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桜塚やっくんは、亡くならずに済んだのか?

中国道山口下り線

◆2014年9月15日:加筆
以下のページに関して大きな認識違いがありました。
該当部分は取り消し線。一部加筆させて頂きます。

繰り返される、高速道路での歩行者死亡事故。
桜塚やっくんの事故をブログもどき的視点で考えてみます。

今回の事故では、私が解説するのに向いている要素が沢山あります。
・事故車両はハイエース
・事故発生は中国道
・東京から熊本への移動中

←山口県内の中国道(参考)
高速道路上の歩行者の事故に関しては、ページを起こそうと思ったことが何度かありました。
数年前にも、同居地域(山梨)の中央道にて3名の方が亡くなった事故も発生しています。(路肩にてパンク修理中)
参考までに、以下の過去ページもご参照ください。

山梨~熊本ルートの際に中国道を利用
中国道山口県内の下り線で飛び石事故

・事故発生:2013年10月5日午後4時50分ごろ
・発生場所:山口県美祢市東厚保町 中国自動車道下り線
・道路状況:360R 下り勾配5%
・路側帯:車両一台分以下
・事故車両:グランドハイエース

中国自動車道は設計の古い高速道路です。
事故当時も含めて交通量は少なめ。
平均速度も低め。
関東周辺で該当する高速道路はありません。
私の知る限りは、国内の高速道路でもっとも難度が高い道です。

◆2014年9月15日:加筆
事故の場所を、「中国道と山陽道の分岐後」と考えてましたが、正しくは、「中国道と山陽道の合流後」となります。
事故が発生した場所は、その地域の幹線となる高速道路。
交通量は、それなりにあります。
ただし、大動脈と比べると交通量は少なめです。

「危険な道路なら改修すれば良いのに?」
この様に考える方は多いかと思いますが、これは予算配分の関係から困難と思えます。
中国道は、夜間なら、「対向車が5分間来ない」などというレベルの交通量です。
PAには、車両が一台もいない。
SAにも、平日なら車は数台しかいないという利用量です。
非常に少ない利用者にもかかわらず、東京周辺の高速道路と同等のメンテナンスが出来るハズがありません。
この様な中国道の特性を理解する必要があります。
逆カントも・・・設計が古い高速道路という点で受け止めるしかありません。
個人的には逆カントよりも、道路幅に起因する見通し距離の短さが問題です。
なお、一部記事に「魔のカーブ」とされていますが・・・
個人的には、その認定は無し。
本物の魔のカーブは、事故で停止後に間髪を入れず大型トラックが突っ込んでくるような場所。
死亡事故になるという観点からは、中央道・阿智PA付近の、「魔のカーブ」がNo1です。
単純な曲がりでは、これ以上のカーブも存在しますが諸条件を考慮すると、ここが一番です。
確かに楽な道ではありませんが、「魔のカーブ」という程ではありません。
仮に、中国道が中央道と同様の交通量と仮定しても・・・中央道阿智の方が危険です。

何故中国道を利用したのか?
東京駅~熊本城をGoogleにてルート検索
中国道ルート:1,213km
山陽道ルート:1,189km
つまり、中国道は山陽道ルートよりも遠回りになります。
さらに、中国道よりは走りやすい道です。
ナビの推奨ルートを用いれば、「山陽道ルート」を通るのが普通です。
ならば、彼らが何故「中国道ルート」を選んだのか?
それは・・・長距離自動車移動が日常だったから。
山陽道は、道路その物は整備されているのですが大型車が多い。
結果として平均速度は上がらない。
中国道は、多少移動距離が延びますが平均速度は高く保てる。
自分の意志で中国道を選んでいるのは間違いありません。
なお、私も東京から熊本への昼間の直通なら中国道を選びます。

事故車両に関して
ハイエースグランドキャビン。
2008年に試乗しているレンタカーと同じです。
事故原因を考える為にポイントを上げます。
・ESC(横滑り防止装置)未装着
・足回りは純正と推測(純正鉄ホイール装着)
・走行距離は、10万km越えと推測(前期型=5年落ち以上)
日本の高速道路を走っている乗用車(3・5ナンバー)と仮定すると・・・
雨の中国道下り勾配5%の360Rという条件では、綺麗に走らせるには困難な組み合わせです。
私の様な走り慣れている者でも困難。
関東周辺の高速道路しか知らない方は、非常に困難。
ペーパードライバークラスがぶっつけ本番なら・・・
事故の可能性は、ぐっと上がってきます。

