質問:
いろりを使いたい
回答:
「可能です」
しかし、おすすめはしません。
気密性の高い現在の住宅内でも、囲炉裏の採用は可能です。
しかし、雰囲気というメリットよりも、快適性・コスト面からのデメリットが目立ちます。
現在の住宅は気密性が高いのはご存じの通りです。
藁葺きの古民家などでは気密性が無いに等しいことから囲炉裏でも問題はありません。
しかし、現在の住宅に必要される性能を維持したまま、いろりを使おうとすると・・・
換気に気を使うことになります。
焼き肉屋さんの換気扇。
これがもっともイメージに近いかと思います。
煙の発生源の、上か下から排気する必要があります。
それも、薪ストーブの様に自然と排気することは困難なので、モーターを用いて排気をする事になります。
焼き肉屋さんでは雑踏で気がつきにくいのですがこの音も雰囲気を壊します。
コストを落とすと、上からの排気となるのですが排気と同時に室内の暖かい空気も同時に排気してしまいます。
床付近の冷たく、汚れた空気を排気する薪ストーブが如何に実用的かがわかります。
雰囲気を重視するなら、排気ファンの位置や性能を厳密に設計。
それでも、囲炉裏の上には大型の吸気ダクトが鎮座することになります。
天井の照明を落として、ダクトを目立たなくする事なども可能ですが・・・
現在の住宅ではデメリットが目立ちます。
比較的暖かい地域とし限定します。
その場合は古民家再生に断熱材の不使用という限定なら、囲炉裏で問題はありません。
断熱材を使うと、壁内結露を呼び込むことになります。
それを防ぐ為に、気密層を持つと排気不足に陥る。(ダクトは使わないとして)
つまり、100年前の日本住宅の、「まま」移築するという事です。
これなら、囲炉裏の使用は可能です。
一部には古民家再生に断熱性を加える業者もありますが注意が必要です。
どのような方法をとっても、大きな木材は、「動き」ます。
現代の住宅は室内と室外の温度差は昔の住宅よりも大きめ。
当然ですが100年前の民家であっても、木材は動きます。
集成材の柱でも、気密の確保に注意が必要。
無垢材。
それも、現在の規格よりも大きな木材なら現在の住宅の想定以上の動きをする事になります。
この木材の動きによって気密が保たれる保証はまったくありません。
断熱材メーカーなどのテストからも、想定範囲外になります。
気密が切れれば、そこに集中的に湿度は集まる。
つまり、内部結露が発生します。
質問とは離れますが・・・
古民家再生で、現代的な生活を望むなら、外張り断熱しか選択肢は無いと考えています。
木材を動かさないことが気密を保つポイント。
外張り断熱は木造住宅には必要無いとされていますが古民家再生に限っては最適ではないかと考えます。
なお、Tres Homes +0 [トレスホームズ・プラス・ゼロ]は輸入住宅(ツーバイフォー)です。
古民家再生は採用の予定はありません。