偶然写っていた画像からの切り出しを行い素材を用意しました。
			画質が劣りますが何とぞよろしくお願いします。
			
			
			←2003年7月25日撮影
			開発最初期の空撮CubicVR素材。
			ハイアマチュア向けコンデジにフィッシュアイコンバーターを取りつけて撮影。撮影場所は富士山の麓と推測。
			
			この当時の0[Zero]は、Web制作会社でした。
			Flashを用いたサイト制作なら国内トップと言える技術と実績がありました。
			(某有名企業サイトを専属で制作)
			
			Web制作会社として順調に売上が延びていたのですが、偏った売上比率では将来的に問題になると感じ新たな事業を模索します。
			そこで浮上したのが、空撮分野へのに進出です。
			本社のある山梨は、Web制作会社としては不利ですが、「都内では困難と思われる空撮機材の開発には向いている」と思えました。
			しかし、空撮は新規参入でやっていけるほど甘い世界ではありません。
			新参の会社が入れるような隙間は残されていないと思われました。
			そこで、0[Zero]はWeb制作会社という基盤を生かしWebに特化した空撮を目指すことになります。
			特殊な空撮を専門に行えば新規参入の会社でも入り込む余地はあるとの判断からです。
			
			本業はWeb制作。
			「雨が降った日」「風が吹いた日」などは、空撮の人員もWeb制作を行えば良い。
			普通の空撮会社と比較すると人員が遊ぶことは無い。
			この点は、提供価格の面でも競争力があると思えました。
			(実際は開発などで時間は出来ませんでしたが・・・)
			航空写真ナビの様な、Web閲覧を前提とした空撮で0[Zero]がトップランナーとなれたのは、この様な経緯がありました。
		
			
			機体説明に入ります。
			ラジコンヘリコプターの操縦を覚えるために購入した機体です。
			ホビー用の30クラスの機体です。
			自動車に例えるなら、リッターカークラスに相当します。
			余剰浮力は十分と呼べ無いのですが、無理矢理カメラを搭載しています。
			現在の眼で眺めると、「素人は、恐ろしい事をするな~」という機体です。
			カメラは、コンパクトデジカメ+フィッシュアイという組み合わせ。
			2005年には、フルサイズデジタル一眼レフ+全周フィッシュアイが登場するのですが、それと比較すると画質は大きく劣る物でした。
			ただ、写れば良いというレベルです。
			開発当初はゴルフ場のカートで持ち運べることを想定していたために、「可能な限り小型のラジコンヘリで空撮CubicVRを撮りたい」という目標がありました。
			現在の技術では、この大きさでも十分な画質を得るラジコンヘリの開発は可能です。
			しかし、その当時は大変な苦労がありました。
			
			この機体は、通常のカメラ搭載場所となるメインマスト直下ではなく、キャノピー前方にカメラを搭載する機体のようです。
			恐らく、排気から離し撮影画像をクリアにすることを目的にしています。
			バランスを取るために、重心を後方に移動している努力が見て取れます。
			それでも、重心位置が前寄りとなることから初心者パイロット(私)では操縦に手こずっていたことと推測出来ます。
			この機体には、「コパイロット」と呼ばれる自立安定装置を取り付けていました。
			2013年のマルチコプターで例えると、非常に簡易的なAttiモードでのフライトです。
			この装置は、赤外線を感知して地面と空を判断します。
			これが、水面の近くで使用すると・・・「水面を空と勘違いしてしまいます」
			機体をテストの為に上空に上げたところ、水面に一直線(制御は効かない)で暴走。
			川に流れて、機体は無くしてしまいました。
		
			2004年にはラジコン空撮に用いるラジコンヘリとしてはもっとも一般的な23~26ccのガソリンヘリコプターを採用しました。(複数台所有)
			←この画像では雨の降る中のテストなので暗めに写っています。
			コンパクトデジカメ+フィッシュアイ(右後方カメラ)
			この組み合わせではガソリンレシプロエンジンの振動が入り、画像は褒められたレベルではありません。
			晴れている日には(普通の空撮は晴れですね)、解像度は落ちるものの見られるレベルの空撮CubicVRが撮影可能になりました。
			