中央分離帯への事故は、発生して当然

過走行気味のハイエースグランドキャビンで、雨の中国道下り勾配5%の360Rを不慣れなドライバーが運転。
当然ですが事故の発生率は、高い物になります。
事故当時のドライバーであった桜塚やっくんの運転経験値が低いという前提ですが・・・
この組み合わせなら、事故発生も無理が無いと言えます。
タイヤの状況などは不明ですが、銘柄や残り溝には期待が出来ないとも思えます。
以下は推測となりますが・・・雨の高速道路向きのタイヤを履いていたとは思えません。
止まった位置と方向から推測すると、コーナー入り口で滑り出す。そして、驚いてブレーキ。
速度が落ちながら、ガードレールに突入という事故でしょう。
助手席側のBピラーと、運転席ドアの窓枠の歪みなどは、歩行者事故の時点で付いた物と思われます。

高速道路での歩行者事故

今回のポイントのひとつは、中央分離帯に衝突して止まってしまったこと。
新東名の最初の死亡事故も、このパターンで発生しています。
何よりも事故を発生させないことが大切。
これが第1ですが、以降は、「発生した」と仮定して話は進めます。

事故条件:中央分離帯に衝突して車両停止。
・ハザード点灯
これが、最初の作業。
以降は、置かれている状況で変わります。
交通量が多い道路の場合=車両内に留まる
交通量が少ない道路の場合=速やかに、道路外に出る

以上終了です。
発煙筒を・・・などという事は、個人的には必要無しと思っています。
この様なタイプの事故の場合は、何よりも自信の身を守るのが先決。
後続車が追突しても・・・現在の車両なら、死亡事故となる可能性は低い。
それよりも、発煙筒を取りに行って跳ねられるリスクの方が遙かに高い。
同様な理由から、交通量が多い高速道路なら後続車両が止まるまでは、車内に留まる方が得策。
一般的な推奨と異なりますが、私は上記の行動をします。

なお、事故の最初の犠牲者は、本線上(路側含む)で携帯電話で警察に通報していたと思われます。
道路外に出ていない事が最大の過失です。
同様に、車内の乗員が道路外に出ていなかったことも問題です。
ここを疑問に思う方もいるかと思いますが・・・
ココが、中国道である事がポイントです。
あまりの交通量の少なさから、和んでしまった事も理解出来なくもありません。
でも・・・まずは、道路外です。
とにかく、頭を冷やせれば二次災害が防げます。

ブログもどきをご覧の方へ

各所で、事故時の対応方法が記されると思います。
その内容は、至極当然の内容かと思うのですが・・・
実際は、役には立ちません。
この事故を切っ掛けに、その様な対処方法を知ったような方は、いざという時にも・・・その様な行動は取れません。
その様な方々には・・・実は、何を言っても効果は無いのです。
でも、不幸な事故は減らしたいですよね?
その様な方々の為に、ここから書いていきます。

◆即効性のある対策
・高速道路上での停車(関西周辺では、路側帯に結構止まっている)
・危険な場所でのタイヤ交換
・路肩(本線含む)の歩行者
この様な危険な方を見掛けたら、迷わず、クラクションを長く鳴らしましょう。
彼らは、自分が危険な状態にあるという認識をしていません。
それをわからせる為のクラクションです。
私は、特徴のある(個人が特定しやすい)車に乗っていることが多いのですが・・・
相当な頻度でクラクションを押しています。
今回の事故でも、私が最初の遭遇車なら・・・
高い確率で、歩行者事故は防げたと考えます。

◆2014年9月15日:加筆
2014年9月10日の深夜に、この付近で筆者は事故に遭遇する事になります。
目の前で遭遇した事故の際に、筆者がどのような行動を取ったのか?
後日公開します。

◆時間は掛かるが、事故の減る方法
・自分自身が、スバルかボルボに乗る
・周囲に、自動ストップなどが付いた車両をすすめる
・横滑り防止装置を周囲に教える

「日本人は安全を買わない」と常に述べています。
ちなみに、「任意保険」と、「安全な車」という物差しは、全く別の物。
日本人は、自分で考える事をせずに、政府・企業・先生・親などに判断を委ねる民族です。
「メーカーが売っているから安全だろう」が全てのスタート。
自分の判断で、安全な車を買うという思考パターンを持っている人は少なめです。
それ故に・・・キャブオーバーのハイエースが、商用車のベストセラーという恥ずかしい状態になっています。
上記の、「スバルかボルボ」に関して、解説します。
この両社は、昔から安全を蔑ろにして来なかったメーカー。
スバルは、アイサイト。
ボルボは、ヒューマンセーフティー。
どちらも、業界に先駆けての採用です。
2013年現在は、軽自動車にも同種のデバイスが装着されてきましたが・・・
両社のシステムは数万円で取り付け出来る簡易な物とは、別次元の物。
まずは、あなたが安全な車を選んで下さい。
現在では、スバルもボルボも乗って楽しい車が多い。
一昔前のボルボのように、「安全を重視して、運転の楽しさを捨てる」(特にボルボ。スバルはシート起因)と言うことをしなくても良い時代になっています。

