Ver6_img

ラジコンヘリコプター空撮:トップページ

このページに関して
2003~2011に作成されたラジコン空撮開発関係のページを基本的には当時のままで公開しています。

諸事情から2017年4月5日を持ち、全ての空撮業務を休止させていただきました

なお、2025年10月からUAV(マルチコプター・モビリティー・VTOL等)の開発業務を再開する予定です。

最終更新日:2023/8/15
ラジコンヘリコプター
ラジコンヘリコプターによる、空撮業務一時停止のお知らせ

マンションの展望撮影については、
騒音による周囲のクレームと安全性の観点からバルーン空撮をおすすめしています。

また、現在は機材の開発中の為、業務の発注は一時停止となっています。
今後の開発進捗についてはラジコンヘリ空撮[技術解説]にて解説させていただきます。

中村俊輔 選手コマ撮影
ラジコン空撮休止の理由
2011年現在、自社開発されたバルーン空撮システムは、開発当初の技術目標を大幅に上回る結果を残しました。
これは、空撮に「革新」という言葉を用いても良いレベルです。

←アディダス×サッカー日本代表
中村俊輔 選手コマ撮影

風速10m/s超える条件での撮影。
直下には数百名のギャラリー。
ラジコンヘリでは撮影不可能な条件で、バルーン空撮を行っています。

雨・風などの天候を選ばず、絶対の安全性がある。
静止画を撮影するという仕事では、ラジコン空撮をする必要性がまったく無くなったのがラジコン空撮休止の理由です。

他社の選定の際にお役立てください : 機動性とランニングコストの安さが魅力のラジコン空撮

弊社に「ラジコン空撮」のお問い合わせをいただくことがよくあります。
現在は、ヘリ空撮は休業中であることから、すべてのお仕事のお話は辞退させていただいています。
しかし、この休止中の間にも最新の機材と他社の研究は絶え間なく続けています。
そこで、同業者から見た、ラジコンヘリ空撮会社の選定方法のアドバイスをさせていただきます。
業者選定に参考にしていただければ幸いです。

◆ラジコンヘリ空撮のメリット
ラジコン空撮の最大の魅力は、ダイナミックなムービーです。
このムービーは、実機でもバルーンでも真似が出来ない大変魅力的な世界です。
また、一般には余り知られていませんが、主要な空撮方法では最も安価です。
※ガソリンヘリでは、1フライト百円前後のランニングコストにて可能。

もちろん、機体のメンテナンスに時間も費用も必要ですが、それを含んでも最も安価であることはかわりありません。

つまり・・・
高度100m以下という限定をつければ、もっとも安価に撮影ができる方法です。
もしも、1日で数十万円の見積書が上がってきているならば、「その理由」を確認してみてください。
パイロットとオペーレーターが必要=2名分の人件費
燃料代=ガソリンなら数百円。電動でも数百円。
メンテが必要=産業用なら1フライト5万円(当社試算 1500万円の産業用ヘリコプターを用いる前提)。
電動ホビーベースなら1万円が相場。
相場よりも高額な見積もりを提示する理由はただ一つ。
それだけの価値があるパイロット(カメラマン)を使っているか?
ここがポイントになります。

ラジコンヘリ空撮を安全性から考えます。
安全性という観点からは、もっとも危険な空撮。
これは、ホビー用でも産業用でも大きくはかわりません。
デジタル一眼レフが搭載可能なラジコンならば、人命に関わる事故の可能性は常に考える必要があります。
一部のラジコン空撮会社には、制御不能になった際に墜落する可能性のある範囲に、第3者がいることが良くあります。

この頃はUAVタイプの機体も、産業・ホビーの両面で出てきました。
こちらは、ローター(回転翼)が、同等積載量の通常ヘリコプターよりも小さい事が最大のメリットです。
これにより、墜落時の危険率は確実に下がっています。
しかし・・・
墜落すれば、人がケガをする事はかわりありません。
つまり、日本では人の上では飛ばしにくい事はかわりありません。

事故の際には、空撮会社以外にも発注元のクライアントにまで責任が問われる可能性が高いので注意が必要です。
高速で回転するブレードが人に当たればどうなるのかは、誰(発注者)にでも予測出来ます。
つまり、裁判になれば完全勝利はあり得ません。
「保険に入っているから大丈夫」などと業者は言うかもしれませんが・・・
重過失があれば、保険金が支払われないのは常識です。
エンジン・モーターを問わずに、動力にトラブルが生じた段階で墜落に直結するのは当然の事。
これを想定出来ないとは・・・言い切れないでしょう。

