2010年10月29日撮影:実験線起点付近の工事風景。
2010年11月現在の情報を元に、山梨県に設置される「新甲府駅」の場所を予測します。
この時点での確定情報の確認。
・山梨実験線は2013年に完成 (42.8km)
・開業目標2027年 (東京-名古屋間 伸びる可能性有り)
・神奈川-山梨を2020年に先行開業
・先行区間の赤字は盛り込み済み (JR東海の会長発言)
・Cルート(南アルプス)が濃厚
ブログもどきはオリジナルであることが「売り」
過去の経験を駆使して未来を予測します。
出典:「電子国土」 URL http://cyberjapan.jp/
←リニア山梨実験線起点:笛吹市境川村
従来の新幹線や高速道路とリニア中央新幹線の大きな違い。
政治家の都合で路線が曲がることはない。
この考えは明確に見えています。
長野がBルートを主張しても、JR東海自身がCルートへの舵取りを曲げなかったことからも確認出来ました。
リニア中央新幹線プロジェクトを予想するには以下が重要です。
JR東海が利益を出せること
地元の声もある程度は届きます。
ただし・・・届く量は昭和の半分以下と思った方が良いでしょう。
山梨県が「○○の近くに駅を」と望んでも「参考」程度にしか取り上げられません。
長野の時の世論がそうであったように、より大衆の利益=JR東海の利益になる場所に山梨駅は設置されます。
実験線誘致に金丸信の力が大きく働いたのは有名な話。
山梨県人なら、「信ちゃん道路」(アルプス通りと限らず山梨県内全域)も見慣れた風景。
ここでは我田引水が終わったとしていますが・・・
金丸信の睨みは今でも効いています。
この実験線の起点に非常に意味があります。
実験線の場所が決まったのは'80年代。
このときに先行区間の早期開業は決定していたと思われます。
この時点では現在のCルートの実現は困難と言われていました。
しかし、時間が解決する目処があったのでしょう。
実験線の起点はCルートが本命。
それが実現出来なかった場合も、Bルートなどで逃げられる場所が選ばれています。
つまり初期の計画段階に、甲府の中心部や白根付近に駅を設置するプランは消されていました。
駅の場所はCルートでも、Bルートでも本命の駅設置場所はその時点で考えられています。
とりあえず、実験線を引いて、駅は後から考えよう・・・
こんな甘い考えをするような事はありません。
明確に山梨駅の位置を想定してから実験線の予定地を選定されています。
もちろん、公の発表は一切ありませんが・・・
JR東海の頭の中・・・
・技術を世界に売り込みたい
・建設資金をスムーズに用意したい
・中間駅の建設費用などは可能な限り抑えたい
・最終的な利益につながれば、ある程度の赤字は盛り込む
・沿線住民からのクレームは最小限に抑えたい
規模は小さいですが私はIT企業の経営者。
経営者の目線で考えれば、JR東海の考えは予測できます。
何をしたいか?
何を避けたいか?
何に対しては積極的に投資するのか?
ここがポイントになります。
開発されたリニアの技術は世界に売りたい。
売るときには、「運用実績」が非常に重要な項目。
特に、時速500km超えの営業運転は非常に意味のあること。
2010年4月に東京-名古屋間の開業時期を2年先延ばしが発表されました。
この際に、神奈川-山梨間の開業については変更がなかったことからも、意図が読み取れます。
・先行開業区間の赤字は承知
・一日も早い開業を望んでいる
・無駄な費用は掛けたくない
先行開業は技術を売る為の営業の一環。
甲府周辺の住人が望んでいるのは人口が多い甲府南インター以西。
つまり、実験線の起点である境川よりも西。
市川大門周辺になどの意見もあるのですが本命と押しているのは甲府市の南側。
中央道・甲府南インター付近。環状道路付近となります。
今でも、多くの山梨県人はここに「新甲府駅」ができるのではと考えています。
しかし・・・
JR東海的には実験線の起点よりも西に駅を設置するメリット無し。
・「開業」という目標は駅がどこにあっても達成できる
・駅と路線の用地獲得が間に合わない
・起点以西に駅をつくっても短期的にも長期的にも売り上げが増えない
・リニア新幹線の利用者に特化した別プランが用意されている
リニア中央新幹線は大都市間の移動にて利益を上げることが主目的。
山梨(甲府)・長野(飯田)などを重視して、本体(大都市移動客)の負担が増えるのはあり得ない。
大都市移動客も重要だが技術の売り込みはもっと重要。
なぜなら・・・
現在のJR東海の利益で、リニア中央新幹線の建設費を現実的にペイするのは無茶な相談。
だからこそ、先行開業を急ぐ・・・
つまり・・・
山梨の駅は「より早急に、安価に建設出来る事が最大の目的」
このように読みました。
このように読んだ段階で、実験線起点以西の駅建設の可能性は極めて低いと言えます。
もっとも効率が良いと思えるのが実験線起点への駅建設。
つまり、笛吹市推奨の残土捨て場。
この頃のニュースソースでは山梨の駅の位置を、「山梨県笛吹市周辺」と書くことが多くなってきました。
数年前なら、「甲府市周辺」となっていたのにです。
起点からある程度以東ならば、最終的な利益が増える方向なら位置の移動はあり得る。
ここからは以下の利用予想客の利便を考える事になります。
・富士山観光
・駅周辺の発展の余地
・甲府市周辺の住民
・高速インター経由の利用客
・郡内地域の住民
・富士山以外の観光
上記の並び順が私が考える顧客の重要度。
以下で個別に解説します。
海外からの観光客と国内旅行客。
地元(山梨県人)よりも、この層の利用の方が多いと読みます。
羽田-リニア-富士山・・・
外国人観光客に売り込む為にも、山梨駅から富士山までの移動はストレスがあってはいけません。
周辺道路(引き込み線?:可能性は極めて低いと読む)は観光に耐えれる景観であれば、なお良し。
新駅の位置はバスによる富士山移動に特化された場所に設置されます。
'10/02/08 リニア山梨駅を予想する。境川?中道?都留?で述べました。
精進湖線を利用した富士山誘導ルートはこの目的から大きくそれる。
若彦トンネルも期待したほど便利ではない。
つまり、国道137号を利用するルートが本命となります。
国道137号のアクセスを容易にするためにも、実験線以西(甲府南インター付近)は無いと読みました。
JR東海では既存の山梨住民のリニア利用は期待していません。
現在も都内に頻繁に入っていない方がリニアが出来たからと言って頻繁に動くなどありません。
これは山梨に生まれ育って、全国を日々移動していると痛感します。
◆山梨県民に質問
・月に何回、都内に移動しますか?