◆実現は困難だろうという提案
・免許書き換え時に100km/hからのフルブレーキテスト
これをすると・・・
現在の車の性能のままでも、10年後の交通事故死亡者は半分になると考えます。
事故を起こす方の根っこは、「自分が重い物を動かしている」という認識の欠如に行き着きます。
例えばですが・・・
「あなたは、100km/hで何メートルで止まれますか?」
この様な質問をした際に、答えられる方は少ないでしょう。
また、その宣言した数値で、「一発」で止まれる方は、さらに少なくなります。
このフルブレーキテストを定期的に行う事により、ドライバーの車に対する認識は、一気に良い方向に向かいます。
現在の、「動くリビングルーム」(ミニバン)から、本来の姿(欧州の車)に動く事になります。
ここで、「実現は困難」としたのには、明確な理由があります。
だって・・・トヨタが儲からなくなる方向ですから・・・
トヨタ的には、「ハイエースが売れているなら、何も問題無し」なのです。
100km/hからのフルブレーキテストでは、国産車の多くが走る事に関して危険である事を証明してしまいます。
私は、車両購入の最終段階で、必ずフルブレーキテストを実施しています。
例えば・・・今回のハイエースの購入の際にも中古車を検討しました。
その際にテストを行ったところ・・・見事にABS故障という瑕疵が発覚。
同時に、足回りを固めれば、比較的真っ直ぐ止まる事も確認。(試乗車は、バンワイドベースの3ナンバー)
過去のグランドハイエース(典型的なトヨタの足回り)試乗では、急制動時に曲がっていく事も確認。
事故になるのかの瀬戸際でのブレーキ性能を非常に重視していることがわかって頂けるかと思います。
なお、【ブレーキ性能】としているのは、フェード性などでもフィールでもありません。
純正ブレーキでも一発勝負なら大きな問題となることはありません。
なお、ハイエースの足回りを積極的に固めているのは、当然ですがエルクテスト対策。(100km/hブレーキ含む)
アブソーバーとスタビは固めて、タイヤは柔らかくという方向です。

まとめ

10年後ならば、今回の事故は防げました。
いろいろと偶然が重なった結果ですが、これが結論です。
結局のとろは、横滑り防止装置が無かったことが事故の発生原因です。
この装置が義務化されている新型車なら、中央分離帯への衝突事故すら起きません。
自動車も含めて、安全管理を全てのユーザーに期待するのは無理があります。
もっと早い段階で、横滑り装置の義務化を進めていたなら・・・やっくんも含めて救えた命は相当数あります。

◆2014年9月15日:加筆
「横滑り装置の義務化」に関しての加筆。
今回の該当車(ハイエース・グランドキャビン=10人乗りの3ナンバー)は、10人乗りの特例として横滑り防止装置の装着義務がありません。
構造的に、この手の事故が発生しやすい車両に、重要な安全デバイスが装着されないという矛盾が続きます。
この悲劇は、10年後でも繰り返されます。

ユーザーの自動車安全に関する意識は、相当に低い。
メーカーに責任を問いたい気持ちもわかるのですが・・・
結局は、ユーザー自身が安全よりも別のモノ(無意味な天井高やドリンクホルダーの数)を欲するのが見透かされているのです。
ミニバン・軽自動車などのガロパゴス国産車が、根本的に安全性の劣るモノです。
これを好んで買い求めている限りは、メーカーの姿勢も改まりません。

いろいろと小難しい事よりも、具体的に「買うべき車」を示します。
7人乗り:エクシーガ(4WD・低重心・安全デバイス)
5人乗り乗用車:スバル・ボルボ
軽自動車:ミライースなどの低い車両推奨(本当に必要な方以外は購入を控えるべき)

自動車メーカーは、口当たりが良く自社製品が安全に考慮していることを宣伝してきます。
しかしながら・・・「小さい車=軽自動車」は、物理時にクラッシッングスペースが小さくなる。
「背の高い車=ミニバン」は、非常時のハンドリングの選択肢が少なくなる。
物理の壁は、超える事が出来ない。
ここが、全てのスタートです。
低く、ボンネットがあり、安全デバイスが付いている車。
つまり・・・ハイエースは、安全という観点からは真逆の車です。
購入時も書いていますが、ブログもどきではハイエースを推奨しません。

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