今回は発売前の車両を取り上げる事から写真は無し。
お題はまもなく発売となる「ハチロク」
まずは結論から。
「とても、めでたい」
いつも通り、ブログもどき的な目線で、トヨタの転換点を考えて見ます。
オーナーさんには申し訳ないのですが・・・
CR-Zは、「かっこ悪い」と思いませんか?
CR-Zはボンネットがどう考えても厚すぎる。
あの、重々しい雰囲気がキライで興味はあっても試乗まで入れない方はいませんか?
CR-Zのデザインがとっちらかってしまっていのは歩行者安全に対応する必要があったため。
21世紀のスポーツカーとしてはエンジンとボンネットの空間に余裕を取らないと成立しなくなっています。
・MRもしくはRRで解決
・車両サイズを大きくして誤魔化す
・ボンネットが厚いことをデザインとする(シングルフレーム)
・エンジンの高さを下げる
歩行者衝突安全を確保してスポーツカーのデザインを成立させるには以上のような方法があるかと思います。
CR-Zではアウディのワンフレームの様な手法で、厚くなってしまったボンネットを誤魔化そうとしているのですが・・・
結果としてはよろしくない物になってしまっています。
アウディなどはその昔からスカットルが高い事が特徴のメーカーです。
ホンダは逆に、スカットルが低いことを売りにしてたメーカーです。
※スカットルとは・・・グーグル先生に聞いてね!
ブログもどきでは初代TTのデザインの優秀さを何度か称えています。
ベースはゴルフ。
普通にデザインすると、「かっこ悪く」なるはずの実用車ベースのボディを、如何にしてデザインとしてまとめるか・・・
スポーツカーに見えるのに、それなりの実用性もある。
アウディは縦置きFFが特徴。
このデザインし難い代物を手なずけているメーカーです。
この点ではホンダと歴史が違います。
CR-Zのデザインがとっちらかしたのは・・・
ホンダがスカットルの高いデザインをつくり慣れていないから。
CR-ZやTTと近い車で言うと、プジョーRCZが思い当たります。
あれはTTなどと比べると凝縮感が無い。
そこで車両サイズを見てみると・・・
Audi TT(初代) | HONDA CR-Z | Peugeot RCZ | ハチロク | |
全長 全幅 全高 |
4,041mm 1,764mm 1,346mm |
4,080mm 1,740mm 1,395mm |
4,287mm 1,854mm 1,359mm |
4,240mm 1,775mm 1,300mm |
同じ様な立ち位置ですが面白いですね~
初代TTの全長でスポーツカーに見せているのはやはり凄い。
ウェッジシェイプにしなくても、「動」は表現出来るという良い例です。
ホンダは良く「攻めている」のはわかります。
実用性(頭上スペース)をある程度確保してスポーツカーにという努力は認めます。
プジョーは・・・
他の会社の、「かっこ悪い車」の研究が良くされているのが手に取れます。
FF車がベースで、歩行者衝突安全に配慮しながらスポーツカーをデザインするにはこうするしかないと言えます。
厚くなるボンネットを誤魔化すには、「長くする」のが最適な方法です。
ここ数年のプジョーのデザインが迷走していたのを止めたのはRCZであることは間違いありません。
一部では優秀なデザインとされていますが・・・
個人的には認められない車です。
横から眺めるとTT。
後ろから眺めるとケイマン。
以下はデザインのみの評価 (ブログもどきでは非常に珍しい評価項目)
TT:99点
CR-Z:45点
RCZ:5点
ハチロク:70点
このページを書いている段階ではプロトタイプが既に発表されています。
外観に関しては市販車と同等のハチロクが見れます。
この画像の第一印象・・・
格好いいじゃ無いですか!
これに尽きます。
どの方向から眺めても、スポーツカーに見えます。
LFAとの繋がりも感じさせる。
現在のFRスポーツ車としては例外的にボンネットが低く見える・・・
ブログもどき的には本題に入ります。
ボンネットを下げれたのは水平対向エンジンのお陰。
ジアコーザ式FFベースでは不可能なレベルまでエンジン高を落とせます。
トヨタとしてはマイルストーンとなる可能性のある車種の製造をスバルに任せた最大の理由がここにあります。
例えFRでも、トヨタがつくるとCR-Zの失敗を繰り返す事となった。
スバル単体では数が出ない。
トヨタではこのデザインでつくれない。
故に、スバルからトヨタへという、不思議な車が誕生することになりました。
「水平対向エンジンはそれほど重心が低くない」
一部にはこの様な声も聞こえて来そうなのでフォローします。
あくまで、エンジンの全高が低いがポイント。
重心高に関しては今回の様なデザインのみを取り上げるしかない発売前の段階では除外するのが当然でしょう。
使い道が少なくなってきたスバルの水平対向エンジンを活かすことが出来るのがハチロクと考えましょう。
(スバル嫌いはトヨタ好き?)
トヨタはLFAを発売し、ホンダはNSXを控えた。
リーマンショック以降のメーカーの戦略には大きな差がありました。
ホンダは体力温存(ある意味じり貧)
トヨタは当初の計画通り事を進める(コンセプトが間違っていないなら正解)
世の全てに同じ事が言えるのですが流行は移ろう物。
車も・・・角張ったり、丸くなったり、目がつり上がったり・・・
RV→ワゴン→ミニバン
自動車メーカーが誘導する「流行」はこの20年でこの様な流れでした。
売価の高い商品に誘導。
その後はさらに利益が出せる方向へ・・・
結果として、ユーザーが車から離れて行った。
2011年現在は、「ミニバンで行き詰まった」というのが国産メーカーの状況です。
この先もミニバンを売り続ける為に、一度リセットする必要がある。
それがハチロクの使命です。
目論見通り、ユーザーが車に興味を示してくれれば成功。
仮に失敗しても、「スバルがやった事」
仮にハチロクが成功したとしても・・・
トヨタからは2L以下のスポーツカーは出さないでしょう。
それはどうやってもハチロク以上に格好良くならないから。
可能性があるのはハチロク以上LFA未満。
つまり、21世紀のスープラのみ。
あちらはボンネットが厚くなっても・・・
「デカイエンジンがイイ~」という層がターゲット。
さらにもう一つ。
2012年の春にハチロクは発売。
2012年の初夏に新東名(御殿場~三ヶ日)開通。
この計画性の良さ。
本当に勉強になります。