←昨日届いたPCケース2台
・左:CORSAIR Carbide air 540 約1.9万円
・右:be quiet! SILENT BASE 800 約2万円
購入前にネットを調べた限りは・・・
CORSAIR Carbideair 540 = 概ね良好
be quiet! SILENT BASE 800 = 評価数少なく悪め
ケースは、いつもなら実店舗で現物を確認します。
特に初めてのメーカーの採用には慎重になります。
しかし、今回は通販にて購入。
CORSAIR は、今回で2回目の購入。
最初は4年前に 550D(ミドルタワー)を採用。
自身のワークステーション(LGA2011)ケースとして4年間使用しています。
2回目の購入に踏み切ったと言う事は、満足していたことを意味します。
ただし・・・「次は、CORSAIRは買いません」
carbide air 540は、ステッチャー+簡易サーバー。
SILENT BASE 800は、レタッチャー用として購入しています。
どちらもデザイン事務所で用いられ、一線級の2D画像加工用途に用いられます。
carbide air 540は、デュアルCPU(Extended ATX)も検討の中に含まれ、10本程度のHDとSSDが搭載される可能性があります。
なお、Corsair Obsidian 900D を購入したかったのですが、寸法的に置き場に入らない為に断念。
PCケースをブログもどきで扱うのは初めての事。
ブログもどきは独自路線であることが特徴。
そこで取り扱うと言うことは・・・
そうです。取り扱うべきネタがあったのです。
それは・・・ 「コルセア carbide air 540は、評判ほど良くないぞ・・・」が今回のネタです。
このケースの最大の特徴は、左右に分かれた「デュアルチャンバー」
マザーボードが収まる部屋には、5インチベイや電源がありません。
故に、大きめのマザーが入り作業もしやすいのが売りです。
このメリットに関しては、確かにその通りです!
純正で3個のファンを搭載。
右から吸って左から出すという定番の配置ですが、HD等に遮られないことからグラボやメモリにフレッシュエアが届けられます。
デュアルCPU搭載可能(Extended ATX)で、適切に冷やせる。
ここに注目して購入されたケースです。
フロントのファンは上部に移設するというのも良いかもしれません。
吸気はフロントファンが取りつけられた場所からと、電源のある部屋から。
後部ファンのしたの穴はテープで塞いでと・・・
悲しいですが、このケースの褒めるところはココで終了。
以下は、期待外れの根拠として示します。
E-ATX対応となっていますが、ここには大きな疑問が・・・
純正で穴が空いていないのは許します。
全ての人にE-ATXが必要なわけではありません。
これが必要な方は、それなりな訳で・・・ 必要なクラスを購入するか、DIYするかです。
私は後者となるのですが・・・
予定位置には、大きな開口部が・・・
つまり、開口部を潰した後にスタッドを用意する必要があります。
ま~ 鋼板にスタッドを付けたアッシーを両面テープで位置決めすると考えれば良いのですが・・・
まさか、それを狙っているのかと考えて観察して見たところ3ヶ所中2ヶ所は、その通り。
残りの1ヶ所は裏板に穴開けが必要でした。
つまり・・・タダの偶然ですね。(設計力無し)
他の部分に魅力があれば、DIYを行って活用します。
しかし・・・読み進めて頂くとわかりますが、私はこのケースがキライになりました。
3.5インチHD取付位置の裏側です。
何も気遣いせずに電源を搭載すると、ケーブルを痛める事になります。
気を付けて搭載しても、ケーブルにストレスが入る事にかわりはありません。
コレを回避するには以下の二つの方法が考えられます。
※どちらも設計レベルで修正が必要。
A案 : 電源の搭載位置を外側へ
B案 : 裏側のHDの位置を適正位置へ
これが、底面に2基搭載できるHDスロット。
この位置を右に移動するとケーブル干渉は無くなります。
コスト増は無し。
熱や音の問題も無し。
設計者の技量が無いと言う事です。
なお、このベイは2.5インチ化も可能。
ただし・・・ネジを用いて取りつけると、ネジとフレームが干渉します。
こういう、Carbide air 540専用の設計部分の甘さが山盛りです。
なお、他と共用している部分は、現在基準の普通です。
ケース前面のフィルターを撮影。
フレッシュエアは、この位置からケース内に導かれます。
ホコリは、このフィルターで止められることになります。
