トレスホームズ プラスゼロ
concept | owners grant
良くある質問 木製玄関ドア

質問:
子供部屋と主寝室の音対策をしたい

回答:
間取りを工夫。家具にも配慮。建物側に遮音対策。
総合的に遮音計画をする必要があります。

Q00020:ツーバイフォーは音が気になるの続編です。

2階の水平方向の遮音。
子供部屋と主寝室などの遮音についてお答えします。

間取りの工夫:横方向の遮音

・寝室と子供部屋の間にウォークインクローゼットを配置
・子供部屋1と子供部屋2の間にクローゼットを設置
・部屋と部屋を廊下で切り離す

間取りによって「音を切り離す」というイメージです。

様々な遮音材が販売されていますが空間的に切り離す方法には費用対効果で劣ります。

住宅の遮音に疎いハウスメーカーや工務店はこの対策のみで、「十分」とする事も見受けられます。
注意が必要です。

家具の工夫:発生源付近で減衰

音は振動で伝わります。
この振動を、発生源の近くで減衰(弱く)するという考えです。

・ラグを敷く
・厚手のカーテンに交換

全て吸音からの対策です。
ファブリックのソファーなども有効です。

「本棚を置く」などと対策を紹介する場合がありますが・・・
これは効果としては限定的です。
音は振動で伝わる。
小さい穴も通る。

本棚では上部の内壁に未対策の部分が残ることから、大きな効果は期待出来ません。

かんたんに体験できる吸音効果

寝室の掛け布団を壁に、掛けてみてください。
ソファーの上に掛ける程度でも違いはわかるハズ。
これが一番簡単な、吸音効果のテスト方法です。

引っ越し直後の部屋は音が響きます。
家具を置くと、この響きは弱まります。
それは家具が音を拡散するから。
吸音と同時に拡散も同時に実現します。

音は拡散させると、大きな面積で減衰が可能になります。
より、周囲に音が漏れることを防いでくれます。

建物側の遮音対策

子供部屋と主寝室の音対策に絞って、建物側の対策をご紹介します。
音に関しては一点豪華主義は通りません。
総合的に、強化する必要があります。
90%の部分が合格点でも10%が落第なら、音はそこから通ってきます。

弱点を強化するというイメージです。

壁の構造

住宅の内壁(子供部屋と寝室)には断熱材を入れないことが一般的です。
ここに吸音を目的としたグラスウールを施工します。
壁の仕上げ側に、吸音材を貼るのは部屋のスペースが無駄になるので壁の中に内蔵するというイメージです。

プラスターボード(壁の下地)は普通の住宅では12.5mmの厚さの物を二重貼り(2枚)することが一般的です。
アパートなどの内壁の多くはこのクラスです。

このプラスターボードの枚数を増やします。
一般住宅では六重貼り(6枚)まで補強すれば十分でしょう。
プラスターボードの価格は専門の遮音材に比べれば安価です。
遮音は、「厚みで性能が決まります」
多少性能が劣っても、物量を投入するほうが結果が伴います。

なお、内壁の仕上げ材に漆喰などは遮音の観点からは不利。
表面硬度が固いことから、音が響いてしまいます。

小屋裏の構造

小屋裏 小屋裏とは天井の上の場所の事です。
音は天井から小屋裏に入ります。
そして、小屋裏を経由して部屋に入ります。

ならば、天井にプラスターボードを厚く貼って・・・となりそうなのですがここは違います。
天井は上から吊ることから重量があるプラスターボードの重ね貼りは費用対効果の観点から不利です。
また震災対策の観点からも推奨できません。

ツーバイフォーでは小屋裏遮音に有効な方法があります。
それは、「小屋裏を持たないこと」
つまり、傾斜天井としてしまえば小屋裏に回る音は防げます。
屋根から音を逃がしてしまうというイメージになります。

傾斜天井は普通の天井よりも高コストになります。
しかし、天井の中で見えなくなってしまう遮音壁にコストを回すよりは価値のあるコストに思えます。

傾斜天使とすると、内壁の面積が増えます。
内壁は天井などと比べると施工が容易であることから、現実的なコスト増の範囲でカバー出来ます。

2階床と1階の天井

2階の床から抜けた音は1階の小屋裏を経由して伝わります。
ここは2階の小屋裏と同じ理屈です。

ここでは1階と2階の、「間」に注目します。
2階の小屋裏と比較すると、この場所は小さめです。
遮音壁を設置するとしても、小さい面積では無いので費用対効果高いと言えます。
仮に「遮音壁」を設置する場合も、プラスターボード1枚でも効果は十分にあります。

工務店などに「遮音」をお願いすると軽視される部分です。
内壁から伝わらなくても、床から隣の部屋の話し声が入ります。

ここにも吸音材(グラスウール)は有効です。

まとめ

音対策はプランナー(設計士)の力量によって結果が大きくかわります。
優秀な設計士なら、追加コストは最低限で実用的な遮音性能は得られます。
悪い設計士は遮音床材などを真っ先にすすめる物です。(もちろん、必要な場合もあります)

何十万円も遮音材を投入したのに満足出来ない・・・これも良くあること。

どこにお願いするにしても、このページ書かれている最低限の遮音に対する知識が設計士にあるかをテストする必要があります。
「本棚の位置を工夫して」
「部屋の間にクローゼットを置いて」

この程度の設計士には注意が必要です。