マンション建築現場は、マルチコプタージャマーの格好の餌食です。
マンション建築現場では、眺望撮影と呼ばれる空撮業務が発生します。
この撮影には、クレーン・バルーン・従来型ラジコンが用いられていました。
従来型ラジコン空撮は、墜落の可能性が一定数存在します。
その為に良識のある現場では、クレーンかバルーンを用いるのが一般的になっていました。
クレーンのアームが届く範囲の一般的なマンションではクレーン撮影。
それ以上の高度はバルーン空撮という使い分けです。
2013年頃から、マルチコプターの普及と共にマンション眺望撮影の分野にもマルチコプターが増えていました。
しかしながら、マンション建築現場での安易なマルチコプター採用には大きなリスクを伴います。
・マルチコプタージャマーにより、墜落・暴走が容易に可能
・万が一の墜落時には、死亡事故も想定出来る
0 [Zero]では、マルチコプタージャマーに代用可能な商品の国内販売が確認出来た段階から、マンション建築でのマルチコプター使用の無期限停止に入っています。 [技術解説] - マルチコプタージャマーについて
マンション眺望撮影の実施には、周囲に事前告知されることが一般的です。
それ故に、マルチコプタージャマーの標的になりやすいという特性があります。
これ以外にも、マンション建築現場にはラジコン空撮にとって潜在的なリスクが潜んでいます。
・駅や電車に近い=電波障害が発生しやすい
・幹線道路に近い=違法無線による障害
・周囲に住宅が多い=Wifi起因の電波障害
・周囲のビル=屋上に設置されている電波発生源
・垂直方向へのフライト=地上から妨害電波の観測が困難
・死傷事故の可能性が高い=画質を求める為の機体の大型化
マルチコプタージャマーが無い場合も、通常の撮影現場よりも想定出来るリスクは多くなります。
0 [Zero]では、潜在リスクが潜んでいると判断出来た、以下の様な現場にてテストを兼ねた撮影を実施しています。
No023 : トラブル事例No023 : 変電所付近での電波障害例
No025 : トラブル事例No025 : 都市部での電波障害例
数億円の軍用ラジコンも墜落・暴走する
これが事実です。
旅客機などを引き合いにリスクを説明する場合がありますが注意が必要です。
実機の多くは、二重化というリスク管理がされています。
「エンジンのひとつが止まっても、即時に墜落しない」などが該当します。
動力やコントロール系。操縦者も二重化される事になるので、当然ですがリスクは低く見積もれます。
しかし、ラジコンの多く(市場のラジコンの99%以上)は、主要部品が二重化されていません。
つまり、 重要部品のひとつでも障害を起こせば、即日墜落のリスクは高まります。
0 [Zero]は、マルチコプター参入当時から技術解説にて、様々なテストを実際に公開しています。
莫大な時間と予算を消費し、いきついた答えが、「マンション眺望撮影は行わない」という結論です。