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撮影テスト結果を公開しない? それには理由があります

2008年12月5日の出来事

該当ページのアクセス解析結果

某掲示板からリンクが張られたことにより、突発的にアクセスが集中しました。
同じサーバーに同居しているサイトに迷惑を掛けないためにアクセス制限を掛けようかと検討もしてみました。
しかし、アクセスが集中すると言っても1時間に1万アクセスは無いだろうと目処が経ったために、この件は社内では放置されることになります。

さて、今回の本題に入ります。
問題のページを見たと思われるネットの書き込みの多くは該当ページに好意的な内容ではありませんでした。
中には「この会社(0[Zero])が宣伝しているのじゃないか?」などという意見もありました。
疑って当然ですが・・・それは違います。
一応はネットのプロです。
それなりの企業のプロモーションに携わる身です。
「やるなら、もっと上手にやります!」(おっと・・・脱線)

さて、今回は良い機会ですので、ネット上での写真器材を中心としたレビューについて触れてみます。
置かれている立場でレビューの内容は違います
ここがポイントです。

なぜ、比較データを詳細に出さないのか?

キヤノン5DMarkⅡ 比較結果

←社内テスト画像から
同じ位置に固定したキヤノン5DMarkⅡとあるレンズの組み合わせです。
特定のズーム域では絞り・ピントをどの位置に持っていってもご覧のようにフレアが発生します。
※右と左では焦点距離を変えています。絞りは違います。
このフレアですが・・・
使用するボディにより、傾向が異なってくるのです。
絞りを触るよりも、ボディーとの相性の方が大きいのです。
太陽の入る位置でも大きく変わります。
結局のところは所有している機材を総動員してベストな組み合わせを捜すことになります。
さらに、撮影後のステッチ・レタッチの関係で、フレアの出し方を意図的にコントロールします。

ここからが本題です。
「撮影機材や設定を、何故公開しないのか?」
これには明確な理由があります。
機材テストはかなりの費用と時間を必要とします。
例えば・・・5DMarkⅡは購入後に2日間をかけてテスト撮影を行っています。
5Dにての蓄積があることから、主に弱点の確認。
さらに、実務で使用することが多いと思える条件下でのテスト撮影などです。
これだけに2日を使います。
この段階で、限定付に実務に投入。(お客様にテストが不十分であることを伝えます)

全てを公開しないわけではないのです。
・考えれば、直ぐにわかること。
・簡単なテストでわかること。
これらは記事にします。
例えば・・・ ・5DMarkⅡとD700の写りの比較では昼も夜も5DMarkⅡの方が画質がよい。
・5DとD700の写りの比較では昼ならば5DとD700は同等の写りをする。
こんな内容が該当します。

ところが・・・
・あるズームレンズはワイド端から2mm戻すと強いフレアがでる。
・あるレンズはタル収差は少ないが周囲が甘くなる。
これらについては二つの観点からお知らせ出来ないのです。

理由その1:個体差がある

ボディもレンズも個体差が少なからず存在します。
俗に言う「当たりとハズレです」
「同じ組み合わせのに結果が違う」などと思われかねないこともありますので、公にするには問題があることもあります。

ニコンE5000 過去の機材テスト例をご紹介します。
4~5年ほど前にニコンのE5000(ハイアマチュア向け)を12台購入したことがあります。
写真はヤフオクで売却するときの写真。
純正のフィッシュアイも6本購入しています。売却時にはプレミアが付いていたような・・・記憶があります。
これらのカメラとレンズはラジコンヘリコプターによる空撮CubicVRの撮影の為に同じ色調となる3台を揃えるために購入しました。

1セットに3台のボディーとレンズ。
スペアのセットも必要なので、最低でも6台のカメラを用意する必要がありました。
カメラ間の色調の差が激しかったために、12台購入したカメラのなかから色調の近い3台をセットにしていました。 ヤフオクなどでシリアルナンバーなどをききながら、売ったり買ったりしながら12台を購入しました。
この時にもニコンのサービスセンターなどにも相談しましたが色調の差は製品として合格レベルとの事でした。
ここまで、徹底的に検証を行っています。
「個体差はここまであるのか・・・」と確認する良い機会になりました。
メインとする機材は理想的には3つ購入。その中からメインとサブを選択。
残りは処分が理想と考えます。
ここまで、考慮するとコメントの出しようがありません。
1台の検証のみで言い切るのは危険です。
しかし・・・個体差がプラス・マイナスのどちらに振れても、「良い物は良いところで留まります」
これなら、「良いですよ」とコメントは残せるのです。
具体的には言うと・・・
5DMarkⅡの写りの良さとD700の手触りの良さです。
レンズに関しては極めてコメントが出しにくい項目です。
当たりレンズもハズレレンズも「どちらも正常品」と言うことが多いのです。
社内にも、極端に写りが違うレンズのセットがゴロゴロと転がっています。

理由その2:同業者に公開したくない事も・・・
写真部専用車両

私たちが検証した結果は同業者である、空撮業とバーチャルツアーの制作会社に取っては非常に有益な情報です。
5DMarkⅡがバルーン空撮ではベストであるという結論には直ぐに行き着くはずです。(画質と重量のバランスから)
重量的・価格的に同クラスと撮り比べれば、直ぐに答えに行き着きます。
ですので・・・使用しているカメラについては公開させて頂いています。
但し・・・どのレンズをどのように用いるかは基本的には社外秘として扱われるべき内容です。
この部分に関しては手間も費用も必要とします。
キッチリと検証された結果での撮影ははき出す画の違いとして現れます。
これは他社との差別化の為に必要な研究です。
それ故に・・・一番肝心なところは非公開とさせて頂いています。
バルーン空撮を行うために、全長5mのバルーンと全高2.6mの専用車両を開発するような会社の撮影検証です。
精度は高いと考えて頂いて良いのでは無いでしょうか?
ある意味、デジカメとレンズは安い機材です。

空撮であるが為の面白い検証結果を・・・
「上を撮る」と、「下を撮る」で写りが違う・・・
フレアの出方に個体差があるレンズが存在するので、この様な使い方をするときがあります。
こんなところまで検証をして頂ける記事はネットでも雑誌でも無いので結果として自身で行うことなります。

コラム:検証結果を公表する媒体とは?

ネットなどで検証結果を公開しているサイトが見受けられます。
巨大掲示板などで、触れられるそれらのサイトには・・・
ネット広告が貼られています。
つまり・・・検証を行う財源がキチンと確保されているのです。
検証結果に手間がかかっても、アクセスが増えて広告収入が増えれば・・・それでOKなのです。
エンドユーザーが欲している内容を出さなければ、アクセス=広告収入も増えないことから、一生懸命書くことになります。
注意が必要なのはスポンサー絡みの記事です。
ネット・雑誌を問いませんがこれらの記事はスポンサー寄りに書かざるを得ないというのが実状です。
その辺の事情を考慮しつつ、記事を読みこなすというのが・・・醍醐味(大人の納得)と考えますがいかがでしょうか?

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