ディーラーでの試乗では、とても良い印象となる車です。
10分程度の試乗では、具体的な欠点を指摘出来ないはず。
(足回りが柔らかすぎる系の意見はここでは却下)
多くの日本人の求めに見事に着地させています。
私も、必要になれば購入する可能性があるとコメントを残しつつ・・・
現行クラウンは買ってはいけない車
・車好きを自認している
・日本や子供たちの将来が不安
・物事の本質を重視する
以上のような方は、買ってはいけない車。
北海道にて天気待ち。
数日前から札幌に入っています。
バルーン空撮の仕事です。
もちろん、T1Nで移動しています。
当初の予定では札幌滞在は2日の予定だったのですが・・・
風が強いため天候待ちとなっています。
この天候待ちの日を利用して、レンタカーにて試乗を行いました。
本当は新型プリウス(試乗経験はありますがページは未制作)に乗りたかったのですが空きは無し。
新型クラウンを希望するも、こちらも駄目。
ならばと・・・カローラフィールダーを問い合わせるも、こちらも駄目。
事実上、ヴィッツしか残っていない状況でしたが・・・
色々とレンタカー店とあったのですが結果としてクラウンロイヤルの到着です。
最終的な落ちを完璧な形でつけてきたので、経緯については省きます。
なので、ポイントだけ・・・
トヨタレンタカーの一部の店員さんの車に関する知識は並の女性並み。
以下省略。
ブログもどきを書き始める前にゼロクラウンに試乗しています。
一般道にて10分程度。最高速度は60km/h程度。
グレードはロイヤルサルーン。
そのときの印象は・・・
・一般道はボルボ960の様(褒めています)
・フニャフニャとした感覚(クラウン臭)薄め。
つまり・・・
これを必要とする仕事をしているなら、これを買うなと・・・
具体的には商工会の会合から仕事を取ってくるような業種・・・
つまり、ゼロクラウンのロイヤルに対しては好感を持っていたと記憶しています。
ゼロクラウンからモデルチェンジをしていたのは知っています。
(ゼロの次なので、「ワンクラウン」?)
しかし、詳しいことは一切調べていませんでした。
予備知識無しで試乗開始です。
試乗は予備知識を付けない方が発見がある。
経験を積んでから、この様な考えを持ちつつあります。
レンタカーの内容:
トヨタ・クラウンロイヤルサルーン i-Four
2.5L 4WD
17インチタイヤ装着
走行2万km。
新車装着タイヤ。残り溝少なめ。
レンタカー店舗から、高速までは10km程度一般道を走ります。
第一印象は・・・
・シートは微妙に合わない(柔らかすぎ)
・とにかく静か
・見慣れない日本語の表記
・周囲の車(トヨタ車)が避ける
・タイヤの起因か?コツコツと細かい振動が入ってくる
・車は小さく感じる
ゼロクラウンよりも、クラウンしています。
許せる範囲ですが柔らかすぎると感じました。
試していませんが危険回避能力は相当低いと感じました。
この日は風が強い日でした。(故に空撮はお休み)
高速に乗った直後は8m/s程度の風が吹いています。(仕事柄、目で見て風の強さがわかります)
←この写真撮影時は4m/s程度。
3時方向からの、一定の強風。
この条件での評価となります。
キレイに走らせるには常に「当て舵」が必要。
最小限の的確な当て舵が打てないと、レーン内をふらつくことになります。
横風の影響度がハンドルから入りません。
つまり、目で見て横風の影響を打ち消す「当て舵」を打つ。
物理的に、つながっていない移動物を操縦する感覚。
これがラジコンヘリコプターの操縦感覚に近いのです。
ドイツ車(Eセグ) : 路面情報は必要最低限。強すぎる路面情報はドライバーを疲れさせると考える。
クラウンロイヤル : 路面情報はゼロにしたい。「振動を無くせ」が営業部隊からの指示。
アウディA6オールロードクワトロ(純正タイヤサイズ限定)や
メルセデスEクラスなどの、路面からの情報を意図的に減らしているのは高速長距離に対応する為。
クラウンの路面情報の少なさは日本人が求める良い車とする為。
ドイツ車(一部の本当の長距離対応車)も日本車も、結果として「柔らかい」のですが目的が全く違います。
高速に乗って最初の30分は疲れました。
過去に乗っている、どんな車よりも路面情報が伝わらない車。
体がクラウンを覚えるまでは集中して当て舵を打たなければならない。
特に、ドイツ車を真っ直ぐ走らせられる技量を持っている方ほど疲れるハズ。
しかし、「少ない」とは言っても微量にロードインフォメーションが存在します。
この微量に対応出来るようになると・・・
良い車じゃないのか?と印象は変わってきます。
今回の私は、「悪い」→「対応出来る」→「並以上」→「限定付で良い」と評価が変わっていきました。
日常的に高速を1,000km単位で走る身には燃費も気になるところ。
クルーズコントロールの出来を確認するためにも、いつものテストを行います。
時速110km/hにオートクルーズを設定。
その時の燃費やオートクルーズのプログラムの出来を確認します。
燃費はご覧の通り。
13.2km/Lを示しています。
