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Eクラスはレンタル会社に返しました。 長距離レポートのまとめとなります

Eクラス

E300ステーションワゴンはもらい事故の代車として出ていた車です。
A6オールロードクワトロが修理完了しましたので、レンタル会社に返すことなりました。
長距離試乗の内容をまとめます。

◆試乗データ
試乗車 : E-CLASSステーションワゴン E300 ブラックレザーシート装備
試乗日 : '07/8/29~10/4
走行距離 : 約7,500km
試乗コース : 高速(80%)
備考 : 途中までは月に10,000kmペースで距離を重ねてましたが9月後半の天候不順による撮影業務の延期により、この距離に収まりました。

まずは答えから!

Eクラス燃費

私の使い方(高速メイン。月に10,000km走ることも・・・)では以下がメリットでした。
 ●100km巡航が楽に出来る

この項目ではA6オールロードクワトロよりも上です。
これはオートクルーズでも通常の走行でも同じです。A6はずっと早い所に快適なゾーンがあるために100km程度では逆に疲れてしまうのです。
また、100km以下での助手席の快適性もEクラスの方が上回ります。
と、言うことは・・・
使用のメインは一般道。高速道路では100kmで走るなら、Eクラスの方が正解と思ってもらって構いません。
燃費は同クラスのアウディとBMWは劣ります。恐らく、BMWとは2割程度の差が付きます。

2009年9月加筆

A6オールロードクワトロは純正装着タイヤを交換し劇的に100kmが快適になりました。
W211と比較するとARQが劣っていると感じた速度域では同等となります。
'09/04/30 やっぱり車はタイヤで決まる! プライマシーHPその後

悪いところ その1 内装の品質はAudiに劣る

メルセデスの内装は良いとは言えない

雑誌などで、「ベンツの内装品質を見習って・・・」などとコメントを書いているライターさんがいます。
彼も仕事なので責める事はやめましょう。
しかし・・・彼も、その雑誌も信用してはいけません。
「品質が上がってきた」ハズの'07モデルのEクラスでもこの程度です。
この画像はキヤノン5Dで露出優先・評価測光で撮影し、RAW画像をフォトショップCS2に噛まし、オート設定で焼いた物です。(つまり・・・私の意志は入っていません)
ご覧の様に、ハッキリと樹脂の色が違います。
違うのはこの場所のみでしたが問題だと思います。

※この様な状態ならクレーム交換も可能でしょう。ロットでこの様な事になっている可能性もあります。マイナー後のオーナーの方は一度チェックしてみてください。

内装に関してはアウディの品質への取り組みは執念と呼べます

新型TTのエアーベント(吹き出し口)は初代TTと比べると非常に安っぽいタッチでした。(あくまで、比較対象が初代TT。普通の車よりは遙かに良い物です)
私はこの点から最近のアウディがコストダウン方向に進んでいて心配と思ってました。
この、問題のエアーベントは最近の個体では改められていました。
完全と言えるレベルでは無いのですが大幅な改善です。(これにより、購入の可能性が出てきました=燃費の良い営業車として)
こんな手触りと呼べるところまで、アウディは常に改善が入っています。
昨年発売された車が既に対策されているのは非常に良いことです。
ただし・・・これは本国の仕事です。BMWの様に日本からの働きかけをアウディに見出すことは出来ません。

悪いところ その2 エアコンのプログラム

Eクラスの内装

この画像は内装のクオリティが低いよ・・・の為に撮った画像です。
エアコン関係の説明に妥当な画像が無かったため、これを使います。
脱線しますが・・・内装品質は低すぎですね。
ダッシュボードと吹き出し口の成型品のRが一致しないことから、この様な段差が生まれます。
私が設計者なら・・・図面を引いている段階で気が付けます。(他社の設計者は気が付きます)
金型レベルの話なので、マイナーチェンジくらいでは改善出来ない所です。
もしも、アウディでこんなことになったとすると・・・担当者はサヨウナラで、金型は作り替えになることでしょう。

さて、本題へ
これはこの車のみの現象かもしれないという限定条件が付きます。
走行中に、強制的にクーラーがOffになることが複数回ありました。
もちろん、Autoになっているのですがファンモーターの音ばかり大きくなり涼しくなりません。
9月はまだまだ暑いですから・・・これには困りました。
一度、Offにして、再度Autoにすると治る事がわかったので、現象が出てくるとこの様な対応をしていました。
また・・・ブロアーモーターの回転もAutoでは常時高めでした。
屋外が20度くらいの条件でも、ブロアーモーターが激しく回ります。4段階中の上から2番目くらいの強さです。

また・・・ブロアーモーターが激しく回ったときのフィンの風切り音が大きすぎます。
フィンの角度によっては不快と感じるレベルです。
アウディではこういう事はありません。(当然テストをしているのでしょう)
なお・・・ベンツでは新型のCクラスでも全く同じ(Eクラスよりも酷い)状態でした。
キチンと検証して修正をかけないというのは現在のベンツの品質の様です。

