先月、私は職人時代の修業先の原口工芸に行ってきました。
その際に、数年前の全国建具展示会にて内閣総理大臣賞を受賞した作品を拝見してきたので、その紹介ページをつくらさせて頂きます。
この撮影時にはこの様な作品を撮影出来るとは思っていなかったので、三脚などの撮影道具を用意していませんでした。
この作品は日光による変色を避けるために、冷暗所に保管されています。この画像も1秒などというスローシャッターを手持ちで撮影しているので、当然ですがブレています。
お見苦しい写真が多いと思いますが何とぞご理解をお願いします。
機会を設けて、キチンと撮影してきます。
組子職人(建具職人)で、道を究めようとすれば、全国建具展示会での内閣総理大臣賞を取ることとなります。
全国持ち回りで開催されているこの大会では全国から組子職人が作品を持ち寄ります。
子供の頃は父に連れられて(父は組子職人)
私が修行を始めてからは一人で。
この全国建具展示会でも、作り手側から考えると大会のグレードが存在します。
具体的には・・・首都圏の大会がレベルが高いという過去の傾向です。
この作品の開催地は激戦となる神奈川です。
この10年ではもっともレベルの高い大会と呼べます。
ここでの内閣総理大臣賞受賞は通常の開催県での受賞の数倍の価値があります。
また、今回の受賞作品は、「作品が気を発している」というクラスの作品です。
普通の内閣総理大臣賞受賞クラス(その年の日本一)ではここまでの凄味はありません。
私も、数々の新旧の木工細工を眺めてきましたがこの様なオーラを放っている作品に久しぶりに出会いました。
私が修行していたときにも、内閣総理大臣賞受賞クラスの作品はつくられていたのですが今回の作品は更に進化しています。
これが・・・80歳を超えた方の作品と考えると・・・言葉にできません。
昭和以降で制作された木工細工で、もっとも優れている作品
これが私の素直な感想です。
とても1ページでは書ききれないので、次回に続きます。
私も職人としてはこの大会の出場する可能性がありました。
その当時の地元の建具組合の役員の方から、出場の打診がありました。
まだ、20代中頃でしたので、出場を辞退したという経緯があります。
本当は・・・生活が苦しくて、大会向けの作品に挑む余裕が無かったというのが本当の所です。
その当時は、「いつでも出せるから」と考えいたのですが・・・職人をやめた今では記念に出ておけば良かったと後悔しています。