既に、皆さんも活用されていることと思います。
高速道路1,000円!!!
本来は無料にするべき・・・とかいうお話しもありますがそれは置いて話を進めます。
ここでは敢えて10年後に高速1,000円がどのような影響を与えるかを中心に考えてみます。
←私は・・・
GWの末に、この高速1,000円を活用して高知に行ってきました。
途中下車をしていることと、名神の大都市区間を含んでいることから、純粋に1,000円ではありません。
しかし・・・いつもより高速道路料金が安いことには変わりありません。
外車の率は確実に上がる
具体的にはFFとAWDのそこそこのボディサイズの外車率が上がると予言します。
アウディ=大きく増
VW=微増
BMW=微増
メルセデス=増
ボルボ=増
プジョー=増減無し
シトロエン=増
ルノー=増
アルファロメオ=微増
フィアット=増
アメリカ勢=変わらず
軽自動車=増
トヨタ=増
おかしいですね?
各社を平均すると微増になるハズです。
これでは計算が合いません。
詳しい理由は後ほど書きますので話を進めます。
これらの車の比率が増えるのは「高速でまともに走る事が少しは注目される」事に起因します。
今回の1,000円は2年間で終了の予定ですが・・・
その日にきっぱりと元には戻せないと推測します。
景気の戻りが悪い場合は現行のシステムで1年延長。(さらに、延長も・・・)
景気が予想よりも良くなっている場合でも、他の割引を新しく企画して、急激な変化を嫌うと予想します。
結果として、今後3年以上は今までよりも積極的に高速道路を利用する機会が増えるハズです。
なので・・・
「高速重視の車選びが増えることになります」
個別に各ブランドのシュア予想を解説します。
アウディ=大きく増
世界的に観ると、日本のアウディ率は低すぎるのが現状です。
これは高速中心の車選びをしなかった日本マーケットと、高速命の車造りをしてきたアウディとの差から生じていました。
これが是正される訳ですから、アウディの率は上がる方向しか考えられません。
BMW=微増
この、「微増」という予想は意外かもしれません。
これはリーマン後の対応の在庫整理の判断ミスが尾を引くと予想するからです。
アウディにシュアを奪われるからと言っても良いかもしれません。
もっとも注目すべきは大阪!
このエリアで、アウディが増えた場合はBMWのシュアが減ったことを意味します。
ボルボ=増
日本の法定速度、プラスαくらいでは元々は快適なブランドでした。
FR時代から、車を安定方向に振るという考えから、結果として高速が快適な車になっていました。
ただし・・・購入に注意が必要な年代が存在します。
ハッキリ言ってしまうと2000年前後の中古のボルボではダメなんです。これが90年代前半以下のFR時代はまた良くなるのですが・・・
今度のXC60はとても良い車です。
ギラギラとしていない外車という少なからず存在する需要にはバッチリです。(私がこれに該当)
アウディの次にシュアが増えるブランドと予測します。
プジョー=増減無し
乗る度に、トヨタに似ているな~と感じる欧州ブランドです。(不思議)
ひと頃の、「ハヤリ」は終演しています。
車好きの中でも、「プジョーはやっちゃった」という意見が増えてきました。
10年後は現状維持。
悪ければ、「減」と予想します。
軽自動車=増減無し
意外ですか?
