質問:
Q00053:クーラーに頼らない家をつくりたい。
回答:
冷房に頼らなくても、植栽や間取りの工夫。
断熱材の選択などで暑さは軽減出来ます。
直射日光を遮りつつ、通風の確保。
これがポイントになります。
断熱材や通風層の確保など建物側の対策も必要ですが植栽なども含めた計画が必要です。
地域と、住まう人の考えで、ご提案は多岐に渡ります。
木造在来工法のメリットの一つ。
ツーバイフォー工法と比べ窓が大きくつくれる
これが「クーラーに頼らない家をつくる」には魅力的に感じます。
確かに、数十年前のライフスタイルでは木造在来工法が向いているのは事実です。
しかし・・・
現在は違います。
窓などの開口部が大きいと言う事は冬場の断熱性能が落ちる事も同時に意味します。
「冷房がいらない」などという地域の場合は冬場が厳しい事は当然。
年間を通して住む事になる住宅なら、おすすめできません。
※夏専用の別荘なら、一考の価値はあると思います。
どんなに大きな窓をつくっても、風が抜ける窓が無いと風は室内に入りません。
プランニングの際に重要なのは、「風の入り口と出口をイメージする」事。
入り口は掃き出し窓。
出口はトップライトという設計は特に有効です。
暖められて天井付近に貯まった空気をトップライトから優先的に屋外に導く事が出来ます。
暖かい空気がトップライトから抜ければ、窓からは新鮮な空気が入ります。
無風の熱帯夜などの条件でも、空気の対流を上手に利用すれば、室内に風はつくれます。
夕方の室温を著しく上げるのが西日。
これを遮る落葉樹は日本の住宅では古くから見られます。
敷地が狭い関係などからこの方法が採れない場合は西側の窓を小さく設計し、スダレなどで西日をカットする事になります。
スダレなどを用いると風も入りにくくなる事から、落葉樹による西日のカットが最適である事は覚えておきましょう。