今回はダイハツ・タントの試乗記をお送りします。
さて、このブログもどき・自動車カテゴリを書き始めてから、いつも以上に自動車の事に網を張っています。
その網に1台引っかかりました!
社用車を修理に出している際に代車として貸し出されたタントです。
実は・・・軽自動車にあまり良いイメージを持っていません。
2年ほど前に、代車として貸し出されたワゴンRに乗って懲りています。タントは先代のムーヴの焼き直し・・・と言うことは知っていたので期待を抱かずに試乗はスタートします。
試乗に選んだのは仕事の客先である八ヶ岳倶楽部です。
高速道路からキツ~い登りが待っているワインディングです。
なお・・・生まれて初めての軽自動車で高速道路です。
◆試乗データ
試乗日 : '07/8/6
走行距離 : 120km
試乗コース : 高速道路(60%)・ワインディング(30%)・市街地(10%)
試乗車走行距離 : 1.2万km
試乗中平均燃費 : 15.3km/L(車載コンピュータ値。当然のごとくメーターは甘いハズ)
備考 : タイヤ空気圧=指定。試乗中はエアコンを常時使用。乗員は男性2名
今回の試乗のメインは高速道路とワインディングです。
この車の不得意とするゾーンに車を持ち込んでしまいました。
この車の売りとする広々とした空間は、多くのマイナス要素に負けてしまいます。
高速道路主体の場合はこの車は向きません。
高速道路で良いところを捜すと・・・高速巡航時の風切り音の少なさは十分に評価出来ます。(Aピラーまでが遠いため=静かだがピラーがジャマ)
必要かどうかは置いておいて・・・もの凄いレッグスペースがあります。
運転席は身長170cmの私に合わせています。後ろの席は一番後ろだとこれだけのスペースがあります。
仕上げの質感も、FIATの様に安価な材料を潔く見せていて好感が持てます。
止まっていれば、非常に良い車です。
実は・・・このページを書くのを非常にためらいました。
私自身の、評価は、「街乗り」と仮定しても非常に低い物となりました。
私以外に、代車を4日乗った者(20代女性=普段はAudi TT)。試乗中にナビシートにいた者(30代男性=普段はボルボ240の80年式)の全てが「コンビニ程度のお出かけにしか使い物にならない」という評価を下しています。
現オーナーさんがこのような他人の評価を聞いたら快いものではありません。こんな不愉快なページをつくって良い物かと・・・
困ったために、参考にとWebCGを見ました。
少し、ホットしました。
どうやらまったく同じ見解に行き着いていました。(やんわりと表現しています)
偶然ですがグレードまで同じ車だったので・・・
詳しくはWebCGへ (私と、まったく同じ見解です。)
運転席シート=○ 価格を考えるとムリはないか・・・という内容。
助手席=△ 明らかに、運転席と違う。なぜか・・・?
ブレーキ=○ 意外と良い。特に待ち乗りでのフィーリングは◎ ABS付が気になる
風切り音=◎ これには正直にビックリ。ドイツ車のサルーン並に良い(ロードノイズは軽レベル)
エアコン=◎ やはり、日本車はこの分野では断トツの出来
メーター=◎ 位置・色・形ともに絶妙
操作性=○ 合格点。全てのスイッチには車のコンセプトに応じた理由付けがある
乗り心地=△ 室内スペースを優先し乗り心地を犠牲に
高速安定性=△ 室内スペースを優先し高速安定性を犠牲に
タイトコーナー=△ コーナー限界は極めて低いが用途を考えればこれでOK
発進加速=○ 車に負担をかけない範囲で演出されている。決してイヤではない
ランニングコスト=◎ 不満は出るが確かにラングコストは安い(イニシャルコストが安いリッタカーの中古を推奨)
この試乗記を書いてから、さらに高速道路を20km程度走りました。(代車の返却の為)
やはり・・・高速ではダメダメです。加速路でベタ踏みでも本線に合流する前に安全と思えるスピードに到達しません。
通勤などで、この車(ベースグレード)を考えている方は気をつけてください。
今回は平均燃費、15.3km/Lとなかなか良い数字がでましたが・・・ドライバーは燃費オタクといっていい人物です。(タイヤを購入すると空力向上の為にゴムのヒゲを落とします。)
同じ条件で一般的なドライバーでは12km/Lと考えてください。
この良燃費もパワーを求めてターボグレードにすると崩壊します。
エンジンをターボにしても、乗り心地と高速安定性は改善されません。足回りの設計に起因しているので、どうにもなりません。
タントを候補にするなら、ムーヴの試乗も必要です。
今回は、「代車」と言うことで偶然にタントの試乗記となりました。
実はこの試乗記以前にもタントには良いイメージがありませんでした。
デビュー当時のCMで・・・小さな子供(小学生?)を乗せるシーンがあるのですがジュニアシートやチャイルドシートをつかっていないのです。
これだけ安全ということをアピールする自動車メーカーでこの姿勢はどうしたモノかと・・・
ジュニアシートはカッコ良いくらいのイメージを子供たちに持ってもらわないと、「ただ動けばいい」というユーザーを増やすことになります。
そうすると・・・20年後の自動車文化は日本の自動車メーカーではなく更に安価な中国車などを購入するハズです。
軽のハイトワゴンがあふれる
↓
車に乗る楽しみが無くなる
↓
車に興味がない子供が増える
↓
安価な中国車にユーザーが流れる
↓
国産車の地位が無くなる
タントに乗ってわかったことは「これを良しとする日本の将来が心配」ということです。
今はたくさん売れて良いのかもしれません。
しかし、この様なことを繰り返しているとユーザーの目が衰えていくはずです。
日本車も、外車もまじめにつくられているモノは私は好きです。
今回のタントはその車には当てはまりませんでした。
勇気をもって、この車を認めるべきではないとコメントします。
最後に・・・
ダイハツにはWebCGにて五つ星評価とされた、ムーヴがあります。
どこかで試乗をし軽ハイトワゴンの未来は明るいのかを見切る必要があると考えています。