掃除機で吸ったり、ブロアーで吹き飛ばしたりというメンテが発生します。
多くのケースでは、ヒンジ付きの扉などにより、このフィルターに容易にアクセスが可能。
このフィルターの掃除の際に問題が発生します。
前面フィルターの前には、カバーが取りつけられています。
カバーはホコリを止める能力はありません。
フィルター剥き出しでは、衝撃でフィルター面にキズが付くこともありえることから、ここは順当な設計。
でも・・・
ここまで辿り着くまでが問題です。
前面フィルターカバーを外すには、上面のカバーを外す事が必須。
この上面フィルターは、後ろでつまみネジにより止められています。
つまり・・・
1):後面のつまみネジ2個を外す
2):上面フィルターカバーを外す
3):前面フィルターカバーを外す
フィルターの掃除をするだけなのに、ケースの後ろのネジを外します。
奥まった位置にケースを置いてしまうと、日々のメンテナンスとして発生する前面フィルターの掃除の為に、後ろまで回り込む必要があると・・・
なお、このケースを用いる事務所は、当初からデザイン事務所として設計されています。
窓は、北側限定。
東面にも窓がありますが、完全遮光対応なので業務中は暗めです。
ケースは、前・後・左から即時にアクセス可能。
ケースを動かす事無く、カード交換が出来る、「事務所の設計」になっています。
この様な事務所なら問題となりませんが、机の向かい合わせや、壁に向かってなどという普通の配置では、フィルターの掃除の度に本体を動かす必要性が出てきます。
2.5インチのラックです。
連装で、4本搭載可能。
どうやら、コンパクトなケースから拝借したのでしょうか?
この位置は、ご覧の様に電源の直上。
問題となりそうなのは、満載した際に電源で接触してビビリ音を発生しそうなところです。
ラック上面には、膨大な無駄なスペースが広がっています。
このラックを10mm上げても体勢にはなんら影響がありません。
絶対的な容積は大きいのです。
マザーボード側は、CPUクーラーや各種カードの冷却を考えると、この広さは有効に用いられます。
しかし・・・電源側に関しては、この広さが無駄に割り振られています。
広い空間に、各要素を、「ポンッ」と置いただけ。
その位置に、説得力がありません。
結果として、空間が死んでいます。
上面は、簡易的なカバーが付くのみです。
めくら蓋やフィルターは純正部品にはありません。
水冷システムを装着するなら都合が良いのでしょう。
しかし、空冷なら・・・ ここを負圧とするのか正圧とするのかが気になります。
純正のファンを3つ稼働すると・・・
吸入ファン×2個
排出ファン×1個
素直に考えると、この位置は正圧となります。
設計的にスッキリとしたいなら、ここは塞いで背面からの排出とした方が空気の流れはイメージしやすいかも知れません。
前面の2つから吸入して、背面に排出。
一般的には空気の障害となる、5インチや3.5インチのベイは無し。
電源・2.5インチ・5インチが収まる別室にはファンが付いていません。
ファンの後付けも非改造では困難です。
後ろ面に簡単な穴が空いているのみ。
上面は塞がれています。
電源は外部から吸入して、普通に排出する設計です。
つまり・・・
閉鎖空間の誕生です。
ここの空気は淀んでしまうことが確定。
「なぜ、ここの上面を解放しない」と、少し怒ってみます。
解放して、ファンを付ける。
2.5インチベイ付記に穴をあければ良いでしょう。
あ~ それなら、上部ファンの直下に2.5インチベイの方がより良いですね。
このケースは、Corsair の完全オリジナルと読んで良い設計です。
参考となる過去の優秀な設計は市場には見当たらないことからの設計能力が試されるケースです。
その答えは、ご覧の通りの結果となりました。
一言で言うと、「設計者が未熟」という事です。
どこかにある設計が優秀なケースをコピーするなら、問題無いという事でしょう。
事実として、4年前に購入しているケースで大きな不満点はありません。
これは、何かのコピー品なのでしょうね。
今の時代では優秀な設計のケースを生み出しても、簡単にコピーされてより安価に販売されて、魂の入った設計は埋もれてしまうのだと思います。
ユーザーは、ネットの評判や絶対的な価格のみを重視して選択。
私自身も、ネットの評判を鵜呑みにして、失敗しています。
やはり、ケースは現物を見ないと良い(自分に合っている)物は、見つかりませんね。
いくつになっても勉強です。
このケースは、デュアルCPUという道は閉ざします。
ストレージ搭載量が少なめなレタッチャー用として社内で用いる事にします。