フレームヒューズは、墜落時の衝撃を吸収する主たる機能です。
ドローンは一般的には、脚部を下にして墜落します。
これは、下加重ドローンが多いことで説明出来ます。
ここでは、墜落姿勢別にどのようなにヒューズが働くかをご説明します。
◆下からの墜落
←下からの力でヒューズが働き、内側ヒューズからパイプが外れた状態です。もっとも一般的な墜落のパターンです。
斜めの姿勢で墜落すると、パイプの先端から地面などと接触します。
スキッドヒューズの効果は薄く、フレームヒューズ主導の衝撃分散が行われます。
一般的なカーボンパイプフレームの機体では、機体の加重は一点に集中します。
自ずと対象への衝撃は機体の重量から想定する以上の物となります。
特に強固なフレームほど被害が大きくなる傾向です。
◆上下逆さまの墜落
ケースとしては少ない事例です。
逆さまの墜落の場合は、外側ヒューズが働きます。
外側ヒューズはエンプラネジが一定以上の加重で切れることを利用しています。
なお、下からの墜落も衝撃が大きい場合は、外側ヒューズも働きます。
◆真横からの墜落
非常に希なケースです。
当初は想定されていませんでしたが、現在では対応出来ています。
方法は単純で、ヒューズとパイプの締め付けトルクの管理により実現出来ました。
普段のフライトではパイプを強固に固定。
横成分の多い墜落時には、パイプがフレーム内部に滑り込む構造になっています。
2016年現在に運用してる、2.0kgクラス 6モーターも、フレームヒューズ・スキッドヒューズが搭載されています。
この当時からの基本コンセプトは不変で以下となります。
ドローンは墜落する想定で設計する。
このテストでも、フレームヒューズ2カ所・スキッドヒューズ一式・モーターマウント2カ所・バッテリーと、効率よく墜落の衝撃が分散されていることが見て取れます。
2012年の段階でも、ドローンは一般的と呼べる物ではありませんでした。
ドローンの本格的な普及は、2014年頃からとなります。
現在では、様々な市販機が登場していますが、ここまで墜落することを前提に設計されてる機体は一般化していません。
パラシュートという方向性も、確かに必要です。
特に重量級の産業機なら義務化するべきレベルです。
しかし・・・この機体を含めた1~3kg程度の機体の場合は、総合的に考えると衝撃吸収という方向がベストと考えています。