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さようなら116 初めての、「しごき」試乗

BMW116 売却寸前

社用車のBMW 116i(平成17年初年度登録)はもうすぐサヨウナラです。
4年半のお付き合いとなりました。

4年前はブログもどきが始まっていなかったことから購入時の試乗記は無し。
試乗といっても、私のメイン車では無かったことから最低限の試乗しかしていません。
しかし、この1週間は私の車として過ごしました。
納車前の最終チェックも含めての長期試乗となっていました。

納車日と決まった為、最初で最後の、「シゴキ」試乗を行ってきました。

車が「ビシッ」としている。新車の時よりも、今の方が好ましい。

BMW事故歴について

車種:BMW 116i
走行距離:53744km(2010年1月4日現在)
車検:平成22年6月
事故歴:有り
オプション:キセノンライト・レザーハンドル・純正17インチホイール(PP2 6分山)

中古車の116として、ありがちな個体です。
結論から言いますと・・・
非常に良い車でした

116の欠点として、直ぐに上がってくるのが「パワー不足」
私も、新車購入前にそれは感じていました。
今日までのコメントも、「116は力が足りない」です。
購入後(走行1万kmくらい)に、そこそこ「シゴキ」をしたのですが・・・
反応の悪いATと、絶対的なパワー不足から、良い印象はありませんでした。
ところが今回の1週間の試乗で印象は変わりました。
エンジンパワーは小排気量といっても、BMWの看板を出せる出来。
とても綺麗に回ります。
タイムを計測した訳ではないのですが早くなっているような気がします。

なによりもATがスムーズになっていました。
路面からの当たりは16インチから17インチになっても、非ランフラットの装着です。
こちらも、気持ちよく当たりがついていました。
試乗中に常に感じたのが「ヤレ」が来ていないこと。
A3は反対に「ヤレ」を感じています。
BMW116は足回り・エンジン・ブレーキ・内装・外装の全てが一級品のままでした。
中々少ないかと思いますが・・・20年で、40万kmを走り切れそうな車です。

また、「クリス・バングル=優秀な実用車のデザイナ」
この再確認も出来ました。
・リヤドアの形状(となりの車と干渉しにくい形状且つ、着座位置からの視覚確保)
・四隅の見切りの良さからくる駐車などのやりやすさ
・洗車のやりやすさ(例の逆バンクの側面は手に馴染む)

ブログもどきではデザインに関してはとやかく言わないというのが基本スタンスです。
デザインに関しては主観的な要素が多いことから、他人はとやかく言わないのが基本と感じるからです。
過去に、クリス・バングルのデザインに関してはこの様にコメントしています。
「実用性は認めるが好きではない」
1週間の試乗で、彼の偉大さはイヤと言うほど感じました。
バングルBMWは好きな車ゾーンに入りました。
BMWがE36の頃の様なしなやかな脚をもっているなら、バングルBMWの大ファンになったことは間違いありません。
今後のBMWが「バングルの実用性を残しつつ進化」するのか、
「バングルのデザインエッセンスのみを残してモデルチェンジ」するのかによって、私のBMW好き度は変化することになります。

「しごき」試乗

BMW116 荷室

1週間の試乗を既に行っています。
大体のクセは掴んでいるので・・・
試乗開始5分後に、高速域からのフルブレーキングテストから入りました。 ブレーキを踏むと・・・
非常に細かいABSからの振動がペダルに入り、間髪入れずに室内に突風が巻き起こりました。
原因は車内清掃の際にシートロックをしていない為。
ブレーキと共にシートが倒れて、車内に突風が吹いたのです。
※納車前の室内清掃を行った、嫁がロックをしていなかった。

このシートが倒れた事に気が付いてのは車を停めてからです。
このフルブレーキング後も、「シゴキ」試乗を続けていたのですがシートが倒れたことに最後まで気が付きませんでした。
ここにひとつのポイントがあります。
車によってはシートを畳むと挙動に現れる車があります。
初代TTや、A6オールロードクワトロが該当します。
とくに、初代TTは高速安定性が少なからず落ちたことを記憶しています。
116が偉いのはこの倒れたシートを私に気がつかせなかった事。

シゴキレポートに戻ります。
何年か前に、1ヶ月試乗した323(E90前期)よりも、遙かに良くできた車です。
足回りに変な段付はありません。
DTCが介入すると、「ぐにゃ」として力が抜けてくるのが気になるポイントです。
もっとも、横滑り系を解除すれば、その限りでは無いので欠点とはいえません。
なお、公道で普通に走っている限りは介入速度には達する事はありません。
今回の試乗では・・・念のためDCTはカットしていません。(納車前に潰すわけにもいかないので)