高速1,000円を必要としない、車両用途は確実に存在しています。
この頃の軽自動車ブームにより、スズキが戦略を変えたと予想します。(まともな軽自動車をつくるようになった)
商品は良いわけですから、軽自動車は大きくシュアを落とさないと予想します。
トヨタ=増
ここが今回の予想のポイントです。
高速重視の外車率が上がると言うことは結果としてトヨタを中心とした国産勢のパイを奪うことになるはずです。
しかし・・・
わたしは国産勢の売上も落ちないと予想しています。
つまり・・・
自動車業界の売上(国内)が今よりも「10年後の方が伸びる」「落ちるとしても予想より緩やか」と思っています。
昨今の普通車の売り上げ減は確かに経済問題もあるのですがトヨタバブルが弾けた事も一因と考えます。
詳しくは下記にて解説します。
私が勝手に呼んでいる造語です。
円安などに起因する経済的な、「トヨタバブル」とは別の単語です。
あくまで、国内の車好き目線の単語として語ります。
時は1991年にさかのぼります。
この年に、オートマチック限定免許(以下、AT限定免許)が始まります。
これが全ての始まりです。
第1フェーズ:新たな客が車を買う
AT限定免許はそれまでは免許を取れない。
取れたとしても莫大な費用と時間を必要とする層にまで車を行き渡らせることを可能にしました。
ここまでは良いんです。(心底、そうとは思えませんがある程度の平等性は必要)
問題は若者も免許取得費用の安いAT限定免許に流れたことです。
この段階でのトヨタ(国産車)勢の狙い通り。
パイ(免許取得者)が増えて、売価の高いAT車から売れていくのですから、万々歳です。
家族内でAT限定が一人でもいると・・・
長女が運転出来ないから、次の車はATにしようか・・・などと会話することになります。
なお、この時代に積極的にBピラーを外したメーカーは信頼しません。
第2フェーズ:売れ筋はミニバンへ
AT車でならされることにより、車は走りからユーティリティーに向かう土壌ができました。
クーペ・セダンからRVへ
満を持してRVからミニバンへ
車はどんどん、「走らなくても良い箱」へ進化します。
箱は従来のセダンよりもサイズが大きい=売価も高い。
自動車メーカーはミニバンのラインナップの強化という名の、路上の大木を増産することになります。
トヨタのWRCからの撤退は見事にこの時期に一致します。
「トヨタはF1を始めたじゃないか!」と言う方もいるかもしれませんがそれは違います。
F1は観るモータスポーツ。
WRCはエンドユーザーでも真似事の出来る車遊び。
スバルにブルーの車は多いですね。完全なWRCファンです。
しかし、路上に一目見てトヨタのF1ファンとわかる方はいません。
第3フェーズ:ミニバンjr世代が成人へ
ミニバンの増殖は車に興味を示さないミニバンjr世代を世に送り出すことになりました。
最近の若者は車に興味が無い・・・のは当然の事。
子供の頃に、「カッコイイ」車が身近にないのですから、車はただの移動手段に過ぎません。
興味がない以上は最小(もしくは最小と勘違い出来る)コストで結果を出せれば良いのです。
つまり・・・軽自動車が売れることになります。
この段階でトヨタバブルは弾けました。
画面から受けるトヨターのモータースポーツはF1です。
自宅のミニバンとは似ても似つかない移動物体ですので、こちらの面からも自分の乗る車の興味が失せます。
策をしない場合の第4フェーズ:車は動く箱
今まではミニバンの性能が世代が上がるたびに向上していたために車は売れました。
今後はこの性能の伸びも緩やかになります。
また、ミニバンjr世代が徐々にミニバン購買層に入ってきます。
すると・・・ますます、車は動く箱で良いという考えが蔓延することになります。
面白い車は旧車を残し全滅しますが車は程々売れる世界になります。
この頃はトヨタ=つまらない車
こういうイメージが主流です。
しかし・・・昔は違いましたよね?
企業である以上は利益を追求するのは当然の事。(参考にさせてもらっています)
トヨタの先を読むには、「次に何から利益を生み出そうと考えるかを読むことです」
ここで、このページの本題である「高速1,000円」に戻るのです。
高速道路を移動する機会を増やすことにより、新車の販売数ならびに、車好き予備軍の育成モードに入ったと私は分析します。
結果として外車率を高めてしまうことになりますが現状を放置するよりは将来の売上が確保出来るハズです。
しかも・・・
外車などの比率が高くなることを理由に、エコカー減税なども別枠で引っ張ってくるなど・・・
トヨタ恐るべしです。
トヨタはもう終わった的な発言もありますがこの様な先を読んだ戦略を組み立ててくる以上、10年後のトヨタも現代の位置(世界No1)を確保すると予想します。
この高速1,000円では車業界は平均して利益を受ける事になります。
反対に、マイナスの影響を受けるのは・・・
通信(携帯)などの、この10年の花形産業です。
理由は簡単。
車にお金を使えば、それ以外を削らないと暮らせませんから・・・