. ツツジの移植: 社長ブログもどき
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ツツジの移植

玄関前に仮移植されたオオムラサキツツジ

自宅の玄関前にツツジを移植しました。
住宅の建築は2年前。
周囲の舗装は半年前に施工されていました。
本来なら舗装完了時に移植(春)のハズだったのですが、2023年の冬は少雨であったことから木が傷んでしまっていました。
そこで一夏の回復期間を挟んで2023年の10月に移植となりました。

この前日にプロにお願いして、この場所に移植。
この画像は、移植の位置が気に入らなかったので翌日に自分で位置を修正している時の写真です。

顔料コンクリートとガデリウス玄関ドア

移植前

これが施工前です。
この状態で半年ほど過ごしていました。
本来なら2年前の新居完成時にこの場所の植樹まで済ませたかったのですが、様々な事情から2年が経過してしまっていました。
・新居完成後の1年後に隣に事務所を建築
・事務所が完成しないと舗装の設計が完了出来なかった
・ハウスメーカー都合で、施工が伸び伸びになっていた
・結果として2年が経過

シンボルツリーをツツジに選定

樹齢50年と推測されるツツジ

今回は玄関前の大きめな植栽です。
この住宅のシンボルツリーとなります。
敷地には他にも樹高7mクラスのノムラモミジが存在することから、敷地全体ではそちらがシンボルツリー。
こちらはサブという扱いになります。

元々は、同じ敷地内に植えられていました。
植えられたのは1970年代の前半と推測されます。
30年ほど前に他界している父がこの位置に植えています。
母に確認したところ、都内の公園から枝を拝借して挿し木にしたとの事。
大気汚染に強いとされているオオムラサキツツジです。
園芸種である事から付近の山に自生はありません。
ルートがわかると納得出来ました。
なお、シンボルツリーはこの様な謂われがわかると愛着がわくと思います。
次世代にルーツを引き継ぐ事をおすすめします。

なお、この位置は最大級の土砂災害が発生した際に土砂が流入してくる場所となります。
この時点でも様々な災害対策を行っているのですが、この場所が最後の穴となっています。
こちらもRC壁を施工する予定です。その際にはエクステリアカテゴリにて紹介していきます。

メインツリーの選定は新規購入を主軸に様々な検討をしたのですが、先代との繋がりを持つという観点から移植となりました。

私は子供の頃に父からサツキの移植の手伝いをさせられていました。
今でもガーデニングを含む植物の手入れは、実は好きではありません。
子供の頃の、「植物の手入れは手伝いであり嫌いなイベントである」を引きずっているからです。
この延長で、実は戸建て住宅よりもマンションに憧れを持っている田舎者です。
田舎者ですが・・・
タワーマンションに関しては専門家です。
この最近まで、都内の主要なタワーマンションに空撮カメラマンして多数にかかわっていました。
機会がありましたら、こちらも紹介します。

本題に戻ります。
この、子供の頃のサツキの知識に、20年以上前に始めたアクアリウムの知識。
さらに、趣味の園芸の司会者であった柳生真吾さんや仕事でお付き合いが出来た園芸家の方々からの蓄積が入っています。
端的に言いますと・・・
並の農家さんや造園業の方よりも科学的に植物と向き合える姿勢が出来上がってしまっています。

樹齢50年と推測されるツツジ

このツツジは、大きな升の脇に植えられたことから、根張りは歪になっています。
元々の土壌は山砂で、PH7.0。
肥料は芝生の肥料(8-8-8)が結果として少し影響した程度。花はまばらに咲く程度の目立たない木でした。
敷地内には事務所もあるのですが、10年間務めている社員も、この木には気が付いていなかったようです。

自分で出来ないサイズでは無いのですが、仕事を優先して移植はブロにお願いしました。

ツツジの土壌

ツツジの土壌

ツツジは、日本の山野に自生している植物です。
自然環境では林から畑に至る境界の日当たりの良い場所に点々と生えているイメージがあります。
山中に生えている場合もあるのですが、この場合も群生しているというイメージはありませんね。
※近くの山に山菜採りなどで入ったときの記憶

野生を知っていますので、ある程度は必要な環境の推測は出来ていました。

今回の植樹の為に事前に学習をしました。
・水はけを良く(鹿沼土など)
・肥料は腐植質中心の酸性土壌(PH 4.5~5.5)
・PH6.5以上は黄化症状に注意

この場所は5年前までは桃畑でした。
40年くらい前はブドウ畑。
その前は、恐らくですが桑畑。
さらにその前は・・・ 確認が出来ませんでした。
扇状地であることから、田の可能性は低い。基本的には水はけの良いエリアです。

