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耐震工事をしていますか?

イケア標準転倒防止金物

イケアで大きめの家具を購入すると、転倒防止の金物が付いてきます。
感心しますね~

だけど・・・私は付けていません。
あくまで、「転倒防止」なので本格的な地震に対しては無力です。
イケアは日本製(ホームセンターなどで販売されているもの)に比べると、「重い」事が特徴です。
この重さは高級感の演出をしてくれるのですが地震という観点に立つとマイナスとして評価されます。

小さい方が軽め(50kg以下くらい?)に付属している金物。
大きい方がIKEA・PAXのボックスに付属している金物です。

PAXを柱に直接拘束

PAXの耐震工事例 その1:柱に拘束

寝室の、全高2.4m・全幅2.5mのPAXの最上段部の金付近を撮影しました。
この後ろには柱が控えています。L型の金物の上部はPAXのフレームへ、背後は柱に直接ビスで結合をしています。
完全に家と一体化しています。
このPAXはあちらこちらで構造体と直接結合されています。

注意!幕板は釘止めだけなので力が掛かると抜けます。必ずフレームと拘束してください。
また、純正のL型金物はお店でもらえます(良心的ですね)ので、多めに取り付けましょう。

ケーシングを貫通し柱に拘束

PAXの耐震工事例 その2:ケーシングを貫通し柱に拘束

私の場合は重量のあるPAXなどを導入するために、間取りの修正や簡単な工事を同時に行いました。(購入後に、その重さにビックリ)
このPAXは背後にBILLY(本棚)を合わせたオープンスペースとなっています。
背後の柱に拘束できないので、横からケーシングを貫通し柱に拘束しています。

この場所は吹き抜けなので、横の柱1本と床にしか拘束場所が見つかりませんでした。

オープンスペースは床(根太)にビス留め

そのPAXのオープン側の床です。
柱(壁)が無いので、床にビス止めです。(純正金物が活躍)
もちろん、1本では強度的に不安なので、複数個を使います。

ビリー(本棚)は壁にピッタリと付けるためと配線スペースとして巾木の高さを削っています。
なので、この位置から偶然撮影することが出来ました。

ここまでする必要があるのか?

このページを見ている多くの方はここまでの耐震工事をしていないと思います。
ショールームではこの耐震工事の配慮の1/10程度もされていません。
(セルフサービスエリアを見ればわかりますね?)

スウェーデンと地震

ご存じの方も多いかと思いますがスウェーデンには地震がほとんどありません。
スマトラ島沖地震では多くのスウェーデン人の方の犠牲者が出ていることからも「地震=津波」などの思いつきが無い事がわかります。
さて、イケアに戻りましょう。
セルフサービスエリア(倉庫)を初めて見たときにどう思いましたか?
私は・・・「ムチャするな~」と感じました。
あの考えは地震国である日本人には発想できません。
出来たとしても実行にはうつせません。
消防法なども、あの攻撃は想定外だったのでしょうね。(いずれ対応するでしょう=下で詳しく)
彼ら(スウェーデン人)の頭の中には地震でサービスエリアにある家具が客に降っていくなどというイメージはこれっぽっちもありません。
それなりの大きさの地震をイケアが襲えば、死傷者が出ることは確定と私は思っています。(あの重さと、高さです)
このタイミングで・・・消防法などで大規模な店舗の商品落下防止などの規定が入ってきます。
商品の価格が1割り上がっても、サービスエリアの改善は強く望みたい所です。

イケアは軽くならないのか?

軽くなりません!
30年以内にイケアが劇的に軽くなることは無いでしょう。(ヨーロッパで大規模な震度7の地震が起きない限り=99%無し)
イケアの家具はコスト・作りやすさ・耐久性・輸送性の観点から観察すると非常にバランスが取れています。
それでは個々に見ていきます。

◆物流観点
海外からは船便ですので、「容積」でコストはカウントされます。
重く・薄く・スタッキング可能・梱包材の低減により、容積は最大限に生かされます。
一方で、国内物流では重さはマイナスに動きます。
イケアはこれを、「客に運ばせる」ことでカット出来ました。
店内システムも「重い」事を前提に設計されているので、これから、「軽く」してもイケアにはメリットがありません。