事故原因となりうる主な原因は、機体側にあります。(優秀なバイロットは、極めて安全)
どんなに高価な産業用ラジコンヘリコプターも、ホビー用と同一の設計となっています。
特定の部品が故障をすると、即時に墜落という危険性を持っています。

ラジコンヘリ空撮は、人が全く居ないという条件ではおすすめ出来る空撮方法です。
ゴルフ場・休業日のリゾートホテルなどのイメージムービー撮影には最適です。
しかし、都市部の撮影ならバルーン空撮かクレーン空撮を採用してください。
当社で無くても構いませんので、バルーンかクレーンです。

◆業者選定のポイント
・任意保険に加入している(最低限の資質)
・他人のいる場所で撮影を行わない(安全上のポリシーの確認)
・数年以上の撮影実績がある(5年以上の実務実績が一つの目安)
・忙しい(業務が安定している証拠)
・サンプルがキレイ(ここが駄目なら、安全性のポリシーなども低いことが多い)

その撮影には、ラジコンヘリが最適かの判断。
その後、上記の項目を参考に業者を探してみてください。
マンション・お祭り・学校などをサンプルとして提出してくる会社は、安全に関するポリシーが低いため避けるべきと考えます。
安全に関してのお話をキチンとしたうえで、キレイなサンプルを出してくる会社がベストです。

0[Zero]の機体開発の歴史

弊社のRCヘリコプタは、デジタルカメラ・パワーソース・レンダリングエンジンの向上に合わせ、非常に短い期間で様々な機材開発が行われました。
ここでは、実務としてラジコンヘリコプターを用いていた2007年までの主な開発機体をご紹介します。

機体バージョン 備考
Ver 3.2c
ロータリーガソリンエンジン
JR GSR260ベース
デジタル一眼レフ×1
2006年4月~9月
開発停止中
★★★★:画質
★★★★★:撮影精度
★★★★★:信頼性
Ver3.1のグローロータリーエンジンをガソリンロータリーに換装された機体。
急激なリチウムポリマー電池の進化から、エンジンによる機体開発を一時的に停止することにしたために事実上の最後の機体。
ガソリン化により、煤煙は無色となり画質面では十分な物となりました。
十分な慣熟をしていないため信頼性の確認が取れないことが残念でした。
この機体は、ガソリンレシプロエンジンに換装され、パイロットの慣熟トレーニング用として稼働しています。
Ver 3.1
ロータリーグローエンジン
JR GSR260ベース
デジタル一眼レフ×1
2005年10月~2006年4月
廃棄機体
★★★★★:画質
★★★★★:撮影精度
★★★★★:信頼性
Ver3.0の燃料を信頼性の高い物に(オイル成分の変更)変更しました。
しかし、排煙が目立つために画質面で問題が出ています。
Ver 3.0
ロータリーグローエンジン
JR GSR260ベース
デジタル一眼レフ×1
2004年6月~2005年9月
廃棄機体
★★★★:画質
★★★★★:撮影精度
★★★★:信頼性 慣熟飛行後★★
振動の低減を狙い、大型のロータリーグローエンジンの機体を独自に開発しました。
グローエンジンは、白色の排煙を出すため、燃料メーカーに特注した燃料とアルコールを混合し十分な信頼性と画質の向上を狙った機体です。
この機体は狙い通りに、振動が少なく排煙が無色に近くできましたが、慣熟飛行によりエンジンに十分な耐久性が無いことが判明しました。
10フライト前後で新品エンジンに換装するという条件をつければ、最高の全天パノラマ撮影機体です。
※注意:上記コメントは2005年現在のデジタル機器での評価。
Ver 2.2
ロータリーグローエンジン
JR GSRベース
500万画素×3
廃棄機体
★★★★★:画質
★★★★★:撮影精度
その当時としてはハイエンドの500万画素クラスのデジタルカメラ3台により360度の撮影を一瞬で行うという先進的な機体です。
RCヘリコプタによるパノラマ撮影としては、完璧と呼べる完成度を誇りました。
しかし、3台のカメラの色傾向が合わないため、画像加工段階で開発を止めることになりました。
その後、カメラの色を合わせるために予備機を含め10台以上の同型機を購入しましたが、この問題は解決出来ませんでした。
他社に同様のコンセプトの機体が確認できましたが、同じ問題を抱えたままサービスをしているようです。
この色さえ合わせられれば、究極の空撮パノラマ専用機です。
Ver 2.0
ガソリンレシプロエンジン
JR GSRベース
デジタル一眼レフ×1
廃棄機体
★★★★:画質
★★★★★:撮影精度
最も普通の機体です。
デジタル一眼レフの採用から画質は上がりました。しかし、撮影精度は相変わらず低いため、次の機体開発に入ることになります。
このページの最上部の画像は、この頃の機体です。
Ver 1.6
レシプログローエンジン
50クラス機ベース
500万画素×1
2003年4月~
廃棄機体
★★★★★:画質
★★★★★:撮影精度
★★★★:信頼性
空撮用としては非常に小型なRCヘリコプターにデジタルカメラ1台を組み合わせた機体です。
1台で360度の撮影をするため、上空ではホバリング後にピルエットをする必要がありました。
この頃は、ゴルフ場でのパノラマ空撮の可能性を捜していために、ゴルフカートでの移動が可能ということが開発前提でした。 ゴルフ場では林が近いため、近距離かつ高々度のホバリング+ピルエット。さらにはペイロードがあることから、操縦技術を必要とする機体でした。
同種の機体は数台を開発しましたが、この頃発売された一眼レフ用の全天フィッシュアイを積むためにペイロードが足りなくなり、開発は中止されました。
将来的には、ホテルの中庭など、バルーンでも吊り下げ式でも撮影困難(普通のRCヘリコプタでは威圧感がありすぎる)な条件で同様なコンセプトの機体を開発する可能性はあります。
同業者向け、安全に関してのコメント