移植前の畑の土の状態でPH6.0前後。
周囲のコンクリートの影響からか、実測はPH7.0程度でした
このままでも大きな問題は無いと思いますが、元肥として腐葉土を半年ほど前に混ぜておきました。
つまり、ピートモスなどの土壌改良材を用いずに自然に酸性に持って行く準備をしていました。

ネット上での、PHが自然と酸性に傾くという理由

「土壌が酸性になる理由」の多くは間違った認識のコピペ

←仕事場の常時PHメーターの数値
常時通電のPHメーターが敷地内で2台動いています。
10年以上前に導入し、十分なノウハウを身につけたことから、もう必要無いのですが何となく使っています。

今回の移植の為に土壌とPHのことを調べて見ると、面白い事に気がつきました。

土壌は、自然と酸性に傾く。その理由として、雨が二酸化炭素を含んで酸性だからという多数の記述です。

これ、恐らく違います。
キチンとした知識を有した方がいると思われるメーカー系のサイトは問題ありません。
アルカリに振った土壌が酸性になる根拠も納得出来る物でした。
なお、問題の記述が多かったのは、小規模な事業者と情報系のサイトです。

まず、雨が酸性(標準5.6)である事は確定です。
そして、この原因のひとつが二酸化炭素が溶け込んでいるのも同意します。
問題なのは、この雨が多く降るから日本の土壌は酸性になるというコピペです。
確かに二酸化炭素が溶け込むと水は酸性に傾きます。
でも、この二酸化炭素が抜けると・・・
水は中性になります。
これ、アクアリウムで二酸化炭素をタイマーなどで添加すると、一日の中でPH値が激しく上下することから直ぐに気が付きます。

・二酸化炭素は容易に水に溶け込む
・中性の水に二酸化炭素が溶け込んでいるからPHは下がる(酸性になる)
・水を放置すれば二酸化炭素は自然と抜けていく
・地面に降った雨も時間の経過とともに中性に戻る
・大気汚染起因の酸性雨とは別の話

どうですか?
これが、雨が降るから酸性になるという部分を否定する理由になります。
野菜栽培などでアルカリに寄せた土壌が酸性に傾くのは、主たる原因は苦土石灰などが雨で洗い流されていくからです。
酸性の雨が降るから、その酸性の成分が土壌に留まるみたいな認識が間違っているのです。
この件に限らず、ネット上はコピペが多すぎます。
本題から外れますが、畑から流れ出る肥料分は公害と呼んで良いレベルの破壊力があります。

土壌のPHに大きな影響があるのは、何よりも構成されている土の成分です。
日本は火山灰土が多め。そして、火山灰土は酸性。
腐葉土も酸性。
結果して、日本には酸性を好む樹木が多くなる。

このページもネット上の素人によるページの一つです。
気軽に読んでみて下さい。

ツツジの移植中

ツツジの移植完了

移植作業はプロにお任せして、私はブログもどき用の写真撮影と時折の監督のみです。
基本的には仕事を事務所で行っていて、敷地内の監視カメラ映像を見ながら施主立ち会いが必要な重要なポイントのみ監督に入ります。

この撮影の時点では気がつけなかったのですが、私は致命的な失敗をしていました。
移植前の位置で、植え込みの深さや方向などはある程度決めていました。
ツツジに合わせるという観点から、龍のヒゲ・ジャノヒゲを下草にするという想定から移植地盤面を決めていました。
もちろん、ツツジは深植え禁止ということも承知しています。
※サツキの植え替え経験40年
その事前の予定の通りに移植していたのですが、埋め戻した後に失敗したことに気がつきます。

・植え付けた地盤面が周囲の舗装よりも低い(下草がある程度の高さがあることから、それを差し引いた)
・舗装は黒目のコンクリートで夏の温度が上がり気味

これで普通は移植完了です。
しかし、ここはブログもどき(この表現を7年ぶりに用いました)
筆者は、気がついてしまったことを放置できない性格です。
・植え込み位置が低く、デザイン面からのバランスが悪い
・位置を決めてから埋め戻す間に動いてしまっている
・想定よりも最下端の葉が舗装に近く、夏が心配
・古い根の撤去などが全くされてない
・途中で止めたが、土壌の下端に蛎殻が入ってしまっている

お断りしておきますが、プロの方は何も問題ありません。
私が、色々と知りすぎている事から気になってしまうのです。
この場所は、自宅の玄関を開けたら真っ先に目に付く場所。
気になる事を放置すると、碌な事になりません。