燃料がレギュラーであることを計算に含めると、燃料代はA6オールロードクワトロよりも安くなるという計算になります。
燃費はクラウンの方が劣ります。
オートクルーズのプログラムに関しては評価無し。
走った場所が北海道の高速道路の為、路面に起伏がありません。
いつもと違う場所なので、客観的な評価が下せません。
クラウンのオートクルーズに発見有り。
時速118km/hまではオートクルーズが可能。
国産は100km/hまでと、勝手に思っていますが・・・
ちなみに、110km/hで走ると、北海道の高速道路(道央道・札幌付近)では全ての車に越し去られます。
私が経験した限りは、実質的な平均速度がもっとも高いのが道央道です。
なお、メーターの誤差(甘い方向へのトヨタ修正)は、確認していません。
いつものトヨタなら5%程度は甘くしてくるハズ・・・
クルーズコントロールのテストも済んだので、最寄りのPAに入ります。
ここで、下回りやらタイヤのチェック。
タイヤの残り溝はご覧の通り。
私なら、既に交換しているレベルですが・・・
レンタカーなので我慢しましょう。
ここからは高速道路にて「頑張った場合」のインプレです。
ここまでは110km/h定速の為、全ての車に越されています。
これらも、「頑張って」抜き去ります。
※PAでのチェックはこの為の準備。
私が普段巡航に用いる速度域ではA6よりもEクラスよりも、クラウンのロイヤルサルーンが快適。
これは助手席も運転席も変わらず。
速度を上げると、運転手にはフラフラとした車からの警告が入るかと思ったのですが・・・
手応えはなく、ひたすら直進。
100km/h程度の速度よりも、速度を上げた方が安定してきます。
なんか・・・FR時代のボルボのようです。
北海道(直線主体の、速度高めの高速)という条件では高速移動も向いていると言えます。
110km/hの時のエンジン回転は2000回転。
超高速域にての快適性のひとつに起因しているのは多段ATの功績。
あまりに、高速安定性が高いので、普通の購入前テストでは入らない速度域まで入れてみましたが・・・
ある速度に達したところで、ようやく「恐怖」がやってきました。
ジワジワとではなく、ある速度から突然に。
ちなみに、A6オールロードなら、許されれば何時間でも維持出来る速度。
もちろん、お国が違うので必要とする速度域で無いので心配する必要はありません。
ここからがブログもどきのポイント。
直進性が良いことは素直に良いと評価します。
問題は二つ。
・危険回避能力が低い(足回りのやわらかさ起因)
・超高速域で、アブナイと感じられない
これが少数生産のイタリア製スポーツカーなら問題としません。
「高速道路で、もっとも見掛けるセダン」として確固たるシュアを誇るクラウンであるからこそ問題とします。
・飛ばしたいと思わない
・飛ばすと怖い
この様な車なら、事故が起こりにくいので問題となりません。
しかし、クラウンはドライバーが「意図しても」「意図しなくても」速度が出せる車です。
ドライバーの速度への耐久性を引き上げる車です。
クラウンは現行型でも、クラウンしています。
つまり、足回りが柔らかい事はいつも通り。
よって、超高速域での事故回避能力には難がある。
VWが下(ポロ)から上(トゥアレグ)まで、足を締め上げているのはアウトバーン対応の為。
実用車だからとか、高級車だからとかの理由ではありません。
超高速域を常用とすることから、安全性を確保する為に固めているわけです。
私に言わせると・・・
日本国内で、そこそこの速度しか出さない人にはVWの価値無し。
つまり、路上の90%のVWはブランド志向の情けない人。
こういう発言を公の場で、するのは勇気が要りますが敢えてさせて頂きます。
VWの価値は超高速域にあり。
勘違いしている、少し綺麗なお姉さんは嫌いです。
本題に戻ります。
事故回避能力が低い車と安全を重視する車は速度を上げれば怖い車に仕上げるべき。
これをトヨタは無視して現行のクラウンを仕上げました。
もちろん、より多くのクラウンを販売する為に。
5~10年くらい経つと、現行クラウンは社会的に問題になると予言しておきます。
クラウンは国産車としては長く乗られるタイプの車。
デビューから10年も経つと、一部の若者が好んで購入。
古くなっても、平気で200kmも出せる基本骨格は持っている。
・若者は気持ちよく飛ばす。
・しかし、事故回避能力は低い。
・当然、事故になる。
・その事故は速度域が高い為、大事故となる。
・若者故に、賠償能力は低い。
・これが全国で多発する。
このクラウン以外は高速道路を走ったことが無いので言い切ることは出来ませんが・・・
過去のクラウンは高速域では怖い車であったことでしょう。
しかし、ゼロクラウンを経験したクラウンらしいクラウンは、走る凶器になってしまっています。
・ゼロクラウンで超高速域に対応(そこそこ、足が硬いのでOK)
・現行、クラウンで路線変更。(柔らかい方向へ)
・営業的には一度得た高速性能を捨てるのは困る
・そこで、柔らかいクラウンに高速性能を付加する・・・
これで、10年後の走る凶器が完成!