◆高級感と精度
MDF?(たぶん正式名称は違います)により、狂いが少ない材料は素人に2.4m高のクローゼットを組ませるほどの精度が出せました。(2人じゃないと組めないけど)

仮に・・・軽くしたとします。
輸送時に重ねると製品が潰れるために、容積の割りに運べる商品が減ります。(国外からの輸送費大幅アップ)
もちろん、梱包も発砲スチロールなどが必要の為、大きくなります。
大物は精度が出にくい為、素人の組み立ては困難になります。(そのかわり女性が持てるかも)

ゴミ(梱包材)が出て、コストが上がり、高級感が無くなる。
そんなイケアを買いますか?
イケアは重いから、イケアなんです。

地震は怖いけど、イケアは使いたい

私も、イケアが好きなんです。
あの価格でこの内容なら、他の選択肢はありません。
それ以前はイノベーターを良く買っていましたがバッタリと買わなくなりました。(だって・・・1/3くらいの価格なんですから)

イケアは日本で使うのはユーザーの責任です。
寝室にイケアのベットとクローゼット・・・
良いですね。デザインキレイで機能的。質感も高くて値段も安い。
完璧です。

ただし・・・そのままだと、大きな地震が来ると命の危険があります。
我が家の寝室のPAXはフレームと引き戸だけで200kg以上です。引き出しや中身を考えると400kgあるかもしれません。
そんな物が寝ている所に寄りかかってきたら、平気でいられるわけがありません。

大物のイケアは構造体(柱など)と拘束
これが日本人の常識と考えてください。
これが出来ないと・・・
いずれ発生する大地震で、お店と家で死傷者がたくさん・・・
マスコミからも叩かれて、お客さんのイメージが悪くなり日本から撤退・・・・
私はこれは避けたいです。(イケア大好きですから)

そのシナリオ通りにならないためにも、皆さんの耐震補強をつよくおすすめします。

賃貸マンションなんだけど・・・

賃貸に住んでいる方へ!
高さ1.5m・重量50kg以上の大物のイケアは買わないでください!
どんな方法をとっても地震による怪我を完全に防ぐ方法がありません。

戸建てだけど・・・

遠慮せずに、家具と家をくっつけて下さい。
ツーバイフォーと木造在来の場合は柱や間柱をホームセンターで売っている下地を捜す機械で見つけて下さい。
3000円程度の安価な機械で十分です。
同じような雰囲気の商品でRC(鉄筋コンクリート)用の装置もあります。
たぶん、こちらの方が高いので勘違いすることは無いとは思いますが気をつけて下さい。

問題は軽量鉄骨下地の場合(一部の積水ハウスなど)ですね・・・
素人では少し難しいカモです。
新築の場合は家具を取り付ける予定の場所に合板を仕込んでもらって下さい。(メーカーによっては嫌がるかも)
軽量鉄骨にビスを入れるのが少し大変ですね。
がんばって下さい。

マンションなんだけど・・・

新築時なら、メーカーに「家具を取り付けるので合板を貼って下さい」とお願いして下さい。
もしかすると・・・消防法のからみとかで断られてしまうかも。
その場合は壁の下地の段階で撮影です。
壁の下地の位置が正確にわかれば、完成後に鉄板ビスで拘束することが可能になります。
なお、下地の撮影は新築住宅などにも有効です。
騙されたと思って、全ての部屋の四方向を撮影してみたください。(画像は永久保存)

最後に

このページに書いた内容をプロにお願いする場合は注意が必要です。
多くの建築のプロ(設計士・営業・大工)などは地震に興味がありません。
「お任せ下さい」と言葉に出しますが信用しないで下さい。
元々、その業界(組子職人10年。住宅営業6年)に長く属したので、彼らの性格は良くわかっています。
家族と自分の安全を守れるのは自分自身です。
ネットでキチンと勉強をして、ご自分で耐震工事をすることを強くおすすめします。
もちろん、勉強後ならプロの仕事もチェックが出来るはずです。

ネット専売ハウスメーカー設立

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