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ボルボ ヒューマンセーフティーの功罪

先日ですがうれしいニュースが入ってきました。
歩行者事故を防ぐ、「ヒューマン・セーフティー」が装着されたS60が国内に入ってくるようです。
そして、このヒューマンセーフティーはV70やXC60などの既存の車種にも採用されるようです。
後記しますがS60の廉価グレードに装着されるオプションのヒューマンセーフティーの価格は25万円。
(内容を考えれば、破格)

いつも通り、独自目線でボルボのヒューマンセーフティを考えます。

なぜ国産メーカーでは無く、ボルボなのか?

今年の最初のページ[自動車の安全性に関して]ではヒューマンセーフティの仕組みを紹介しているYouTubeを掲載しています。
その時にも、「国内に入ってくるのか?」と私は心配していました。

理由はここまで革新的なシステムを最初に装着したのが輸入車で良いのか?という視線から。
日本では法的な準備がされていない事を理由に上陸を阻止するのではないかと・・・

この手のデバイスは日本の得意分野と言って良いでしょう。
価格度外視なら、10年前でも実現出来たはずです。
現在なら、ボルボと同額(25万円)にて、同様なシステムはいつでも実現できるのでは無いでしょうか?

栄誉ある、対歩行者安全システムの最初の栄誉を、国産メーカーでは無いのは問題ではないかと・・・
結論としては私の心配をよそに国産メーカーは安全には興味が無かったようです。
私が予想する、「取らなかった」理由は以下。
・安全に日本人はお金を出さない
・未知の不安

解説します。

安全に日本人はお金を出さない

ここはいつも通り。
多くの日本人は「エアバックがついていれば、安全な車」と思っているのではないでしょうか?
もしかすると、「エアバックなんて、オプションにしてくれれば・・・」とつぶやいてませんか?

環境を・・・などと良いながら、レギュラー仕様のエンジンを積極的に選ぶ段階で友達になれそうにありません。
(環境ならば、ハイオクが絶対的に有利)

未知の不安

まったく新しい、安全装置。
自動車の歴史の中で、ここまで踏み込んだ装備の例はありません。
故に、発売後に、どんなトラブル(ハード・ソフト・法的)が出てくるかわかりません。
場合によってはメーカーにとって致命傷となることすらあり得ます。

「環境」は自分の為。「安全」は他者の為

思い出してください。
自動車メーカーが打ち出している「環境」は主に燃費です。

ガソリンを食わないから環境に優しいんですよ~

これが大義名分です。
実際に購入しているユーザーは「ランニングコストが安いからエコカーを選んだ」
つまり、自分のお財布に優しい(と勘違いして)からハイブリットなどを選んでいると言う事になります。
なお、イニシャルコストについては敢えて触れません。
この層には10年間を通しての費用とリスクを語っても効果は無いので・・・

ポイント
「環境」は自分の得になるから売れてる。

なお、「環境」は自動車自身の寿命やリサイクル時の環境負担に関しても語れるハズなのですが・・・
国産勢や、輸入車でも国産に近い考えの会社では触れられる事がありません。
ちなみに、今回の主役であるボルボ。
私は240を5台買っていますが・・・
この240の内装素材は時代が進むに従って環境に関する観点から材料に修正が入っています。
リサイクルや環境を意識する余り、極端に耐久性が無い年式があったりと・・・
少し環境を意識し過ぎじゃないのかと戸惑った事もあります。
ちなみに、240の最終製造は1993年。
日本人の意識とのズレがここでもわかります。

次は、「安全」
安全に関するイニシャルコストは事故にならなければ意味がありません。
車に限りませんが日本人は安全にはお金をかけない生き物。
生保などが活発な割には自動車の安全には興味が薄いという不思議な人種です。
現在の日本車が出している安全は基本的には、「自分」への安全。
場合によっては搭乗者(セカンドシート以降)の安全も切り捨てるという、成績重視の安全です。
ボルボなどを筆頭に輸入車の多くは搭乗者から車外に安全に関する対象は動いています。
例えば・・・
2004年に購入した、ボルボXC90。
ボルボ初のSUVです。(5年前に売却済み)
この車はフロントバンパーの位置を工夫して、他車のクラッシャブルゾーンを有効に使うなどという工夫がされています。
この工夫は結果としてフロントバンパーの下端を下げる事になる。
当然、SUVらしく無くなる方向に働くのですがデザイナーの力でまとめ上げています。
この当時のボルボに対して、私が酷評をするのはブログもどきではお馴染み。
走りに関しては国産に毛が生えた程度の評価をしますが、安全に関するポリシーは現在の国産勢が及ばない所にいました。
この例でもそうなのですが進んだ安全ポリシーを持っている方は自分の安全よりも周囲の安全に気を使っています。
高価な輸入車に乗っている方は、自分の安全しか考えない方が多いのも日本の特徴でしょう。