ここで、このページの結論に戻ります。
現行クラウンは買ってはいけない車
・車好きを自認している
・日本や子供たちの将来が不安
・物事の本質を重視する
とても良い車だと思います。
今風の電子デバイスも標準装備(だと思う)ので、手練れが乗る分にはとても良い車です。
なので、私の購入の可能性も消していないのです。
しかし、安価でこの車が買える時になると、この車の本質的な欠点が明らかになります。
飛ばせるけれど、高速回避能力低し。
営業戦略上と言っても、エンジニアの心意気レベルで市販を止めるべき内容です。
ゼロクラウンを通ってしまったからこそ、誕生することになった禁断の車。
いづれ、この型のクラウンで命を落とす方が多発しますが・・・
原因はこれを生んでしまった営業責任者とエンジニアです。
私なら、柔らかい車に高速性能の付加などという、オーダーはエンジニアとして断ります。
それでも、突きつける会社なら・・・
迷わず止めます。
腐っても、悪事の片棒を担ぐ気はありません。
重大なお知らせ
今回の評価はロイヤルサルーンの4WDグレードに17インチが装着されています。
「柔らかく、高速安定性が高い」という項目では特化されたグレードです。
通常のFRにての評価では無いことに注目してください。
今回の試乗で感心した点。
・ハザードスイッチの位置
・ナビの音声ナビゲーション
・全トヨタ車での立ち位置の調整
・あらゆる速度域での安定性(慣れれば)
・超高速域での燃費の良さ(非公開)
・製造品質
・車幅は狭いのにボリューム感がある外観
・遠くからでもクラウンに見える
・素人が気が付けない場所は徹底的にコストダウン
・意外と安全(強度重視のトランク形状とか・・・)
・思ったほど王冠マークが目に付かない
・ヘッドライトコントロールは左右別々の制御
・完全右ハンドル設計
残念な点。
・後席は前よりもうるさい(減ってきたタイヤ起因?)
・シートが合わない
・ヘッドライトコントロールが極端すぎる(新装備であることをアピール)
・ハイウェイマップのIC・PAまでの距離表示がドライバーから見切れる(重箱のスミ)
・精度は高いが「安い」と感じる室内
・元職人としては木目プリントは許せないレベル(ボルボのプリントは許せる)
ゼロクラウンとは別物の乗り物ですが評価しろと言われれば・・・
とても良い車です。
これに、アウディのエンブレムが付いていても、今ならば売れると思います。
ここでのお題は、「輸入車乗りから見たクラウン」
まず、食べず嫌いはいけません。
多くのクラウン嫌いの方!
乗ってからコメントしましょう。
特に、21世紀以降のドイツ車に乗っているなら車から優しさを感じるハズ。
クラウンは決して恥じるような乗り物ではありません。
子供じみたデザインや、芯の部分の安全性を蔑ろにするのは好きになれません。
しかし、日本の都市部を快適に移動するという目的はこの車は無敵と思えるレベルになっています。
助手席に乗るなら、BMWよりはクラウンの方が幸せ。(ドライバーが並以下なら)
後に乗るなら、どんなアウディよりも快適。(A8もA6もダメ。当然A4も)
この味付けでも、超高速域で、「怖い」と感じる車なら、誰にでもおすすめ出来るのですが・・・
不思議な落ちとなった試乗記でした。
北海道に行くと、感じること・・・
錆びた車が多い・・・
それも、100系(前の型)ハイエース
原因は冬季の解氷剤(塩化カリウム)。
1シーズンしか冬季を経験していない、今回のレンタカーもご覧の通りです。
ひと頃の三菱車や80年代のVWが錆びやすいのは私の中の常識。
いつの年代もボルボが錆びにくいのも、同様。
トヨタが錆びやすいのがトヨタが錆びにくいから北海道で売れるのか?
この答えは現在研究中です。
どちらにしても、北海道など降雪地出身の中古車はパスという方向で!
そして・・・
来週も北海道となりました。
GWから2ヶ月で、3回目の北海道。
現在、北海道に渡るフェリーの研究中。