このページでは、一部の空撮会社にとっては公表して欲しくない内容が書かれています。
特に、「ラジコンヘリが危険」と言い切っている点です。

ここでは、ラジコンヘリ・クレーン・バルーンなどを用いる空撮業者向けに、弊社の安全に関する今後の方針を述べさせていただきます。

特許申請済バルーン 特許出願までの道程
ここでも述べていますが、産業ヘリ購入予定の予算をバルーン開発に投じたのがスタートです。
この時点で類似する空撮会社は無いと言えます。
産業ヘリを採用しなかった最大の理由は、メーカー側の安全ポリシーの低さに落胆した事。
日本の技術をつぎ込んだ?総支払額1500万円は、対価としてはお粗末過ぎます。
これなら、200万円の予算で自作を行った方が、安全性の点では優秀な機体が作れます。
つまり、産業ヘリの採用で安全性は問題なしという考えの方は真っ向から否定します。

弊社の安全ポリシーでは、産業用ヘリを都市部で飛ばすのはアウト。
郊外でも、上昇させた高度×2の半径(100mの高さなら半径200mの範囲)に、第三者がいるのもアウト。
理由は簡単。
どんなに整備を行っても、墜落の可能性は常に付きまといます。
上空で、都合の悪いサーボが壊れた場合は、走った上で制御不能という最悪のパターンも考える必要があります。
この点に関しては異論が無いでしょう?
それでも、事故の危険性はゼロにはならない。

「そんなことを言っていると、飛ばせない!」

その通りです。
結局のところ、ラジコンヘリコプター空撮に代われる安全な方法があるなら、そちらにシフトすべきなのです。
つまり・・・
ラジコンヘリコプターが主流と思われるマンション景観撮影は、すべてバルーンに統一されるべきです。
今後もネット上を中心に、弊社ではこの方向を強力に進めます。
その上でラジコンヘリ空撮に再参入する予定です。

RCヘリによる空撮の生き残りは、以下の二つ。
・安全な場所での、安定した動画(需要の90%)
・機動性を生かしたダイナミックな動画(CM・映画など)

前者の撮影には、産業機。
後者の撮影には、業務に特化させた専用機。
今までのような、クライアントから言われるがままのスチール撮影の技術では生き残る余地はありません。

弊社では、空撮業務を恒久的な仕事として育てています。
故に安全は、絶対の条件。
もしも、安全ポリシーが低い者によって引き起こされた事故によって業界が衰退するのは大問題です。

今後も空撮の安全性を周知させる動きを続けます。
何とぞ、ご理解のほどをよろしくお願いします。

Home | ドローン空撮 | バルーン空撮 | 社長ブログもどき | 会社概要