本題:新型ボルボS60について

ネット上に情報はありますので、ご自身で調べて見てください。
「安全に止まる」という観点ではドライバーは不要になった言える、革新的なシステムです。
ブログもどき的には・・・
最大1Gの自動停止時の制動力に注目します。
多くのドライバーは引き出す事の出来ない制動力を自動で出してしまう。
ここにもっとも注目します。

普通のドライバーはその車の持っている本来の制動の能力は使い切れていません。
特に路面状況の良い条件ではブレーキが踏み切れていません。
ボルボのアクティブセーフティーをシステムとして考えると、「高速道路での制動距離を誰でも飛躍的に短くする」のが個人的な注目点です。
もちろん、アクティブセーフティ自身の自己抑制力も魅力。
同時に、社員が大規模な事故になるのを防げるのも、同じくらい魅力的。

まったく新しいデバイスですので、制約やトラブルはある事でしょう。
それでも・・・
普通の輸入車よりは安全である事は間違いありません。
安全という観点からは至上最高のコストパフォーマンス。(つい最近までは現行レガシー)

まさに、人柱。
この、皆がさけて通りたい茨の道に歩を進めたのがS60の最大の功

この一点のみでも購入する価値があると思います。

走りについて

C30 P1800E

数年前(FR終了から2000年初頭)のボルボには無視できない欠点がありました。
それは走りが良くない事・・・

ボルボを選ぶときは安全だから我慢するという見切りが必要でした。

走りに関してはV50の頃から徐々に回復。
XC60ではアウディとなら戦えるというレベルまで急速に回復しています。(Q5比較ならXC60を強く推奨)
ボルボが追いついてもアウディは逃げています。(A4の2.0など)
しかし、差は無視できるまで縮まっています。
なお、アウディやメルセデスが追いついたBMWですが・・・
新型の5シリーズくらいから、強烈に引き離しに入っています。
やはり、BMWは走りに関しては別格と思って良いでしょう。
走りに関しては試乗をしてから最終結論となりますが落第点という事は無いハズ。
現行のV70と基本は一緒。
最低でもV70と同等は備えているので、落第はあり得ません。

なお、昨年購入したC30 R-design購入時の社内の評価。
一般道を走る限りはA3 2.0TFSIよりもC30

ボルボの走りは確実に良くなってきています。(当たりとハズレのモデルは混在していますが・・・)

内装

XC60 黒内装

ここは世間の認知度は低いですがアウディとボルボはイコールとなっています。
XC60以降は「ドイツ車の平均値よりも高い」が私の評価です。
S60で、アウディを追い越すというパターンもあり得ると思っています。(安価なMBは既に追い越している)
また、このS60からはナビに大幅な手が入っている様子。
もしかすると、内装では実用車NO1の地位にS60を置く可能性もあります。

燃費

ここはボルボが伝統的に弱いところ。
ここが弱いのも、ボルボとスバルが近いところ。
小さいメーカーの鬼門ですかね?

試乗後に最終判断となりますが1.6Lの直噴エンジンは期待大。
スペックだけ並べると、アウディの1.8Tと良い勝負。
S60はデュアルクラッチ採用なので、この点でも有利。(A4 1.8TはCVT=このCVT。私はキライじゃ無いけど)

320は素晴らしいの一言。
乗ってはいませんがコンセプトからして悪い車になるはず無し。
次のモデルチェンジで3シリーズは名車になると予想します。

これらのライバルと比べるとCクラスのエンジンは周回遅れになってしまった感があります。
厳密に比べていませんが省燃費と言うには圧縮比が低すぎます。
直噴ターボに関してはやはりVW勢の方が進んでいる。

エンジンに注目するべきボルボなど、私の記憶には無し。
S60 1.6の圧縮比を調べて見てください。

生き残れるか?

A4・320・Cクラス
車格から考えると、ゴルフクラスよりは上。
主戦場は欧州Dセグ(プレミアムC?)。
ここは蒼々たるメンバーが集う、輸入車のメインカテゴリ。
どこの車も、「しっかり」
買ってはいけないというの車は一台もありません。

今回の主役であるS60はこのセグメントの主役とは言えません。
初代である先代はマイナー車のひとつと言って良いでしょう。

C5や159なども、同じ棚に置く「ハズした選択」
事実として、C5や159などは車はとても良いのに、日本で売れない代表格。
どちらも、とても良い車なのに残念な輸入車です。