・最後に名古屋にいったのはいつですか?
多くの山梨県人は年に1回のリニア利用も無いはずです。
仮にリニア完成後に都内に行くことになっても、品川周辺は山梨県人にとっては不便なハズです。
身近の方に聞いてみてください。
リニアは年に何回利用しますか?と・・・
リニアがあれば便利。
しかし、生涯で数えられるくらいしか利用しない。
数が少ない。しかも利用率も低い。
甲府周辺の利用者はまっさきに切り捨てます。
私が会長なら・・・
◆上記質問の私の回答
・東京に入る頻度=多い月で10回
・名古屋に入る頻度=通過も入れると年に20回以上
私のような例は特殊です。
現在の住居が一宮御坂ICに近いことから、事務所の都内移転も引っ越しも考えませんでした。
仕事は都内から全国となっていますが山梨の地価が安いことを目一杯利用しています。
私が普通の山梨県人よりもリニア・新甲府駅に興味を持っているのはそれを多用するから。
リニア山梨駅の場所次第では御坂に設置している本社を動かします。
バルーン空撮の営業範囲は全国。
山梨から名古屋まで30分で移動出来ることは武器になります。
さて、新甲府駅は既存の山梨県人は利用しない。
リニア山梨駅を山梨に住んでいて利用するのは・・・
まったく新しい山梨県民。
都内に仕事を持ち。プライベートでも都内で買い物。
様々な理由から都内には住みたくない。
近年の例としてはつくばエクスプレス沿線がもっとも近い例になります。
沿線住民が数年で増えている。
その多くは都内にて仕事を持っている。
もちろん、つくばエクスプレスを通勤で利用する。
JR東海が狙うのは数が少なくともリニア利用率が高くなる層となります。
リニア利用者に特化したニュータウン
これがJR東海の利益が出せるプランです。
新駅はこのニュータウン予定地も視野に置いて選定されています。
リニア駅まで、10分以内。
景観はよく、日当たりも良好。
開発は容易で、地元の理解も得られやすい場所。
山梨のような盆地では人が住める場所は何らかの開発が入っているモノなのですが・・・
見事に、この条件をクリアする広大な土地が空白のように空いています。
詳しくは今後の記事にて取り上げます。
JR東海が意識している「地元住民」は駅の利用者では無く「騒音クレーム対象者」としてです。
通常の電車の音にすら慣れていない、甲府周辺の住民が他のエリアよりも騒ぐのは容易に予測できます。
駅が実験線以西にならないことも、このことにリンクしています。
実験線から以西は笛吹川以東の丘陵地帯をトンネル中心で名古屋へ向かう。
建設費が上がっても、用地買収と騒音クレームの軽減を選びます。
仮に、甲府周辺住民が声を上げたとしても・・・
長野Bルートと同じ扱いを受けるのみです。
書き加えます。
駅の建設費の100%地元負担は無いと思っています。
その摺り合わせの際に、JR東海の希望する場所への駅建設が引っ張り出されます。
「実験線内に駅を建設することが合理的」
それでも、山梨県民が騒いだなら・・・
「ならば、山梨に駅はつくりません」
これにて完了です。
地元の声はある程度届くとしていますが・・・
当初のシナリオの範囲にてとしか言えません。
「地元住民」というジャンルでは甲府市周辺についで多い潜在需要を抱えるのは諏訪・松本などの長野県民。
高速バスを経由して入ってくる、松本から東京への移動客はそれなりの収益が期待できます。
この用途の場合はどの場所に駅を設置しても、大きな差は生まれません。
境川PAにスマートICなどをつくって、駅に直結なども可能なのですが・・・
そこまで重視する層では無いでしょう。
高速ICから10分で駅に入れば、十分でしょう。
面子の問題のみです。
甲府市南部よりも郡内よりに駅をつくったという形が残れば十分でしょう。
仮に、都留などに駅が出来ても・・・
甲府以西よりも、利用客が減るというシミュレーションしか出来ません。
つまり、JR東海的にあり得ない場所と言うことになります。
あまり、重要視はされていません。
海外旅行客に比べれば、国内旅行客の方がリニア利用率が低い事は当然。(低コスト客)
海外旅行客が昇仙峡・八ヶ岳・身延山などに向かうなどとは考えられません。
リニア山梨駅は山梨実験線の起点よりも東京よりに設置される。