質問:
原発災害に強い家が欲しい
回答:
現実的なコストの範囲でご提案させていただきます。
福島第一原子力発電所事故。
これにより、原発事故も災害の一つと考える必要性が出てきました。
Tres Homes +0 [トレスホームズ・プラス・ゼロ]では、「工夫」で出来る範囲の現実的なコストの範囲で、原発災害に強い住宅のご提案を行います。
屋内退避。
もしくはこれに準ずる事態になった場合。
放射性物質を住宅内に入れない。
これが何よりも重要な対原発災害対策です。
・安定した気密性を長期間に渡って維持
・一時的な、「密封」が可能
この条件を安価に叶えるのが木造ならツーバイフォー。
木造在来なら、気密性で同等性能にするには余計なコストが必要。
軽量鉄骨に関しても同様です。
家を支える構造体が気密を兼ねてしまうのがツーバイフォーのメリットです。
耐震性も同時に考えると、木造在来工法のメリットは薄れてきています。
北海道や青森など、寒い地域では防寒の観点から風除室がつくられます。
二重の玄関というイメージです。
風除室をつくるかどうか迷っているなら、これからは積極的に風除室をつくった方が良いでしょう。
なお、東京などの一般の地域では風除室は現実的な選択肢ではありません。
メリットよりもデメリットが目立ちます。
◆都内での風除室のデメリット
・建築コスト
・普段の出入りが面倒
ビルトインガレージにシャッターを取り付けると、風除室と同様の機能が期待出来ます。
出入りの際に、外部の空気が室内に直接入ることを防ぎます。
この際にガレージと室内のドアは玄関ドアと同等の気密性能が必要です。
風除室やビルトインガレージなど本格的な隔離スペースがつくれない場合も多い事でしょう。
この様な場合、サービスヤード程度でも屋外にスペースを設けるのも良いことです。
この場所に屋外コンセントを配置すれば、ブロアーなどのホコリを飛ばす器機が使えます。
避難指示などが出ているときには換気システムを止めて住宅を密閉します。
この様な時にはファンヒーターなどの室内の空気を利用する暖房は一切使えません。
蓄熱暖房や床暖房。
石油を用いる場合も、FF式は問題ありません。
しかし、FE式は問題があります。
FE式は室内の空気を使って燃焼することから、結果として外部からの空気を導いてしまいます。
同様の理由から、吸気パイプを屋外に設置していない普通の薪ストーブの使用も出来ません。
可能な限り外出をしないことも重要です。
屋内待機などの状況では水道の水などに関しても信頼性が落ちます。
食料も袋に入り密閉保管された物が最適です。
食料、水の常時備蓄を行う小さなスペースの採用も検討しましょう。
なお、食料庫と勝手口を兼ねる場合は注意が必要です。
この間取りの場合は有事には勝手口を封鎖することになります。
さらに、目張りなどで密封も検討します。
暖房に関してはそれほど重視する必要は無いでしょう。
福島第一原子力発電所事故の様に、避難指示が出ているエリアからは遠いことでしょう。
この場合は日常生活の中で蓄積される、レベルの低い被爆を屋内に持ち込まない事がポイントになります。
自動車が生活のメインならビルトインガレージの採用が最適です。
雨が降っても一切濡れることなく家に入れるのは非常に大きなメリットです。
自転車が多い場合はサービスヤードの採用。
可能なら、周囲の覆いを地面付近まで伸ばしてください。
徒歩メインなら、玄関にシューズクローク。
玄関の外でブロアー。
シューズクロークで着替えというイメージになります。
暖房に関しては普段の使い勝手とランニングコストも重要になります。
やはり、薪ストーブは外せないところ。
計画停電などの対応にはこれがベストです。
補助として蓄熱暖房。
電気が止まって、屋内待避が出ているとする。
ここまでカバーしたいなら、屋外吸気の(それに準ずる)薪ストーブになります。
これ以外は関東近郊とそれほど変わりません。
雪が多い地域なら、ビルトインガレージはとても有効です。