激戦区。
ここで生き残れるのか?と問われると・・・

成功できる可能性がある、初めてのボルボと言えると思います。

ボルボは過去に850で成功しているじゃないか・・・と言われるかも知れませんが却下。
確かに商業的には成功と呼べるのでしょう。
しかし、850は決して褒められた車ではありません。
偶然ワゴンブームに乗っかって、間違えて売れてしまったという車です。
FR時代のボルボのファンとしは失敗作と呼んでいます。
確かに売れましたが私は認めない車です。

私も認めて、商業的にも成功する可能性がある初めてのFFボルボ。

まとめ1

さてライバルとS60をカタログスペックのみで比較すると・・・
S60の圧勝という結論しか出せないというのが実情です。
価格・エンジン・ミッション・安全装備。
(デザインは好き好きなので除外)

乗っていないので確定は出来ないのですが心底「欲しい」と思える久しぶりのボルボです。
これなら、試乗もせずに予約しても良いかもと思えます。

いつも通りですが自分の車にするには慎重に。
(後悔するのはイヤ)
しかし、社員が乗る車としては現在の選択肢のオンリーワン。

こんな車が出てくるなら、C30は買うんじゃなかったと・・・少し後悔。

ボルボS60の罪

ここからがブログもどきか?

輸入車を購入する理由の一つは、「安全」です。
国産車よりも安全に関するポリシーが高いのは紛れもない事実。

この安全を、高価な新車を購入する際に、周囲に説いている方は多いはずです。
この重要な安全という観点からはS60から別の世界にワープしてしまっています。
ガソリン車と電気自動車くらいの隔たりがここにはあります。

今までのいかなる市販車も、この点に関して文句を言える車はありません。

さらに、S60は安全以外の部分の魅力も十分に高い。
外装デザイン・内装・燃費・走り・価格。
少し古めのボルボが備えていなかった多くの重要なスペックがドイツ車標準に追いついています。
一部では追い越したとも言えます。
値段とスペックを並べると、「ハッ」とします。
それで、内装の質感はBMWよりは確実に高いと来ました・・・

何を言いたいかと言うと・・・

S60に気がついてしまうと、それ以外の車が買えない。

これが最大の、「罪」です。

S60が打ち出したのは歩行者の安全確保。
それも、かなり現実的に有効。
この様な優れたシステムがあるのに気づいても、別の車を買うなら・・・

「私は歩行者などどうなっても良いと思っています」と言っているのと同じになります。

大人が車を選ぶ上で、エゴは当然。
私自身も、40年前の車を足にして、環境問題に背を向けています。
そして、リスクを承知した上で、自分の安全を投げ捨てています。

何かあっても、担保にしているのは自分の命。
責任の取れる大人の判断なら、これは有りでしょう。

ボルボS60が担保にしてきたのは他人の命。

これを投げ出して良いとは・・・
少なくとも、真っ当な人間は言い切る事が出来ません。

S60が走りや、燃費面で、他よりも大きく劣るなら、「でもね・・・」と言えます。
こちらも、ドイツ車水準か、場合に寄っては上回る。
ならば、価格はとなると・・・
Cクラス・3シリーズ・A4の、廉価版よりも安価。(オプションであるヒューマンセーフティを計算に含んでも)

320は考えるに値する燃費性能があるので、迷って当然と思います。
しかし、A4の1.8T(CVTのクセがある車)を選べますか?
繰り返しになりますがS60なら妥協して安全を取ったという惨めな思いをしなくて済みます。

競争によって技術は進歩する物。
早急に、S60以外の歩行者安全デバイスを備えたライバルが登場することを切に願います。
そして、国産勢を含めて他社が早急に参入するために、S60は売れまくる必要があります。
有言不実行はいけません。
常に安全を説いている私は当分はボルボ以外が買えなくなりそうです。
少なくとも、都内で利用する奥さん号(ブログもどきでは良く扱うネタ)はボルボ以外の選択肢が無くなってしまいました。

ヒューマンセーフティ装着のボルボ以外は買えないというのは大問題。

コラム:自分の子供の話

私は4人の子持ちです。
2~7歳の小さな子供です。
自宅兼事務所の敷地は旧三桁国道に面しています。
数年に一回は子供が跳ねられたというニュースが耳に入ります。
知人などの関係者で、歩行者として交通事故で亡くなられた方も数名います。

昨年の事なのですが友人(保育園の父兄)から・・・

「お宅の○○ちゃん。道路で惹かれる寸前でしたよ~」という通報がありました。
どうやら、大好きなおばあちゃんを近所に探しに出かけて、その際に惹かれそうになったようです。(当時4歳)
本当にギリギリだったようです。
現場に居合わせたという複数の方から報告がありました。
まさに、九死に一生を得たという状態でした。

自分の子供を含め、すべての方が不幸な事故で亡くなるのはさけたいです。
この様なリスクを、圧倒的に低減する車。
これを、知って選ばないという選択は私には出来ません。

なお、トライクは私が大嫌いな乗り物。

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