PC内の過去のデータを整理していたところ、5枚の画像が見つかりました。
加工された日付は1999/07/01
私が住宅営業を副業とする組子職人だったころの画像です。
←これは私が住宅営業として携わったお宅に収めた書院の一部です。
目潰本籠目と呼ばれる柄ですが少し変わっていたため写真に収めていた物です。時期としては1997年頃(当時27歳)の作品と思われます。
私が制作した組子の写真はほとんど残っていません。
ポジフィルムを当時のピントが外れるようなスキャナーで読み込んでいるために画質に優れません。
ネットで調べてみても「目潰し本籠目」の情報は極少量でした。
もの凄く難しいという柄でも無いのですが簡単という物でもありません。
その職人さんで得意・不得意はあると思うのですが私の作例では、「定番」と呼べる柄です。
本籠目系の最大の特徴は「木を編んでいるように見える」ところです。
厚みが1cm程度の桧ですので、編むことは出来ませんので「見る者を惑わせる」という、数寄の考えに基づく珍しい柄です。
←制作途中です。
本籠目は実際に木材を編んで作っています。
左斜め上から入ってきている材料に注目すると、仕組みがわかるかもしれません。
この目潰本籠目は素直につくっていません。
通しの組子には溝がついてあります。(3枚を綴いでいる)
これは書院の一部としてつくられています。
この、「溝」は1分。
つまり、ここから1分でつくられている縦繁につながっています。
斬新な発想なのですが・・・出来上がりはそんなでも無かったと記憶しています。
これをつくっていたのは20代の後半。
住宅営業と組子材の兼業の末期です。
技術的なポイントは溝の深さ。
普通の作り方なら、裏方が見えてしまいます。
私がつくった物の多くは後世の職人が観察すると作り方に悩んでしまう物を意識的につくっていました。
右斜め上から通しの組子が入ります。
箱根細工の要領ですね。(もっと意味がわからなくなるかも・・・)