感心するのがブレーキ。
街中では、「カックン」にならずに、必要な時に必要な制動力を生む・・・
実用車として、最高クラスのブレーキです。
ただし・・・
シゴキ試乗は30分以内だったのですが試乗後は前輪のホイールが真っ黒けでした。
こんな事を頻繁にやっていると、あっという間にパットは無くなることでしょう。

普通に走っていてもそうなのですが4年・5万km経過で、この、「味」は素晴らしいと言えます。
ハッキリ言って、新車の試乗時よりも、今の方が良い車になっています。
メインとして乗っていた社員も「シゴキ」を日々やっていたと思われるので・・・
このコンディションを保っているというのはBMWの地の力なのでしょう。

ただし・・・
BMWは常に言える事なのですがオーナーの乗り方で、車のコンディションは大きく変わります。
私のところの社員は、「キッチリと踏み切っていた」事が今回確認出来ました。
エンジン・ミッション・足回り・ブレーキの全てが新車よりも好ましいフィーリングになっています。

具体的なダメなところ

BMW116 荷室

繰り返しになりますがヤレの少ない車です。

運転席側のエアコン吹き出し口。
樹脂に混ぜているガラス繊維?がハッキリと見てとれます。
別の吹き出し口は問題なかったりもするので、製造品質の低さと言えると思います。
この116に限らず、BMWはエアコン吹き出し口の樹脂成形物がキタナイというイメージがついています。

BMWと直接は関係が無いのですが板金修理の際のリペイントが問題です。
正規代理店の板金屋の社長さんの話を、そのまま飲み込むと・・・
公式なリペイントの道具に無理があります。
日本ではどんな優秀な職人が担当しても、満足な仕上がりが期待出来ないと言って良いヘマをやらかしています。
これに関してはBMWの社員以外の話し(指定工場の社長さん)ですので、話半分で聞いて置いて下さい。
現在のBMWの板金塗装は・・・
特に縛りが無ければ、指定工場以外が「吉」

BMWをファーストカーに出来ない理由

BMW116

このページではBMW116を褒めています。
5年以上前(E46のMとか・・・)はキライなブランドでしたがこれなら欲しいです。
しかし・・・ファーストカーには出来ない車です。

116に限りませんがBMWは一般道・高速道路を問わず「真っ直ぐ走りません」
メルセデスEクラスの試乗記などでも述べていますが締め上げているFRである以上、この点は覆せない物理特性です。
メルセデスは不感帯を設置し、高速走行に対応。
BMWはこの点については無視。
現に、売れているのですからBMWの判断に突っ込むことは出来ません。

日々、山岳高速を利用していると、「この人は上手だな~」と言う方はFR意外に乗っていることが多いのです。
一昔前なら、レガシー。
今なら、アウディと言えると思います。
(アウディは・・・ここ2年の首都圏という括り)
メルセデスは路上の9割以上がフラフラ運転。
走りに拘りが有りそうなBMWのユーザーも、同じような物です。
結局は高速安定性が悪いことがBMWをファーストカーに出来ない理由です。

おまけ
年に数回、上等なBMWユーザーに出会うことがあります。
・ハンドルの切れ角は一定。しかも、コースのいいところを攻めている。
・普通の方なら、アクセルを戻す様な状況でも、積極的に踏んでいる。
・「一生懸命」の速度域で、永遠と走れる。(例えば、2時間以上)

この、「上等」なユーザーさんが乗っている車に偏りがないというのがBMWの特徴です。
例えば・・・アウディなら、S3(初代)A3の3.2、RS4とRS6が「上等」なユーザーが多い確率が高い。
S4は必ず「ハズレ」TTはほとんどハズレ。
メルセデスは全て「ハズレ」
BMWの場合は3シリーズ・5シリーズ・7シリーズの区別無しに「上等」が入ってきます。
ベースモデル(320)などにも、当たりが点在。
少し脱線しましたが・・・
この、一部の、「上等」なBMW乗りの方と一緒に走るととても勉強になります。
高速運転に一本筋の通った方が多い為・・・
増速のポイントとか、独特のポリシーとか・・・
長距離出張の箸休めに使わさせてもらっています。

本題に戻ります。
BMW116はとても良い車。
一台を長く乗りたいと願っているなら、A3よりはこちらを推奨。
つまり、新車のゴルフより、中古の116を推奨。
今は少し寂しいですが3年で満足感は逆転します。

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