※エアコン吹き出し口の段差はクレームでは治りません。金型レベルから狂っているので改善は不可能です。次回の買い換えの際の参考にしてください。

BMWは国内向けに拘りが・・・

現行の3シリーズは乗る度に脚の味付けがかわってきています。
最初にデビュー当時の320に試乗しました。
恐らく、本国に近いか、本国の脚です。
動きたがらない最近のBMWの脚にあわせた好ましい味付けでした。(私はこの時の味が好き)
次の年に乗ると・・・当たりが柔らかくなっていました。
日本を普通に走るには快適になっていましたが攻め込むと途中で段付となるバンプストッパーに驚いた物です。(マーケ的には狙い通りの脚か?)
この様に、日本というマーケットに照準を絞って常に改善を本国に持ちかけているという雰囲気を感じています。(良いか悪いかは別問題ですが頑張ってはいます)
デビュー前の1シリーズのオープンがテストドライブを見掛けたときも、熱い日の日中でした。(甲府は全国の最高温度を記録することもあるので、暑さのテストには良いのかもしれません)

悪いところ その3 ナビ

Eクラスのナビ

これには泣かされました。
まじめにナビを使い倒そうとする人にはどうしようも無いナビです。
もしも・・・Eクラスを購入する場合は別にナビをもう1台取り付けます。(純正入替はリスクが高すぎる)
ダッシュボードの上面が空いているのはそれを想定しているからか?

なお、A6のナビも決して使いやすくはありません。
そのナビを100とすると、Eクラスのナビは20くらいの評価となります。共にDVDナビですがEクラスのナビは情報量(道)が少なすぎます。田舎の道の切り捨て方が尋常ではありません。(県道レベルの切り捨ても見受けられました)
あった方がマシというレベルです。
EクラスやA6ほど使い倒しはいませんがBMWの5シリーズ(悪評が高いですが)の方が良いかもしれません。

その他のトラブル

●十分なテストをしていない。
●市場からのトラブル報告に耳を傾けない
こういう企業体質はここでもわかります。

←シートベルトです。
運転席の・・・

出先で、これが使えなくなったらどうしますか?
今回の長期試乗で実際に体験しました。
場所は一番近くのコンビニの駐車場にてです。
現象は・・・
1):コンビニ行き、駐車場に車を止める
2):コンビニで買い物をする
3):車に乗り込むとシートベルトが出てこない
4):途方に暮れる
5):とりあえずシートベルトをしないまま走り始める
6):車から、「ベルトを付けろ」と怒られる
7):焦る・・・
8):しばらくするとベルトが出てきた!

原因は横方向に傾斜している駐車場に原因がありました。
この時にはベルトが出てきません。(昔の車はこんな感じですね)

シートについて その1:シートの固さ

今回の長期試乗では私とカメラマン(30代男性)がメインの使用者でした。
このシートについては私のみの私見です。カメラマンはシートとの相性が良かったようです。

Eクラスのシートでは今までに経験したことがない評価が入り乱れるという不思議な経験をしました。
第一印象=少し悪い シートが固すぎる
走行300km=悪い 「疲れが早めに出てくる」
走行1,000km=少し良い 「疲れなくなってきた」
長期試乗の翌日=もの凄く悪い 「痛みが一週間残る」
それ以降の長距離走行=良い 「腰痛なども出てこない。痛みも出てこない」

不思議な経験でした。
私は腰痛持ちの為、自動車のシートには格別の拘りがあります。
ボルボにアウディのシートをつけていた(たぶん・・・20万kmくらい走っています)という逸話からもわかって頂けると思います。
その様々な経験から言うと、一度ケチがついたシートが良かった事はありませんでした。
今回のEクラスのシートがその初めての例になりました。
最初の長距離試乗後に発生した、背中の張り(一週間つづく)は二回目以降の長距離試乗では出てこなかったのです。
もしも・・・Eクラスを3日間借りて、1,000km程度の長距離試乗をしたと仮定すると、私はEクラスを買うことは絶対に無かったでしょう。(仕事になりませんから)
7000kmにも及ぶ試乗が出来たからこそ、「ベンツのシートなら何とかなる」と言う結果に行き着きました。
シートとの相性は人それぞれです。
軽めの体重(60kg前半)では基本的にこのシートでは固すぎのかもしれません。
もしも、シートの固さに起因する背中の痛みが発生したなら・・・諦めずに乗り続けてみるのも一つの方法かもしれません。

シートについて その2 シートベルト警告

都内出張の際に、こういう事がありました。
ノートパソコンを入れたアタッシュを助手席に起きました。
そのアタッシュの重量で、シートベルト警告が出てくるのです。
しばらくすると、収まるのですがエンジンを切る度に怒られます。
まだ、試乗の初期の頃であったため、「さすがベンツ。アタッシュは危ないからトランクに置きなさいと言うことなのか!」と勘違いしていました。
この会社が十分なテストをしていないことがわかった今となっては・・・・ビジネスマンが助手席に重めのアタッシュを置くことを想定しなかっただけだと思っています。
他の会社(アウディ・ボルボ・BMW)では同様なことが発生しませんでした。
これも、過去最悪とされる現行のEクラスだから・・・ですかね?

まとめ

7000kmを超える距離を1ヶ月で走りきりました。
雑誌などでも、最新式のEクラスをここまで鍛え上げる事は少ないでしょう
その事から、わかったことは「良い車ではない。しかし、悪すぎる車でもない」
全般的には悪い所が目に付きました。

私も、仕事の立場上(IT企業の社長の車・・・)として、この車が必要と言うことならば買う可能性があります。
2007年に買うとすると・・・CDIのみが選択肢となります。
私の用途(走行距離ほとんどが高速道路。さらに田舎に住んでいる)では環境面ではNOxよりもCO2を重視する用途です。この選択肢のみしかありません。
もちろん、都内限定の営業車なら・・・ボディは大型、エンジンは中型のガソリンエンジン車にします。(都内でディーゼル選択は関心できません)

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