			最初期から、「富士山」「雨天」と条件の悪いときに積極的にテストを行うのは0[Zero](私)の癖のようです。
			2011年以降のマルチコプター開発の際にも、この様な基本ポリシーは不変となっています。
			
			なお、雨天でも、その後のバルーンならここまでの画質になります。
			バルーン空撮:岡山県(2007年)
			
なお、同じ場所での3年後のバルーンによるパノラマ空撮画像です。笛吹川河川敷(2007年)
			
			この機体は既にバルーン空撮などへの機材転用の為に廃棄されています。
			←2004年頃の機体。
			
			・振動を少なくするためにロータリーエンジンを搭載(この機体はグロー)
			・重量バランスを取るための前方排気
			・カメラ三台を搭載
			・全てのカメラをカーボン棒にて連結し、カメラ間の水平を確保
			
			
			独自という視線ではもっとも過激な時期でした。
			特殊空撮用のラジコンヘリコプターというオーラが発散されています。
		
			
			2013年11月20日【加筆】
			画像を整理していたところ、2004年当時の貴重な画像が出てきました。
			機体側面には、「Tetra Vision」なるロゴが確認出来ます。その当時の、「エース機」です。
			カメラは搭載していない状態ですのでテスト中の一枚と思われます。
			撮影時には、カメラが真正面に1台。そこから、120°オフセットして2台(右後ろ・左後ろ)を搭載します。
			真上から真下までを撮影する全周フィッシュアイを搭載。
			この機体により、2004年にGoogle ストリートビュー相当のコンテンツを実現しています。
			同年にカイトによる実体化が確認されてるので、世界初の確認は取れていません。
			しかし・・・ラジコンを用いたという前提なら、0 [Zero]が確実に世界初でした。
			なお、Google ストリートビューのサービス開始は2007年。
			0 [Zero]が、このコンテンツの実体化に成功しているのが2004年。
			先見性と技術の高さは、その当時から備えいてます。
			
			機体の排煙に注目して下さい。
			まったく煙が見えません。(画像加工などはしていません)
			グローのロータリーエンジンを搭載し、燃料は自社配合というタイミングと思われます。
			この映像からも、グローエンジンとしては排煙が「無い」と呼べるレベルにコントロールされていることが見て取れます。
			この数年後に、リチウムポリマーバッテリーとブラシレスモーターにより空撮ラジコンは電動に世代交代を行います。
			仮に、リチウムポリマーバッテリーが登場しなかったなら・・・
			この機体は歴史に名を残したかもしれません。
		
			
			この頃に発売されたシグマ8mmフィッシュアイの登場により、空撮CubicVRの画質は一気に向上しました。
			ロータリーエンジンを搭載し、エンジン搭載機としては極限まで落とした振動により画質は文句がありません。
			
			フィッシュアイはその特性から180度の範囲全てが写ります。
			この例では円の上と下で180度。
			つまり、真下まで写っています。
			この機体は真下まで含めたCubicVRの制作のために、レンズを微妙にキャノピーから出すという搭載テクニックが使われています。
			右下の微妙な、「黄色い部分」。ここがキャノピーと呼ばれるラジコンヘリコプターの機体部分です。
			レンズは実際には180度以上が写っています。(十分なテストを行っていますので)
			この写り込みは加工時には問題ないということで、このカメラ位置が選択されています。
			
			これ以降は大きな機材のバージョンアップはありませんでした。
			エンジンに用いる燃料をアルコールからガソリンに切り替えるという程度の改良です。
			
			2007年から、バルーン空撮に参入。
			このタイミングから、様々な機材をバルーン対応に修正する必要がありました。
			このラジコンヘリコプターに用いられていたパーツもバルーン空撮機材に転用したことから、現在では撮影できる状態にありません。
		
			4) 2011年現在のラジコン空撮の世界的な傾向から
			3) EDIUS Pro5(動画編集ソフト) 導入
			2) ヘリ空撮のポリシー
			1) 0[Zero]のラジコンヘリ空撮の歴史