2回目のツツジの移植

DIYでツツジの位置調整

前日にブロに植えてもらったのに、自分で位置調整を始めてしまいました。
実は、業者の方には翌朝にも様子を見に来て下さいました。
しかも、その際に位置が気に入らない事を伝えたところ、即日の対応までご提案いただいたのですが・・・
まさかのDIYです。
理由の主たるところは、自分でじっくりとやりたかったからになります。
何度かお世話になっている地元のプロの方ですが、次回もよろしくお願いします。

樹齢50年でもツツジですので、位置の修正程度なら一人で余裕です。
マネはして欲しくないのですが、脚立・鉄パイプ・チェーンブロックを駆使してじっくりと位置決めします。

ツツジ なっとくの位置出し

どうしてもプロの方にお任せすると、位置決めで粘る時間が申し訳なくなってしいます。
DIYなら、一度位置決めしてから一定の時間を於いて、頭をリフレッシュしてから再度の確認などという事も確認になります。
デザイン仕事をしていると、この時間を置くがとても重要であることに気が付きます。
時間を置くと、第三者目線で確認することが可能になり、より良いデザインの発見や、確定校の確度に自信が持てるようになります。

何度かの位置修正を半日程度繰り返して、この位置に決まりました。
なお、この検討は、下草の再選定も含んでいます。
最初の設計では、下草は玉龍で、照明機器は舗装面ギリギリ。
再設計後は、下草はコケ系。照明機器は立上げタイプに修正。
全体的に重心位置を大幅に上げています。
照明機器は既に手元にありましたが、再度の発注となりました。

なお、想定よりも大幅に植え込み位置が上がった事から、不安定になりました。
脚立で枝の一部を支えていますが、大雪対策として春までは、このままとします。

玉龍→スナゴケ これは土壌を換える必要有り

ツツジの土壌改良にピートモス

下草が当初予定の玉龍の場合は、ツツジの肥料は油かすをまけば兼用出来るという予定でした。
今回の修正で、地盤面は舗装面よりも上がります。
そして、肥料分を嫌うスナゴケを用いることから、後々の肥料の追加とPHコントロールに問題が発生することになりました。

地植えの植物では無いかと思いますが、水草水槽の世界ではPHショックという現象があります。
※実際はPHだけの問題ではないのですが、ここはPHショックで通します
何らかの理由で大幅にPHが動くと、水草に大きな影響があります。
私が長年育てている陰性水草であるクリプトコリネなどは、溶けるように消えていきます。
この経験から、今回のツツジは、移植前のPH7.0から数年掛けてPH5.0程度まで持って行くイメージでした。
ところが、今回の下草の設計変更により、スナゴケの施行後にPHコントロールがしにくくなりました。
さらに、初回の植え込み時に蛎殻が入ってしまったことも確認出来ています。
園芸の世界では蛎殻は酸性の是正に用います。つまり、ツツジの生育には都合が悪い。
この中和の観点から、ピートモスでPHを落とすことにしました。

書いていることで矛盾が発生するのですが、ツツジは丈夫な植物です。
育成環境の僅かな変化で崩壊が発生する水草の世界よりは、雑に扱って構いません。
今回も根を高圧洗浄で洗い流した後に、意匠的に不要な根を切り取っていますが、一般の方からは荒っぽいと言われる様な事を平気でしています。
子供の頃のサツキの植え替え経験が生きています。

土壌PHに関して

PH調整中

PH7.0→PH5.5へ

周囲の土にピートモスを混ぜ込みます。
コンクリートの影響を考えると、確実に酸性域まで下げたいところ。
今回は、地盤面よりも高めに植えることと低めに根が張るツツジであることから、地盤改良して掘り下げる量は少なめで済みました。
初回の植え込み時から300mm程度上がった事から、蛎殻の影響も逃げられたことでしょう。

PH5.5

なお、ここでは安価な園芸用のPHメーターを用いています。
これ、安価な割には十分な精度です。(シンワ測定=ノギスとかで有名)
ガーデンニングや家庭菜園を行う方は購入の検討をしてみてください。

ツツジは移植完了

ツツジは移植完了

DIYで2日で位置修正と土壌改良が完了しました。
次は、照明の取り付け。
その後は、スナゴケの植栽になります。
スナゴケは他の植物と比較すると植え付けの時期は気にしなくても良い植物です。
このページをメール書いているのが、2023/10/8(三連休の中日)です。
今月中に終わらせたい作業も多いことから、玄関前の植栽の制作は一時停止になります。

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